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勇者さまは無双がしたい(仮)  作者: アイネコ
ダンジョン探索編
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ダンジョンの成長 その1



 ダンジョンがレベルアップを果たしたしたことにより、色々と状況が変わり始めます。


 まず、ダンジョンの入り口の形状が変わり、大きな荷車でも余裕なほどに道幅が広くなりました。


 今までの洞窟型の入り口は、大岩に穴があいた程度だったので、荷車は一台しか通せませんでした。


 それが、ダンジョンの入り口が大岩から巨岩のブロックへと置き変わり、入り口周辺も拡張されて行きます。


 ズゴゴゴ…… と、深夜に起きた地響きと共に、入り口の大岩がくずれ、巨岩へと変わる場面をみた見張りは全員逃げ惑った程でした。


 ですが、それも数分で収まり、遠目で見守っていた見張りたちも次第に落ち着きを取り戻し、調査を開始しましす。



 ◇◆◇



 夜中に起きたこの事態に、達也たちもかり出され、ダンジョンの変貌に驚きを隠せませんでした。


「ほえぇ…… なにこれー!? おっきくなってるー!」

「うぅっわ!? マジかぁ……」

「……こ、これはまた。 なにが起きたのでしょう」


 と、こんな感じで、ダンジョン前で見張りをしていたハンターたちと共に、達也たちも理解不能となった程でした。


 これまでの洞窟型から巨岩タイプへと変わったことにより、その周辺の施設も破壊されてしまい、その周りの地形も変質していました。


 昨日までは、ダンジョン入り口を取り囲むように防壁があった筈なのですが、それが破壊されて一段高い巨岩のブロックへと変わり、入り口もかなりの大きさへと拡張されています。


 壊された防壁の残骸は、変質した入り口の離れた場所へと押し出されていたので、ダンジョンの内側から何らかの力で排除されたのだろうと推察できます。


「うーん…… 何が起きたのかは分かりませんが、人が入らない夜中に起きたのは、不幸中の幸いでしょう」

「ほっへぇ……」

「な、中はどうなってんだろ……」

「取り敢えず、調査をしないといけませんね、これは……」


 そして、調査隊をつくり、変質したダンジョンの調査に入り、探索した階層ごとにくまなく調べ上げて行きました。


 調査の結果、ダンジョンの入り口周辺にも変化は現れていた様です。


 まず、入り口周辺に現れた水源に、一同が驚愕しました。


 入り口の西側にある巨岩ブロックから流れ出る水は、溝をつたい大きな水場へ流れて行きます。

 その水場は浅く、作りようによっては利用可能な施設となる可能性がありました。


「ねえねえ、これって飲めるのかな?」

「えっ? これを飲む気かよ!?」

「ふむ、見た感じ、足湯にも見えますけど、どうなんでしょう?」


 巨岩ブロックから排出され、岩の溝へと流れていくこの水は、どういう訳かうっすらと湯気が立ち上っていました。

 その先にある浅くひろい足湯のような場所に溜まる水は、膝したまである浅く広めな浴槽ともとれます。


「水質は良好ですね。 温度は少し低いですが、36度はあるので、少し加熱すれば身体を拭くことも可能ですよ。 飲水としては、飲めなくはないです。 温いですけど……」

「ふむ、温泉という訳ではないのですか…… 残念」

「「あははは……」」


 ちなみに、水源の先は森へと続いていましたが、どういう訳か流れていく水は溢れる様子もなく、森との境目に消えて行き、ここでも一同が驚愕の表情で固まりました。

 そして、もう一つ付け加えると、ダンジョン周辺の森の恵みも大きく変わり、後日談ですが多くの収穫物が取れるようにもなっていました。



 ◇◆◇



「ねえねえ、まりあ。 上の人たちは喜んでくれたかなあ?」

「はい。 今はまだ分かりませんが、概ね良好のようです。 マスター」


 新たな力を得て、天真爛漫な雰囲気で語る主人に、まりあは恭しく応えました。


「そっかあ、そうだよね! この調子で、あの人たちを支援するわよ!」

「はい。 マイマスター」


 ニコニコと上機嫌となったのりこは、ダンジョンの改造に取り掛かります。

 その傍らに控えるまりあは、次の段階へと進む主人を見守り、ダンジョン内の管理を進めるのでした。


 こうして、ダンジョンは大きく変わり始めるのですが、それはそれで新たな問題を抱えることとなっていくのでした。



 ◇◆◇



 ダンジョン内をくまなく調査した結果、やはり内部も大幅に変わり、洞窟タイプの通路は外部と同様に岩ブロックタイプへと変更されており、これぞダンジョンだといえる様相へと変わっていました。


「なんともまあ……」

「すっげえ……」

「……はっ!! なんか居るよ!」


 入り口からまっすぐ延びるブロックの道を、等間隔に備え付けられた松明に照らされ、十字路のような曲がり角から、ぬるっとした何かが現れました。


「な、なんだ。 スライムじゃねえか。 驚かすなよ……」

「あははは、ごめんね」

「いやあ、変われば変わるもんですねえ」

「うーん。 出現するモンスターは変わってないようですが、採掘現場はどうなってるかが問題ですね」


 一同そろって頷き、マップをつくりながら先へと進みました。


 結論としては、マップは新しくつくり直すこととなり、今までの採集スポットも変わっていました。


 ただ、一階から三階までの採集物の場所が変わったくらいで内容は変わらず、回収される素材の質が、少しだけ良くなっていたのには驚きました。


 新たにマップをつくるハメにはなりましたが、今までよりもより良い素材が多く回収できるようになったので、これはこれで増収と、新たな雇用の受け皿となる期待が持てました。


 そして、この日を堺にして、ダンジョンの探索と共に、人々のくらしを支える仕事場がふえて、より明確な計画が立案されて行きました。





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