ダンジョン関連、対策会議
ダンジョンの変異はすぐに町に知らされ、達也たち主要メンバーによる会議が開かれました。
ダンジョンの変異から、わずか四日という短期間にこの会議が行われた訳ですが、これは予てより計画されていた事を行う為でもあり、予定にもあった報告会を兼ねての集まりでもありました。
「ほう、これは本当のことですか?」
「うーむ、現実的とは言えませんね」
「そうですな。 こんな話は今までにない事例ですよ」
達也たちがまとめた資料を片手に、この町にあらたに加わったメンバーがその報告に疑念の声があげます。
今回のこの会議より初参加となった人たちは、各組合員から選出された方々です。 ハンター組合からは二名。 生産者組合からは三名。 商業組合から三名が加わりました。
「まあ、俄には信じられないでしょうが、彼らの力はご存知なのでしょう?」
「ああ、さんざん世話になった彼らに、いまさら疑念を持つのは失礼といえよう。 なんだったら確認しに行けば良いだろう?」
「「なっ! なんだと!」」
新たに加わったメンバーどうしで議論は進みました。
商業組合代表対、ハンター組合代表の意見は真っ向から対立し、生産者組合代表は静観する形となっています。
こういった議論も、住人が増えたことで必要となった訳ですが、どちらも現実を知っているからこその意見といえます。
「うん" そろそろ良いですかな?」
「他に意見のある方はいますか? なければ次にいきましょう」
一頻り言いたいことを発した各員の顔を見定めた町長は、マリーさんに議事の進行を促します。
「今回の報告書による情報の確証は今後明らかとなるとでしょうし、今は議題から外します。 なので、今回集まって貰いました目的の議題を優先したいのですが、よろしいでしょうか?」
マリーさんからの問に、各々が顔を見合わせ頷きます。
「「「異議なし」」」
「ありがとうございます。 では会議を進めます……」
こうして町長を議長とし、議事進行をマリーさんが仕切り、今後の町の方針を話し合います。
各自が質問や疑念について、色々と意見が出ましたが、ある程度予想の範囲だったことで、会議の進行にも影響もなく、大方の理解は得られていって、然程の問題は起きませんでした。
議題の中身ですが、まず食料の問題と、収入源となる仕事の斡旋についての話であったことも大きく、とくに職に就く問題は最優先事項であったので、対立は起きなかったといえます。
なにせ、住民の大半がほぼ農民に偏り、仕事にあぶれてしまっているのだから、誰も反論するはずがないのです。
食料は森からも賄えるし、生産についても職人についてまわる見習いも増えた事で、収穫される素材も足りてない現状に、ハンター達からも採集にかり出される始末で、まったく人手が足りてない状況なのに、仕事にあぶれた農民が多くて、反論の余地がないとも言えます。
「はあ…… ダンジョンで潤うのは分かりましたが、危険はあるのですよね」
「はい。 危険はあります。 ですが、ダンジョンの中に入る必要はありませんよ。 現状、ハンターの育成が必要なのは変わりはないのですが、採集にまつわる仕事だけなら、それ程の危険はないですしね」
「うーむ、難しいですなあ……」
「魔の森ですしねえ」
実際、ダンジョンに入らずとも、ダンジョン周辺の森での仕事は採集のみでもなく、輸送や回収された素材の管理や処理の仕事など、様々な雑用もそれなりにあって、雇用対策としてあがったのですが、『魔の森』『魔界』のイメージが払拭できないのが問題なのでした。
結局、雇用対策は進める運びとなりましたが、やはり渋る人はいるので、出来ることから始めようと意見はまとまりました。
◇◆◇
会議から三日後。 リユートの町の各組合員から希望者を募り、ダンジョンがらみの仕事を請け負う事業が開始されました。
なにせ冬を迎えるこの時期に、なんの蓄えもなしに過ごす住人の不安を少しでも早く解消すべく、各組合員も忙しなく働いています。
まあ、ダンジョンでの仕事があると聞いて、若干の躊躇はするも、背に腹は変えられないとの事で、住人からの要望が後押しとなっていました。
事業の内容は、以下の通りです。
1、輸送関連。 ダンジョンまたは、ダンジョン周辺から採取、回収された素材や、ベースキャンプで作られる物品を町へと運ぶ事業。
2、採掘・採集関連。 ダンジョン内ならび、ダンジョン周辺での活動を伴う事業。
3、ハンター育成関連。 ダンジョン内ならび、森の中での狩りや指導を含め、採集物の知識や、危険に関する知識と対処の情報を共有化させる事業。
4、生産品関連。 ダンジョンならび、ダンジョン周辺から持ち込まれる素材の管理と、その素材の下処理を行う事業。
5、人材派遣関連。 ダンジョンならび、ダンジョン周辺の森に派遣するハンター・採集者を現地に派遣する為の事業。
ざっと上げただけでも、数百人の雇用が必要なくらい、今のダンジョンには様々な仕事があるのです。
ですが、現状で実際の仕事を任せられる人は、百人にも満たない人数しか居ないのが現実でありました。
色々と議論をかさね、必要とされる人材と仕事の数々を列挙していった訳ですが、ここで我々にしか成し得ない仕事も発覚しました。
「しっかしまあ、あんちゃんも大変だよなあ」
「ええまあ、乗りかかった船ですし、これも自分の使命と思えば、楽しくもあります」
「ははは、達也さんらしい答えですね」
「まあ、達也さんですしね」
「はあ、また鍛冶三昧の生活なのね。 とほほ……」
そして、ダンジョン探索を中断して、雇用対策に使われる必要な道具や武具をつくる日々が、またやってくるのでした。
色々と起きてることもあって、地域的な問題もあり、用事もうまくこなせていません。
申し訳有りませんが、まだ時間が必要となってますので、更新が遅れるかも知れません。




