↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Memories of Tear  作者: 琴羽
1
PR
16/38

第2章(2-2)

「で、具体的には何をすればいいんだ?まず、いつから始めるんだ?」

「んーと、来週ぐらいかな。泰造のおじさんを中心にやるらしいから、何をするかはおじさんに聞いてくれ」

「了解―。実際に作業始めるときになったら言ってくれよ」

「おっけー」

手伝いをするのは多少面倒くさいが、泰造おじさんに久々に会えるようだからよしとしよう。

変人だから、相手にしていると少し疲れるが、俺はおじさんのキャラが好きだった。

「……………………」

「……………………」

平和だ。今日も俺の一日は何事もなく終わろうとしている。

だが、やけに何かが頭に引っ掛かる。いったいなんだ……?

「…………」

まあ、いいか。

「あ、そうだ、清水。聞いた話なんだけど、この間安藤さんちのにわとりが――」

「ってよくなーーーーい!!!!」

「え、なに!?この話つまらなかった?そうだ!! なら、この間吉田さんちのイノシシが逃げ出した話は……」

「どうでもいいわ!!いや、あんまりどうでもよくなったが……でも、やっぱどうでもいいわ!!」

中島の話を聞いて、重大なことを忘れていた。本来この話をするために、来たというのに……

「あ、待って。俺も一つ思い出したわ」

「後にしろ!!」

なんか再び中島が俺の話に水を差そうとしてきたが、同じ過ちは繰り返さない。今度こそ無視する。

「ビックニュースだ!!俺もビックニュースがあったのを忘れてたよ。いろいろあって忘れてたが、思い出した。いいか、聞いて驚けよ……」

これから話される内容を知らない中島は、よくわからずにぽかーんとした顔をしている。

「……?」

「なんと、あの……あの佐々原が帰って来たんだ!!」

「……………うん、知ってる。俺もさっきそこで会ったし……ごめん、俺のさっき言った思い出したことってそれなんだ…………」

「な……………………」

……開いた口が塞がらなかった。あまりの驚きで、口が“お”を発音する形で固まる。

「いやー、ごめんごめん。でもあいつ、ほんと全然変わってなかったな!!ははっ」

「なにがおかしいいいいいい!!ついさっきのことだろ!?忘れるなよ!!」

「いや、だからごめんって……」

「猫や牛やイノシシより、こっち先に思い出せよおおおおおお!!」

「牛じゃなくて、にわとりな」

「そこどうでもいいから!!」

疲れる。中島と話してると、やけに体力を消費させられる。

すでにツッコミ疲れて、肩で息をしている始末だ……

「もういいや……伝えるべきことは伝えたし……」

役目を果たし終えた(果たす必要はなかったようだが)俺は、もう大人しく家に帰ることにした。

「もう帰んの?」

「そうさせてもらいます………」

完全に憔悴しきった俺は、よろよろと立ちあがる。

「それじゃあ、ちゃんと建設の予定わかったら知らせろよ?」

「おう。それじゃあなー」

「んじゃ……」

適当に手を振って、部屋を出る。

部屋を出たすぐ先に玄関があり、そこで靴を履いて家を出る。中島の家にはもう何度も来ているため、この動作にも慣れている。

だが、今回はいつもより疲労感が強い。

当然、ツッコミで疲れたのもあるが、ほとんどは今日一日で蓄積された疲労だ。

朝家を出て、奈央ちゃんに会って、神坂に出会い、そしてまた奈央ちゃん会って、そして佐々原に会った。

これら全て今日一日の出来事だ。充実し過ぎてパンク寸前のスケジュールだった。

帰ったら早く寝よう……

そんなことを考えながら家に向かう。と言っても歩いて3分程度だが。

佐々原に会った。村の手伝いをすることも決まった。

神坂のことは気になるが、今後の生活が充実していきそうなことが2つも起こり、少し浮かれた気分だった。

それが現れる様に、歩幅が普段よりも広い気がした………



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。