リューネとの出会いを振り返って。
遅くなりました!
なんか眠くて寝すぎてしまいました……もう一話更新しますので、のんびりお待ち下さいませ。
いやー、さっきまで喧々諤々と言い争ってたのに……何故か今は目の前で「ねえねえ、シャルちゃんはー、何が好きなのー?」「えっとねぇ〜……あーちゃんでしょ、家族の皆でしょ、それにお家の事色々やってくれるメイドさんや〜、セルジュさんに〜、料理を作ってくれる人達、み〜んな大好きだよぉ♪」「そうなんだー。家族思いなんだね〜♪このこの〜♪」と姉上のほっぺたをツンツンプニプニと弄りながらからかうリューネ。それに「や〜ん♪くーちゃんくすぐった〜い♪」「も〜、シャルちゃんは可愛いなぁ♪」「えっへへぇ♪くーちゃんみたいな美人さんに言われたら恥ずかしいよぉ〜」とか言いつついちゃついておられる。
いつからこうなった?
確か……俺はトニー兄上と会話しながら2人が落ち着くのを待ってた……よな?
うん、その記憶はある。間違い無い。なんでいつの間にかこんな感じになったんだろう……?
隣りにいるトニー兄上も「えっ?えっ?姉様?リューネ殿?」と、混乱している。
当事者以外を置き去りにしてめっちゃ仲良くなっとるがな。
さっきまでの言い争いは何だったんだろう?
すると突然矛先がこちらに向く!
「アリューゼ!シャルちゃんってほんっと〜〜〜に可愛いわね〜♪こんな娘が『お義姉さん』になってくれるなんて私も嬉しいわ!」
「あーちゃんあーちゃん!くーちゃんって、とっても綺麗で頭も良くて優しいんだねぇ♪わたし、くーちゃんだ~いすきぃ〜♪」
「ふふ♪私もシャルお義姉ちゃん、大好きよ〜♪」
「もー!『お義姉ちゃん』は言わないで!!シャルで良いよぉ?」
「えー?どうしようかな〜?だって、義理の姉になるのは本当だしね」
「う〜……でもでも、くーちゃんにそんな事言われたら……なんだか距離が有るみたいで嫌なのぉ……だめ?」
「もー、ほんっとうに可愛いわね〜♪シャールちゃん♪」
「うん♪く〜〜〜ちゃん♪」
キャッキャウフフしてる……話し掛けておきながら、結局2人で会話してるし。
まあ、それはともかく。
「姉様もリューネも、お互いに打ち解けたようで何よりです」
そう言うと2人がそれぞれ理由を言ってくる。
「うん、だってこんなにあーちゃんの事を大切に想って大好きなヒト、くーちゃん以外に居ないって分かったんだよぉ〜」
「ええ、シャルちゃんが最初から全力でぶつかって来てくれたおかげで私も取り繕わなくて良いって分かって、全部曝け出したらちゃーんと分かってくれたんだもの♪」
との事。
はあ、なるほど?つまり最初にぜーんぶ言いたい事を言い切ったらスッキリして、冷静になったらお互いがお互いを認めあった、みたいな感じ?
すると、突然リューネが「あっ!」と言ってトニー兄上に向き直る。
「ごめんなさい……シャルちゃんとのお話に集中し過ぎてました……トニー様」
と言ったので兄上は顔を顰めて
「いえ、リューネ殿。僕の事を様付けで呼ばないで下さい。これから新しい家族になるのでしょう?せめて君かさんで良いですよ」
と、少し硬いながらも兄上も言いたい事をリューネに伝えている。それに伴い、2人ともリューネを認めてくれた事となる。
余談ではあるがリューネも殿を付けなくて良いですよと言ったら「では、リューネさんで」とトニー兄上のリューネの呼び方を決めたのだった。
そして、それからは4人で楽しく?お喋りタイム。
お茶を飲んで唇を潤し、お茶菓子を摘んで小腹を満たす。
「……そういえば、なんで姉様はリューネの事を『くーちゃん』呼びなのですか?」
「あー、それはね……」
「くーちゃんがね、リューネは愛称。本当の名前は『クリストリューネ』って言ってたからじゃあくーちゃんで、って」
「えっ?リューネさんは本名でなくて愛称だったのですか?それなら僕はなんとお呼びすれば……」
「あはは、トニーさん。リューネのままで構いません。実は私、名前が長いの嫌いなんですよ……ほら、言い難いですし」
はて?クリストリューネ……?
「あ。」
やべ。すっかり忘れてた。マズい。
「あら何?アリューゼ……もしかして、私の本名忘れてたの?」
やっば!!これは下手に言い訳するのは悪手!だけど思った時には既に口をついて出てしまった。
「いえ、だって……初対面の時1回聴いたきりだったので……いえ、これはこちらの落ち度ですね。ごめんなさい」
一応、本当に悪いと思ってるのでちゃんと謝る。
「あ、謝らなくても良いのよ?私も1回しか言わなかったのが悪かったんだろうし……」
「あー!くーちゃんがあーちゃんいじめた?」
「人聞きの悪い事を言わないでよシャルちゃん!」
「そうです。全面的に僕が悪かったので、これはいじめではありませんよ、姉様」
「あっ、もう!アリューゼまで私をからかう!」
はは。もうリューネも大分打ち解けてきたなぁ……と思ったのも束の間。トニー兄上の問のあとに爆弾発言が飛び出てくる。
「ふふ……あ、すみません。本当に、アリューゼと仲が良いのですね」
「ええ、決して短くない間旅をして、同じ部屋で寝泊まりしてましたから……あ」
あー、言っちゃったか……まあ、特に何も無いんだけどさ。
「えー!!くーちゃん、あーちゃんと同じ部屋で寝てたのぉ?」
「あー、いや、その……まあ、護衛も兼ねて?」
「ああ、そういえばリューネさんは冒険者でアリューゼや兄様の護衛のお1人だったんですよね?何か弟が迷惑を掛けたりしませんでしたか?」
「ちょっと。トニー兄様」
いきなり何を尋ねてきますかね、この兄上は。
「良いじゃないか。たまには客観的に弟の行動を聴いたってさ」
「あ!それわたしも気になるぅ〜」
「うーん……と言ってもアリューゼは年齢よりしっかりしていたし、野営や休憩の時なんかは凄まじい練度の竈やテーブルなんかを作ってくれたりととても気の利く良い子だったわよ?」
「……なんだか、リューネに『良い子』って言われると背中がムズムズしますね……」
「あははは♪でも、本当におどろいたのは最初に着いた隣村だったんだけどね」
「あー……もしかして……作っちゃいましたか。アレを。いや、確かに素晴らしい物ですけどいきなりアレを出されたら皆さん驚いたでしょうね……」
「あーちゃん、お風呂勝手に作っちゃったの?」
おう、バレテーラ。
「はい……いえ、その、マイニチ入ってたのに急に入らなくなるのも変な気分がしたので……」
まあ、アレが切っ掛けでリューネから求婚された訳だけども。
「本当に……お前と来たら……」
トニー兄上がこめかみを抑えながら呻くように言う。
うっ、ごめんて……悪いとは思ってるんだけどさ。
「あはは〜♪でもでも、お風呂って気持ちいいよねぇ♪わたし大好きぃ」
「そうね、それは私もそう思うわ。でも、あの時の衝撃は永遠に忘れられないわ……」
思い出してるのか、少しぽぅっとしつつリューネが虚空を見つめる。
「衝撃……ですか?お風呂が、ですよね?」
「うーん、確かにびっくりするとは思うけどぉ……くーちゃんはなんか違うみたいねぇ」
おお、姉上鋭い。
そしてハッとして正気に戻ったリューネに姉上が尋ねる。
「ねぇ、くーちゃん。何が衝撃的だったのぉ?」
それに一瞬口籠るが……意を決して話す様だ。
「それはね……そこでアリューゼの魔力の大きさと魔力の『色』に衝撃を受けたのよ。今までの人生でこんなにも私にピッタリでキュンっと来る魔力の持ち主なんて居なかったんだから!」
「へぇ〜……それでそれで?」
「うん、そこで興奮し過ぎた私は……アリューゼに求婚してしまったのよ」
と、恥ずかしそうに思い出しながら語るリューネ。
「えっ?そこでだったの!?」
「へぇ〜。そんなにくーちゃんをメロメロにしちゃう魔力だったんだぁ……あーちゃん凄いね♪」
「あっははは……僕もまさかあそこでリューネから求婚されるとは思ってませんでしたよ。驚きすぎて少し逃げちゃいましたし」
あれにゃ本当にびっくりして頭が回らなかったからね。
「え〜?逃げちゃったのぉ?」
「それは……おまえ……駄目じゃないか?」
「まあ、その……あまりにもおおきすぎる衝撃で、頭が沸騰しちゃってつい……」
「まあ、それは私も勢いで言っちゃった部分もあるし、お互い様よね」
あの時はもう1つ驚いた事があったんだけどね。
「そう言っていただけると助かります。ですが、僕が衝撃を受けたのはもう1つあるんですよ?」
「えっ?何か他にあったかしら……?」
「リューネが、あの時初めて素の自分を見せてくれたから、ですよ?」
「あ。……あー、なるほどね~。確かに、あの時まで私は対外的に話し方変えてたものね」
「そうですよ。あの時まではずっと一人称は『儂』で語尾に『のじゃ』が付いてましたからね」
そう言うと恥ずかしそうに慌てながら
「もー!アリューゼのばか!なんでここでそれを話しちゃうのよ……」
と、言って少し落ち込む。うん。可愛い。
「そうなのぉ?くーちゃん、普段は違う話し方なの?」
「うっ……まあ、あの……ほら、私って外見的に12歳から14歳くらいでしょ?そうだと冒険者とか大人って子供扱いしてくるのよ……だから、年齢に見合った話し方って思ったらそこに行き着いちゃって」
「……なるほど。確かに人族だと外見で人を判断するのが大半でしょう。これまで色々大変だったのでしょうね……お察しします」
と、最後にトニー兄上がこの話題の最後を飾る。
そろそろ良い時間かと思ったらまだそんなに時間は経ってない模様。
じゃあ、その後の事も話そうかね。




