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男爵領を振り返りその1

そしてその後の話題になった。


「それでね、アリューゼったらお風呂から出た私を無視してお風呂に逃げたのよ……酷いと思わない?」

「いや、その……もう少し考える時間が欲しくて……つい」

「まあ、分からないでもないが、それは男としてどうなのだ?」

「トニーちゃん、めっ!だよ?まだあーちゃんは6歳なんだから分からなくなる事だってあるわよぉ」

「……そうか。そう言えばまだ6歳でしたね……」


コラ兄上。まあ、自分が子供らしくない自覚はあるがね。


「でも、お風呂を出て借りてた空き家に入ったらリューネが仁王立ちして待ってたんですよ?」

「におうだち?」

「あ、すみません(この世界にゃ仁王様は居らんからな……)つまり、腕を組んで待ってたんですよ。扉を開けてすぐの所に」

「だって、逃したくなかったし……」

「まあ、そのお気持ちは分かりますが、答えを急いだって望んだ回答が得られる訳でも無いので、今後気を付けた方がよろしいかと……」

「ええ、そうするわ……ありがとう。トニーさん」


ちょっとしょんぼりしてしまったリューネではあるが、あの時の続きを話そう。


「でですね、その後話し合いが行われて、家族皆に認められたら結婚しても良いですよって決めたんですよ」

「そうそう!だから今日もシャルちゃんとトニーさんに認めて欲しくて来たのよね」

「ふむ。アリューゼ、何故家族皆なのだ?自分の事なのだから別に家族を気にしなくても良かったのではないか?」


と、聴いてくるがそれに対して俺はいつも通り。


「僕はですね、家族皆が大好きで大切なのです。だから、もし結婚するなら家族全員に祝って欲しいじゃないですか?なので、その条件を付けたのですよ」

「あーちゃんはやっぱり優しいねぇ♪」

「……優しいと言うか、これはこっちが聴いてて恥ずかしくなるのだが……」

「ふふっ♪そんなちょっと頑固な所もキュンって来ちゃってね。納得したのよ」


あの当時を思い返してるのか凄く優しい目で俺を見つめるリューネ。

その視線を見つめ返しながら


「まあでも、僕個人としてはリューネの事を好ましく思ってはいましたけどね。恋愛感情かどうかはあの時は分かりませんでしたが……今は、とても大切なヒトになりましたよ」

「アリューゼ……」

「あーちゃん、大胆!!」

「こほん。あー、話が続かないのでその辺で。な?」

「あ、はい。すみません、脱線しましたね」


俺は1回咳払いをしてから話を続けた


「で、その後は一緒に寝て、村の人にお風呂を提供して、朝ご飯を食べて村を出ましたね」

「ふんふん。なるほど。そして?」

「暫くは順調に馬車に揺られていたのですが魔物と野生動物に襲われたりしましたね」

「えっ?あーちゃん、大丈夫だったの!?」


凄く心配そうに俺を見てくる姉上。

……凄く優しいから心配性なんだよなぁ。


「いえ、その時は漆黒の牙の皆さんにお任せしました。すぐ撃退してましたし、とても凄かったですよ」

「そうなんだぁ……良かったぁ……」

「で、その日は野営をして、次の日の夕方前には男爵領に着く。そんな感じに順調に進んでいましたが出発して暫くすると魔物が」

「ほう。まあでも漆黒の牙の皆さんが撃退したのだろう?」

「ううん。違うのよ……アリューゼったら実戦を経験したいって言って1人で戦うって言い出してね」

「……あーちゃん?後でお説教ねぇ?」


おおう。姉上が怖い。こんな圧力の高い姉上初めて見たわ……身体の震えが止まらない。


「シャルちゃんストップ。結果だけ言うと圧勝も圧勝。無傷どころか5m以上の距離を保って一瞬で氷漬けにしてね?その後蒼い火球で燃やし尽くしちゃったの。あの時は凄かったわ〜♪」

「へえ〜。そうなのか……やはりアリューゼは凄いな。僕ではまだそこまでの魔法の行使は不可能だからな」

「まあ、兄様ももう少しですよ。普段から努力してらっしゃるのでしょう?」

「そうかな?……そうだといいな……」

「そして続きなのですが、前に馬車が数台停まってまして、嫌な予感がしたから通り抜けようとしたのですが商人と冒険者乃代表に絡まれましてね。イラッと来たので魔法で吹き飛ばして埋めちゃったりしましたね」

「あー……あの時のアリューゼはかっこよかったわねぇ……」

「いや……少しやり過ぎではないか?」


と、兄上が消極的に諌めてくる。が、この理由を聴いても同じ事が言えるかな?


「ですが兄様、よく考えて下さい。こちらはその日の内に両親のいるであろう男爵領に急いでたのです。それを邪魔してきたのですよ?」


そう言うと手のひら返して


「ああ、なら良し。それは僕でもやる」


とのこと。当たり前だよなぁ?


「そして、男爵領に夕方前に着いて、宿で一休みしてから男爵閣下のいらっしゃるお屋敷を訪ねたのですよ」

「で、そこにちゃんとご両親が居てね。そこでなんで帰りが遅くなったのかを聴いたらおめでたって言うじゃない?」

「はい。なので、母様の容態が落ち着くまで滞在する事になったのですよ」

「へぇ〜。ねーねー、あーちゃん。男爵様の街はどんな感じだったのぉ?」


姉上が興味津々な様子で聴いてくる


「それはですね……」


そこからその街でどんな事をしたとか、どんなお店があった、とか色々と話して行くのだった。

とりあえずここまでで。


次回も楽しみにしていただけると幸いです!

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