美佳の気持ち④
そしていつの間にか寝ていた私は次の日も少しの違和感と共に目を覚ました。
それは腰の辺りにふよふよと優しく撫でている手だった。
私はすぐにそれが舞姉の手であることを確認すると、慣れた感じにするりとその間を抜けて、近くにあった抱き枕を舞姉の手の中にすっぽりと収める。
これにより、さっき私が抜けて少し不機嫌そうだった表情が今では和らいでいて可愛らしい寝顔になっていた。
実は舞姉は未だに何かを抱いて寝ないとちゃんと寝れないらしく、今でも枕元にはぬいぐるみが少しある。
そんな可愛い舞姉を少し眺めて気合を入れた私は今日も朝食の準備などを始めるのだった。
そして朝食を食べて学校に向かう途中に乃絵ちゃんから噂話しを聞かされていた。
「えっとね、実は高校の裏の林には神社みたいなのがあって、そこには何かの代償に何か願いを叶えてくれる神様がいるらしいよ」
「そうなんだ」
「うん、なんでも私の同級生の女の子なんだけど、自分のお気に入りの服を代償に気になっていた男の子に急接近したんだって」
「えっ、ほんとに?」
「ほんとなんだって」
「へー」
「それ、私も聞いたことがある。」
「悠里も?」
「そうそう、私が聞いたのはシャーペンの芯を代償に無くしていた筆箱を見つけたとか」
「それはなんとも実用的な……」
そう言いながらも心では違うこと考えている私がいた。
もしその願いごとが叶う神社があるというなら私も変わってみたい。
こんな私じゃない自分に……
そう心の中で暗いことを少し考えていたけれど、表には全くださずに私はただ笑顔で二人の話しに相槌をうっていた。
そしてその後は授業も滞りなく終わって、放課後になる。
私は一目散に学校裏の林にこそこそとやってきていた。
そして決意を固めて踏み込んだ。
セミの鳴き声しか聞こえない中でどれくらい歩いたのかわからない。
前にのみ歩いているのになんにもないのは私がそういう願いを聞いてもらえるような存在ではないからかもしれなかった。
だけど、私には変わりたいという願いが本当にあった。
そのときだった。
私の目の前に小さな鳥居と大きな岩が現れたのは……




