30/94
またたきのあいだ‐13‐
椛は溜息を吐いた。呆れ顔だ。これで、良いのだ。
「お前はもっと硬派な性格だと思ってたよ。どうやら軟派だったようだね、鏡太郎は」
「はっはっはっ、そう褒めてくれなくてもいいぞ。お礼にお茶でもだそうか、ウーロン茶でよければだが」
「連れ込まれるのは遠慮しようかな、軟派くん」
「それは残念」
椛は、くすり、とでもいうのか、唇が反る。微笑み、と言えた。棘棘しい一面だけが椛ではないということを感じた。いつの間にであろうか。狼たちが伏せていた耳を起き上げ、鼻先が鏡太郎を捕まえていた。
──カチンッ。




