突然のデート計画④
慌てて声のする方を見ると、そこにいたのは私の予想の通りの私の担任のあの可愛い美人さんだった。
「先生、また資料に目通してないんですか?」
だけど、そんなことを思った私とは違い、悠里は少し強めな口調でそう言うと、ため息をはいた。
ああ、確かにこの先生って学生の目線で見るにはなるべく学生と同じでなくてはならないなんてことを言っていたので今回も私が生徒会に入るということを何かで提出していたのだけど、それを見ていないということだと思う。
そういえばこの先生の名前ってまだ知らないような……
そんなことをふと思っていると、先生がこちらに気づくと手を上げる。
「あ、美佳じゃないかー」
「はい」
私も軽めに手をあげてそれに答えると先生は可愛くニコッと笑う。
ああ、本当に可愛い。
なんであんなにも美人さんなのに、表情はあんなにも可愛いのだろうか?
あれって反則じゃなかろうか?
そう頭で考えながら少し先生の方を見てると、先生は何かタバコみたいなものを吸う仕草をする。
あ、シガレットのことだね。
そのことを思い出した私は、同じようにタバコを吸う仕草をする。
すると先生はとても嬉しそうに微笑んだ。
可愛いー。
何このほっこりした感じ……
テンションが上がるよねー。
なんてことを考えながらも歩いて行った先には、生徒会室があって、私たちはそこに入っていった。
「おー、愛しのハニーたちー」
そして入ると同時にそんな言葉がやつからかけられて、悠里は顔をしかめて、私は努めて笑顔でいる。
「おお、いい笑顔」
私に対して言っていることだと気づくけれど、内心なにこいつと思っているのを悟られないため、何かを言うことはしない。
だけど会長が何かを感じたのか、その鬱陶しい男の横腹を小突いた。
ナイス。
私は心の中でそう考えながら自分の席に座った。
いつものように作業が進んでいくはずだったが今日はそうはならなかった。
「うーん……」
何か本を読みながら可愛くうなっている先生がいるので集中して作業できない。
可愛いんだよ、だけど今は集中するときだからお願い静まって私の煩悩……
そう頭で考えながらも今のままでは仕事にならないのも事実なので、なんとかしないといけないと感じた私はとりあえず先生に話しかけた。
「あの、どうしたんですか?」
「あ、うーんとこの問題をどう解くかわからなくてね」
そう言って本で見せられたのは数学甲子園などで使われている問題の一つだった。
あ、これ見たことある。
そう思った私は解説をつけながらその問題を解いてあげた。




