突然のデート計画⑫
家についた頃にはなんとか自分の心を整えることに成功すると、雅人君の後ろに続いて家の中に入る。
「お邪魔しますね」
「おう」
雅人君にそう言うと雅人君も軽い感じで返してくれる。
この感じは男の子の対応そのものだけど、このままでいいことはない。
この私が来たのだから、この喋り方も変えてもらわないといけないよね。
私は雅人君の部屋に入れてもらうと早速ということで、自分のカバンの中から水筒を取り出してその中の飲み物を飲む。
「飲み物だったらだすよ?」
その光景を不思議そうに眺めていた雅人君がそんなことを言うので、逆に私が戸惑った。
だって人の家に来たからといって、自分のことはやるもんじゃないの?
本当に疑問に思っていた私に、雅人君は何かを諦めたように首を振ると、こちらに向き直る。
「それじゃ、やりましょうか」
そう言って、部屋の中にあるクローゼットの中を開けた。
「すごい」
思わず驚く。
そこには何着もの女性ものの服が入っていた。
「どれがいいのかな?」
そしてそれの中の一着を雅人君は持つとそう聞いてくる。
それも頬を赤く染めながら……
反則だよ。
思わず叫びたくなるのをなんとかこらえた私はそんな内面のことなんかを一切表に出さないで服の方に近づく。
どれがいいかなーと、手にとって確かめながらも意識は先ほどのところに向いていた。
あの可愛い表情はたぶん作っていないからこそできる表情なんだろう。
あんな表情をされると私の理性という枠組みの枷が外れてしまう。
そんなアホなことをまた考えながら、一応服に目をとおしていく。
うーん……
そこでわかったことはここの服自体が誰かに選んでもらったものなのか少しひらひらしたのが多いような気がする。
一つのもので着るのならこういうものでもいいけれど、全てを同じ感じに揃えてしまっては全員にうけることはできない。
そのため、ここでの選択肢は一つだと思う。
「少し待っててもらっていい?」
私はそれだけを言うと颯爽と部屋を家を飛び出して、自分の部屋に戻るとダンボールに入っていた昔の服をダンボールごと持ってでた。
そしてそのまま雅人君の家に戻る。
「はい、これ」
そして早速その中にあったいくつかの服を取り出した。
まずは自分の中であった最初のインスピレーションに従って、上着のポロシャツを素早く剥ぎ取ると、上から少しダボっとしたTシャツを着せて腰の位置でその服を結んでみる。
俗にいうヘソだしスタイルのそれはなんとなく健康的な感じではあるのだけど何か違う。
うーん、どうしようかな。
とりあえず自分の中で思い悩んだ。




