前へ目次 次へ 32/94 またたきのあいだ‐15‐ 忙しいだろう寝起きの朝の中で時間を作ってくれたのだろうが、鏡太郎は少しだけ不安を感じた。無理無茶を椛はしているのではないかとだ。しかし大丈夫だろう。椛は立派な大人であり社会人なのだ。自分の体調管理もできているであろう。余計な心配だ。 「ん?」 畳まれていたハンカチから、ひらりと白い紙が抜け落ちた。どうやらハンカチの間にはさげられていたようだ。偶然、偶々、ではなかった。鏡太郎は足元に落ちた紙を拾い上げる。