表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/74

達也、村を発見する!

気付いたら三千文字に届きそうになってました。

ブックマークありがとうございます。

励みになります。





 サバイバル 40日目


 達也は鉄を求めて、新たな土地へと旅立つこととなった。


 鹿や鳥、兎を狩って燻製を作り、皮を剥いで新しい装備を作ったりと、中々に忙しい日々であった。


 そして、旅の準備が整った日の翌日、日の出と共に出発である。


 旅の準備をしている間に、色々と足りない物がある事に気付いた。

 そういった物も手に入れる為に、捜索リストも用意した。


 鉄や銅などの装備関連。

 塩や砂糖などの調味料や、衣服といった感じに足りない物ばかりであった。


 まずは鉄がないと、今後の活動に支障がでるし、塩がないのは駄目だと思い出して、何処へ向かうのが最良かと悩んだ。

 そして、当初の目的である人が住む町か村を探すことが、近道という結論に至る。


 なので、前回と同様に川下へと向かうことにした。


「人が居るなら、塩も鉄も手に入るよな」


 内心の不安もあってか、自身に言い聞かせるように呟くと達也であった。


 職業を狩人にして、川の側をを川下へと向かって進み、森の中を警戒しつつ、見たことがない素材を調べながら、皮革に地図を書き込み進んでいく。


 最悪、川から離れずに進めば、いずれ人里か河口へと辿り着くだろうと思っていたので、かなりいい加減な地図でもあった。



 ◇◆◇



 川に沿って歩き始めて二日。

 川と森に挟まれた岩場を進み、次第に川幅が広くなってきた頃、森の木々をよける機会が減り始めてきた。


 そんな森の中の川沿いを歩いていると、次第に森の雰囲気が変わり始めてくる。


 それ迄の、深く暗いヒンヤリとした森の湿った空気が徐々に薄れていき、川も蛇行から真っ直ぐに流れはじめ、常に空が見える様になっていた。


「随分とかわったな。 空気も軽く感じるし、心なしか気持ちよくなったな」


 俺は目を閉じて、深呼吸をしてみる。 す〜、はぁ〜。


「うーん、いい空気だ。 森林浴って、こんな感じなのかー」


 うちは旅行とか一度も行ったことは無いし、修学旅行すら俺は行けなかった。

 ましてや、自然の中でこんな感じで過ごした事はなく、初めての体験だ。


「父さん達の子供の頃は景気が良くて、家族旅行はあったらしいけど、俺らはそんな金はないし、食ってく方が大事たったからな。 クリスマスは美優(みう)冬也(とうや)に家族旅行とか、プレゼントすれば良かったのかもな……」


 今更だが、初任給の使い方も焼き肉とかだったし、何かの祝い事があっても、思いつくのは食い物ばかりだったんだよな。


 ほんと、今更だよな。




 あれこれと探索し、森の木々が減ってきた頃、俺の視界に一筋の雲のようなものが飛び込んできた。


「あれ? なんだろ…… おお!! け、煙だ、煙が見えるぞ! 人がいるかも!」


 大興奮の俺の視界には、川のずっと先の空に向かって、モクモクと一筋の煙が流れていくのが見える。

 人がいる。 居るはずだと、俺ははやる心を抑え、川沿いを早足で歩きだしていた。


 やった。 意外と早く見つけられたぞ。 どんなところかな? 何人居るんだろう? あ、でも不審がられたりするかな? などと、頭の中で考えたけど、手持ちの素材や薬があれば、なんとかなるよなと思うことにした。

 最悪、物々交換とか出来るといいな。


 そんな事を考えていたら、いつの間にか視界から森がなくなり、草原に躍りでていた。


「ん? なんだ? 騒がしいけど、なにが起きてる!?」


 気づかない内に森を出たけど、煙の出ている箇所がどんどん増えているし、その煙も色が濃く変わりだしている。

 聞こえてくる音や声も騒がしく、悲鳴や怒鳴るような声が聞こえる。


「取り敢えず警戒して行こう。 戦争とかなら、撤退…… だよな」


 ドキドキと心臓がなる。 視界も少し狭くなった様に思える。


 俺はまだ弱い、こんな所で死ぬのは御免だ。 やる事をやらないまま死ぬくらいなら、逃げ切ってやる!!



 ◇◆◇



「うわぁ、こりゃヤバいぞ」


 達也の視界には、ゴブリン達に襲われている、村が見えて来ていた。


『ゲギャギャ!』『グギャッ!!』

「きゃああー!」「この野郎おお! 離せええー!」「た、助けてー!!」「早く逃げるんだー!!」


 と、村のあちこちから悲鳴や怒鳴る声が飛び交っている。

 村のあちこちの家からも火の手が上がり、煙がもうもうと立ち込めていた。


 達也は、逃げ惑う村人たちをみて、どうするか悩んだが、子供の手をひく親子に目が釘付けになった。


「こ、こっちよ、早くしないと……」

「ママー、こわいよー」

「おぎゃあ、おぎゃあ」


 家の裏手に隠れ、赤子を抱きながらも子供の手をひく母親の姿を発見した。


『ゲギャ! ゲギャゲギャ!!』

「ああ、そ、そんな!?」

「うわーん! ママー!」

「おぎゃあ! おぎゃあ!」


 母親たちはあと少しで、家の中に入れたという所でゴブリンに見つかってしまった。


「早く逃げろ!!」


 いつの間にか、達也は親子に向かって叫び、ゴブリンに向かって矢を放っていた。


『グギャアア……』

「えっ!?」「「!?」」


「早く逃げるんだ!!」


 突然現れたゴブリンの顔が苦悶の表情へと変わり、崩れ落ちていく姿を見た母親は、達也の怒鳴り声で気付き、子供たちを連れて家の中へと避難した。


「くそっ! やっちまった。 でも、仕方ないよな。 よしっ! やってやろうじゃないか!!」


 親子たちのピンチを無我夢中で救った達也は、村の中を歩きまわるゴブリンを見ながら、弓を引き絞りその矢を放つのであった。



 村中を走りまわり、村人たちを襲うゴブリンたち。

 鍬や鋤などで応戦する村人と、武装した男たち。

 そんな中を、両手にオノを持った達也がゴブリン達の背後から襲う。


「おらあ!」

『『ギャアアー!』』

「「!!」」


『ゲギャギャ!』『ギギャッ!ギャギャギャ!』


 バリケードの前に陣取る武装した男たちがゴブリン達を抑え、堪えていたところに達也が現れ、場は混乱する。

 その間に、二体のゴブリンが切伏せられたが、逃れたゴブリンたちが達也を囲みだし、その背後から一体のゴブリンが飛びかかる。


「「「あぶないっ!!」」」

「ふん!! でやあっー!」


『『グギャッ!!』』


 達也の背後を取ったゴブリンは攻撃を交わされ、達也はその攻撃をそのまま利用してゴブリンを掴むと、力一杯ゴブリンへと投げ放ち同時に飛びかかった。


 ものの見事に団子状態となったゴブリンたち。 そこへ達也のオノが襲いかかり、頭を勝ち割っていく。

 ゆっくりと頭からオノを引き抜く達也を見た残るゴブリン達は、その光景に竦んだのか動かなくなった。 達也はその隙きを見逃さずに、残るゴブリン達の首を跳ね飛ばしていった。


『グギャッ!』

『ゲギャー!』


「ど、どうだ、ハァハァハァ……」

「「す、すげえ……」」


 村人たちを背にして、切り捨てたゴブリンたちを睨みながら達也が呟くと、村人たちはぼう然とし、武装した連中は感嘆の声を漏らすしか反応はなかった。




「あ、ありがとうございます」

「ん? あ、ああ…… 終わったのか」


 村人と思われる恰幅の良い中年男性と、その人を支える若い男が近寄ってきて礼を述べる。


 達也は息を調えながら返事をしたが、中途半端な返答しか出来なくて焦っていると、武装した男たちが前に出てきて、肩を掴まれてしまう。


「あんた、すげぇな! 助かったよ」

「え? そ、そうですか?」

「「「はっはっは!」」」


 達也は思わず敬語が出てしまったが、男たちは全く動じずに達也をかこみ、口々に惜しみない称賛の声を挙げた。




今週はここまでとなります。

次週は2/1の0時更新となります。

よろしくお願い致します。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ