前へ目次 次へ 11/94 ひとりぼっち‐11‐ 働く女……そして青い肌の女。そのスカートの中は二本の足ではなく、幾匹もの狼の群れとその首が足のようなものを形づくっていた。まるでマモノ。だがそれは、鏡太郎の目で見えているものでしかない。そして鏡太郎は普通のまま世界を見られはしないのだ。 女からは強くアルコールが匂った。酒の飲み過ぎで吐いているようだ。見なかったことにしたかった。しかし見てしまった。遅すぎた。女は口元の汚れを乱雑に拭う。吐き終えたようだ。女はそして振り返る。鏡太郎に気が付いていたのだ。