詩全集4 εἶδος 作者: 那須茄子 掲載日:2025/12/07 静かな水面に映る月 それは儚い映像であって欲しい しかしその光が示す形は 目に見えない美の集合知であると知る 石工が原石に夢見み完成された像のような 理想論こそが触れえぬ原型か 思考の彼方に横たわる 完璧にして普遍なる真実は 五感で捉える世界の移ろい 花の香 風の瀬 過ぎ去る定め すべてはちぎり絵 一時の模倣に過ぎず 人はこんなにもかたちに拘る 欠片の中に全体を見出す叡智 それが我にも備われば 目に見えないものも 視ることはできるのだろうか