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勇者さまは無双がしたい(仮)  作者: アイネコ
ダンジョン探索編
65/74

三階層、突入



 ダンジョンの探索を開始して、一週間が経ちました。


 一階や二階には、相変わらずネズミがたくさん居ましたが、数はさほど増えてはいなかった事で、三階層までは順調に進めました。


 一階からつづく洞窟系の通路は、三階に入ると若干暗くなり、通る道幅も広く感じます。


「歩きやすくなったけど、暗くて先が見えないです」

「ですねえ。 魔力感知がなければ、光源が欲しいところです」

「俺たちには、あまり必要なさげだけど、松明とか用意しとかないといけないかな」


 三階層にはいって二日目となるのですが、空間がひろくなってるせいで、ライトの効果が若干うすくなった感じで、岩肌の壁が照らされています。


「そうですね。 光苔も少なくなってますし、何かしらの光源を用意しとくのが妥当ですね」


 俺の放つ光源(ライト)の魔法は、魔法の適正があれば誰でも使うことが可能ですが、人によって放つ光りの強さが変わります。


 いまは先頭をあるく俺が使ってはいますが、魔術師となった理恵ちゃんの方が、より明るい光りが放てたりします。


「前方からなにか来ます!」

「数は…… 三体ですか」

「あいよー」

「では、戦闘準備お願いします」


 通路のさきはまだ暗闇が続きますが、理恵ちゃんの魔力感知は精度も高く、その索敵範囲も広いので、敵の存在をいち早く知らせてくれるので助かります。


 ダンジョン内での魔力感知は、なれてる俺でも難しかったりします。

 ダンジョンなどのマナを多く蓄えた場所では、敵や物体が放つ微弱なマナでは、発見しづらい傾向があるらしく、とくに素早く動くものの感知には難しいものでした。


 そこをいくと、理恵ちゃんの感知能力は我々のなかでも頭ひとつ抜き出たものがあります。

 女子特有といったら偏見かとも思いますが、そこはヤロウ共と違い、感受性の高さに差があるのだろうと思います。


 という事で、今回は向こうからやってくるらしいので接近を待ちます。

 ライトの魔法を前方に放り投げると、うっすらと敵の影が見えて来ました。

 どうやら、今回の相手はゴブリンたちが相手らしい…… と思っていたら、それだけではないようです。


「ゴブリンが2、その後方に大蛇を確認!」

「了解! ここは通さん!」

「迎撃、いきまーす! ファイアボール!!」

「マスプロテクション!」


 前方に陣取り楯を構えた俺は、後方の三人へ敵の構成を叫び、それに対応すべくそれぞれが配置について、先制の魔法が放たれます。


 防御のバフをもらった俺の少し後方には徹くんが控えており、魔法を使う二人を守る形で敵の出方を窺っています。


「着弾確認! 残敵2!!」

「おう!!」


 放たれファイアボールでゴブリン一体が吹き飛び、一体は転がり、その後方から追随してきた大蛇は身体に火傷を負いながら、俺たちの方向へと身体をくねらせて来ます。


「ゴブリンは逃走を開始! 大蛇へ攻撃を!」

「うりゃあー!」

「「はい!」」


 壁まで転がったゴブリンは必死になって逃げに徹して、大蛇は怒りを顕にして俺たちを威嚇してきました。


 俺は楯を構えて大蛇へと歩み寄り、奴の気を引きつつ武器を大蛇の身体に叩きつけます。

 敵のヘイト管理とかしたことはないですが、大蛇のまわりで楯を振り回し、その行動を逐一邪魔をしてやります。


「硬えーし、しぶといんだよ、お前は!」

「アイスランス!」

「ライトヒーリング!」

「うおおおお!」


 徹くんの斬撃による攻撃は大蛇の鱗に阻まれているが、少しずつ奴の身体に傷をあたえ、理恵ちゃんのアイスランスによる魔法の効果で、次第に奴の行動が緩慢なものへと変わって行きます。

 俺も大蛇の前に陣取り、絶え間なく打ち合いを繰り返して、木村さんからの回復を貰いながら、奴の攻撃に耐えつつ動向を探ります。


 数分後、俺たちとの攻防で数え切れない程の傷を負った大蛇は、その強靭な身体を床に横たえ、やがて力尽きて動かなく為りました。


「はあはあはあ…… あー、しんど」

「ははは。 何度経験しても、怖ろしいまでの生命力だよね」

「ま、魔力が続きません……」


 やっと戦闘が終わり、各自は大蛇から離れて、息を整える為にも座り込みます。


「木村さん、回復ありがとうございました。 絵里ちゃん、徹くんもお疲れさまでした。 少し休憩にしましょう」

「「「はーい」」」


 大蛇の強さはそれ程でもないのですが、硬い鱗に覆われた身体と、有り余る体力が厄介な敵でした。

 三階で最初にあった時には、その大きな体躯に驚きましたが、戦ってみて判明した硬い守りと、そのしぶとさに嫌気がさす程でした。


 強敵とまでは行かなくとも、攻撃をはじく鱗を突破するには、もっと切れ味のよい武器か、対応できるスキルの獲得をしなければ為りません。


 まあ、倒してしまえば大蛇の素材はかなり良いものなので、ありがたくすべてを持ち帰ります。


「これでまた、お薬がつくれますね」

「倒すまでが大変ですが、捨てるところがないのが良いですね」

「もう少し倒しやすいと、有り難いんだけど……」

「そうだね。 でもまあ、防具や薬の素材となるんだし、見逃すのもアレなんだよねえ」


 そして、休憩を終えたあとは、大蛇をまるごとインベントリにしまい、また三階の探索を開始します。


 この日の成果としては、ゴブリンたちを蹴散らし、ネズミは追い払って、大蛇を二体ほど倒して地上へと帰還しました。





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