男の女⑨
そんな私のことはさておき、この目の前の美少女をどうにかしないといけないよね。
とりあえず頭を撫でてみる。
「ふにゅー……」
そうすると美少女会長は目を細めて気持ちよさそうにする。
それを眺めていると、ハッと美少女会長がこちらを見る。
「なんで頭を撫でてるんだ?」
「可愛いからですよ」
「何を……」
可愛いと私が笑顔で言うと、美少女会長は戸惑ったようにしながらも顔を赤くしてまた机に突っ伏す。
それを可愛いとしか思えない私は、そのまま消し音で携帯で写真をとる。
ちなみにそのあいだも美少女生徒会長は顔を伏せたままだった。
たぶんどうにでもなれと思っていたんだと思う。
あー、襲いたい。
だからこそ私はその衝動をなんとか押さえこんだ。
だってこんなところで急に暴走したら色々抑えがきかなくなりそうだ。
そんなことを頭の中で考えた私は、ただ頭を撫でる作業に徹した。
「帰るぞ」
夕方六時前になったところで会長、現在は男バージョンがそう言って立ち上がり、私もそれに続いた。
っとそこでいいことを一つ思いついた。
「あの、会長」
「なんだ?」
「これから二人の時はあの美少女の姿でいてくださいよ」
「嫌だ」
「えー」
だけどその提案はすぐに本人から苦い顔で却下を受ける。
本当はこういうときって、この弱みを使って美少女になってくださいよ。
みたいなことをするのかもしれないけれど、私にそんなSみたいなことをするのは正直にいうと難しい。
だってノーマルだし、あんまり人の嫌がる顔ってどっちかというと見たくない類のものだ。
だからこんな軽い感じなんだけど、会長の秘密を知った私は少しは嬉しかった。
そんなことを考えながら私は会長をからかいながら帰路についた。
晩ご飯を作ってみんなで食べる。
そして食器洗うのは任せてと言った舞姉にそれを任せて私は部屋にやってきた。
少し緊張しながらも例の言葉を唱える。
「ボーイズチェンジ」
そして淡い光に包まれた私は男に変身した。
うーん……
それなりに美少年になった私は少し鏡を見る。
面影を残した顔からこれが私がもし男として生まれてきたらこういう顔になっているんだろうなと思わせた。
でももう少し髪が長くてもいいんだけどなー。
そう髪型を自分の中で考えたところでその出来事は起こった。
また淡い光に包まれたかと思うと先ほど考えた髪型にチェンジした。
「え……」
思わず驚いたことを隠しきれないほどその変化はありえなかった。
もしかしてこの変身後の姿って自分の思っていたものになるってこと?
そう適当に結論づけた私は、だったら会長があんな姿になっているのは実は甘えたいから?
そう勝手に結論づけたのだった。




