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またたきのあいだ‐9‐
椛の見た目はクール、言い換えれば冷たさのようなものが滲んでいた。しかし、ただ冷たい、というだけではないようだ。椛のもつ狼の群れは、明らかに、鏡太郎への興味を抱いて首をあげ見つめていた。うぬぼれではなさそうだ。興味の正体が、どのような感情からかは謎であった。
ただ……鏡太郎は少しだけ嬉しいものを心に感じた。出会いは、吐瀉物をぶちまけていた、不潔なものだった。しかしこうして、一会で終わらずに話を、繋がりを推められた。感動だ。鏡太郎は怪物を恐れている。だがそれは、一人で生きられることを意味していないし、寂しさをもつのだ。




