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04


さて、今日もお仕事がんばりまっし。

幼女+3匹は教会へ向かっていた。


「いきなり敵が現れても、物理攻撃はやめておこうね」


また昨日みたいに人間だった、なんてことになったらヤバいからね。


「だいじょぶー」

「もう油断しないー」

「アレやるしー」


「アレ?」


「ふっふっふー」

「魔法使いの常識ー」

「魔力探知ー」


「ほぇー。シロクマちゃん達はなんでもできるんだねぇ」


「なんでもじゃないよー」

「ナナの記憶でー」

「学習したー」


も、もしかして私の頭の中のアニメを参考にしてたり…?

わはは…間違った常識を覚えちゃったらどうしよう…


「そっかー。私もなる早で強くなるから、今は頼らせてね」


「いいよー」

「まかせてー」

「がってんー」


ありがたや、ありがたや。

本当に恵まれた人生だ。



昨夜、寝る前にふと思いついたので質問してみた。


「ねぇねぇ、最初の森で質問されたでしょ?【Q5】今世はどのような人生を望みますか?って。あれ、どうやったら反映されるの?」


「あれはねー」

「どんな生まれにするかのー」

「参考にされたんだよー」


なんですと!?

シロクマちゃん達が言うには、『スローライフ』を選んだから親はなく、あのまま森の中のスタートだったんだって。

だから返答の仕方によっては、7歳になったら記憶がよみがえる前提で王族・貴族の令嬢とか、特殊な職業の家に生まれたり、スラム街出発もあり得たとか……


なんというトラップ!恐ろしすぎる……

貴族はしがらみが面倒そうだし、特殊な職業も好きになれるかわからないし、スラム街なんて絶望だ。

スローライフって答えてよかったぁぁぁぁぁ。

あれ?結局一番望んだ人生になってるんじゃない?

理にかなっているのか…さすが神様。




礼拝堂に入ると、司祭様が待ってくれていた。

都市全域を手がけるので、地図を見て今後の計画を立てることにした。


うわぁ、ここってば、とある漫画で日本でも有名になったドイツの城塞都市ネルトリンゲンの倍近くあるんじゃない?

でっかいわぁ。

これで辺境とか、都会ってどんだけなのよ。


下水道の出入口は街の東西南北に1か所ずつある。

街を時計に見立て、北を12時とする。

魔力量と相談して、1日3時間分の領域をこなす。

よって4日に分けて作業する事となった。


「では出入口の位置関係で本日は3時から6時の方角までですね。全域を網羅しつつ最短距離を導き出しましょう」


この東の教会から入って、出口は南の教会。

ほとんど一筆書きでいけるルートを確立した。

司祭様、めっちゃ有能。

この人、きっと出世するわ。


早速下水道に潜る。

そこで防具を買い忘れていた事に気づき、昨日と同じ防御力ゼロのレインコートををまとった。


「ま、まぁねー」

「ネズミごときにー」

「後れを取らないからー」


シロクマちゃん達は元気に手に入れたばかりの武器を振り回しながら鬼のように魔法をかけて突っ走った。

順調に進んでいたが、急に足を止める3匹。


「出たなー」

「スーアー・ラットー」

「覚悟ー」


うわ…顔怖い…

初遭遇の魔物は中々に凶悪だった。


だが、瞬殺するシロクマちゃん達。

光線銃からは氷じゃなくてエネルギーの塊が飛んでいた。

おかげで一帯が凍り付くことはなかった。


忘れずに魔物から魔石を取り出す。

シロクマちゃん達は躊躇いなく切って手を突っ込んでた。

ゴム手袋しててよかったねぇ。


「ナナー!」

「危ないー!」

「後ー!」


振り返ると、黒い物体が迫っていた。

シロクマちゃん達は飛び出したが、間に合わない。


「いやーっ!」


しゃがんで頭を抱える。

ゴッという鈍い音が聞こえた。


………………………あるぇ?痛くない…?


そーっと目を開けてみると、でっかいコウモリが落ちていた。

顔怖い!

ん?私の周りに透明な壁ができている。


「うぉー」

「バリアだー」

「やるーぅ」


シロクマちゃんがサクッとトドメを刺す。


「ダークバットもいたんですねぇ」


司祭様もビックリしてた。

てか、私、バリア出したの!?


「魔法はイメージー」

「ナナの想像力はー」

「無限大ー」


生活魔法が得意ってだけで、他の魔法が使えないわけじゃないんだった。

『魔法はイメージ』が少しわかった気がする。

今の感覚を忘れないうちにスーアー・ラットを1匹バリアで囲んだ。

すっぽり覆っているから【結界】と呼んだ方がいいかな?

そして念じる。

ゴミ焼却場のイメージ……不完全燃焼を起こしてダイオキシンが出ないように高温の炎を………


「【ファイア(火)】」


青白い炎が一瞬にして屍骸を消し炭にした。


「あ、燃やしといてなんだけど、ラットの素材って売れたりする?」


「いえ、特に使い道はないでしょう。ですが、討伐の実績になるのではないでしょうか」


それならばと、残りの魔物達に見よう見まねで【ピュリフ(浄化・聖)】をかけてアイテムボックスに収納した。


「ナナのピュリフってー」

「なんか私達のとー」

「違う感じがするー」


「あ、やっぱ不完全?」


「ううんー」

「できてるよー」

「でも、違うのー」


よくわかんないけど、何度か使っているうちにできるようになるだろう。


「そういえば、なんで魔法の【ライト(光)】使わないの?」


シロクマちゃんのヘルメットについているライトは小さいので光量としてはいまいちな懐中電灯レベルだよ。


「だってー」

「きちゃないものはー」

「見たくないー」


あ、うん。激しく同意。


「む。止まるとー」

「臭いがー」

「襲ってくるー」


まだ綺麗になっていない箇所の傍は匂いが漂ってくる。

シロクマちゃん達は再び爆走しだした。

慌てて追いかける司祭様と私。

段々通路が入り組んできたので司祭様が指示しないと大変な事になる。


「シロクマちゃん達ー。ちょっとペース落としてー」


それから何度かスーアー・ラットとダークバットに遭遇したが瞬殺。

問題なく1日目を終えた。

帰りはなんと馬車でギルドまで送ってもらった。

金属のスプリングがサスペンションに使われていた。

全くないよりマシ。

でも、長距離はキツそう。

早く進化しないかなぁ。


報酬は金貨1枚と大銀貨5枚。

魔物の死骸は1匹銅貨5枚で買い取ってくれた。

急にお金持ちになった。

だって、日本円換算で時給5万円だよ。

まあ、4人で割ったら1万2500円。

わぁお、急に現実的。


「労力に見合わない金額で申し訳ありません」と司祭様。


え!?この世界ではこれで安いの!?

一般的な宿も1泊銀貨1枚(1000円)らしいし、物価は日本より安いのかと思ってたけど。


「魔法が使える人にとっては、おいしい仕事かと…」


「ああ、普通はあんなに魔法を連発出来ないので、1日の報酬はごく僅かなものになってしまうんですよ。そして終わりが見えない…」


そっかぁ…シロクマちゃんてやっぱり規格外なんだ…



そして2日目。

特に何も起こらず、無事に終えることができた。

魔物は昨日より多かったけど。



それから3日目。

途中で横穴を見つけた。

シロクマちゃんが勇敢にも潜って出口を突き止めたら塀の外の洞窟に繋がっていた。

ここから魔物が侵入したのだ。

シロクマちゃんが土魔法で穴を塞いだのでもう大丈夫。

掃除が終わった頃には殲滅できずともかなりの数が減るはずだ。

時々討伐すれば被害が出ることもないだろう。



最終日の4日目。

結局、ゾンビさん2号の出現もなく、無事にすべての日程を終えた。


「下水道がこれだけ綺麗になったので、もう汚したくはありません。今後は教会の者が定期的に魔法で浄化するように進言いたします」


「わぁ、ありがとう!」


「お礼を言ってくれるのですか?」


「だって、みんなの為に綺麗にしてくれるんでしょ?だったらありがとうだよ」


「それでは、こちらこそありがとうございました」


にゃはは。ありがとう返し。


「あの…最後に、お願いが1つありまして…」


およ、珍しく言い淀んでる。


「実は、シロクマさんを撫でさせてもらえたらな、と…」


「いいよー」

「好きなだけー」

「もふるがよいー」


司祭様もモフらーだった!




初めての依頼達成!


「そろそろギルドにお金を預けた方がいいんじゃない?」


受付嬢が依頼版から紙をはがして『達成』のハンコを押した。

この種の固定依頼がはがされるのは珍しいそうだ。


登録時に貰ったパンフレットを読み込んで知った。


固定依頼:下水道・側溝の清掃、街の周辺でよく見られる魔物の盗伐、お尋ね者の捕縛など、受付で受注を申請せずとも物証を示すだけで達成を得られる依頼のこと。清掃に関しては見届け人の必要あり。


たまに近隣の町や村から討伐依頼が来るが、こういうのは別口だ。

それによく物語で『薬草採取依頼』があるが、この世界ではポーションのベースとなる薬草は人工栽培しているから残念ながらほぼ依頼はないのだ。

安かったもんねぇ。

まあ、珍しい薬草ならめっちゃ高値になるモノもあるけど。


依頼版にいっぱい貼ったままになっているのは、よく見たらそういった固定依頼だった。

ほったらかしにされている個人の依頼は無いよう管理しているらしい。



「お金はね、まだ防具とか揃えないといけないから。アイテムボックスに入れてるから落とさないよ」


「外で大金を持っていることを知られないようにね」


「うん」


こしょりと忠告してくれる受付嬢。

いい人だ。




さて、防具を買いたいけど、いくらくらいするのか見当がつかない。

なので売店を覗いてみることにした。


小型の丸い盾:大銀貨1枚と銀貨5枚~

中型の四角い盾:大銀貨5枚~

革の鎧一式:大銀貨8枚~


決して安くはない。

なのに、身に着けたいとは思えないデザイン…


「ねぇ、シロクマちゃん達、防具欲しい?」


「ゲームみたいなー」

「かっこいいヤツ以外はー」

「いらないかなー」


「だよねぇ」


こっそりロビーを見渡す。

他の冒険者って、売店で売ってるような格好してる人いないなぁ。

他人と同じ物を装備している人も今はいないなぁ。

『エピタフ』の人達も、みんなオシャレだったし。


シロクマちゃん達も気付いたみたい。

ランチも食べたいし、拠点に戻ることにした。



「ブランシェー」

「防具ってー」

「みんなどうしてるのー?」


カウンターに飛びつき、懸垂の要領で首から上を出して並ぶ3匹のシロクマちゃん。

ブランシェは撫でる手が足りないわ、といそいそとモフる。


「みんなギルドの売店で売ってるような装備じゃないよね?あのオシャレなヤツどこで手に入れてるの?」


「あー、あれはねぇ…」


ブランシェは今でこそ受付嬢だけど、以前は冒険者だった。

自分もなりたての時は周りがオシャレで焦ったんだとか。

ちなみにギルドにパッとしない物しかないのは、真面目に依頼を受けて早く一人前になれという意図でわざと置いているのだそう。

それだけではない。

昔から迷宮攻略の為に世界中の冒険者が行き来する為、どうしても見栄を張る所為でおしゃれ度が磨かれてきたことが一番の要因だとブランシェは言い切った。


「迷宮に世界中から人が集まったおかげで通貨も統一されたのよ」


最初は現地で外貨に両替していた。

だが、うっかり両替し忘れる探索者や冒険者もいる。

そんな彼らが自国に戻る時、街道沿いとはいえ小さな村では両替もできない為そのまま使用していった。

だんだん両替するのも面倒になり、皆がそのまま使用しだすと拒否されるようになった。

そうなると両替商が幅を利かせるようになる。

すると今度は手数料をとられることに反発しだした人々により様々な貨幣が淘汰されていき、いつの間にか単一通貨になったのだとか。

ちなみに、生き残ったのは大陸中央に位置する天までそびえる巨大な塔である『碧落迷宮』を所持するトリスタン帝国の貨幣である。

中央にあるという好立地のおかげで全国から訪れやすいおかげだ。

手に入れた外貨を再び溶かして自国の貨幣を鋳造したので価値が大きく変動したりしなかったので混乱は起こらなかった。


「話が脱線したけど、つまり、みんな自分好みのお店があるのよ」


だから片っ端から訪れて自力で探すしかないと言われた。


「なら、なってやろうじゃないの」

「目指せ!ファッションリーダー!」

「オシャレ上級者にわたしはなる!」


「明日ね」 


「「「はーい」」」


よいお返事です。





翌朝。

さあ、やって来ました工房区画!

冒険者がオシャレを求めてくるだけあってショーウィンドウが華やかだ。

うちはこんだけ手の込んだ細工ができるぜ!と訴えてくるモノばかり。


「シロクマちゃん達はなにか希望はある?」


「「「変身ベルト!」」」


歪みないねぇ。

とりあえず、通りを一通り歩き奥にある店構えがゴシック調の工房に入った。


「ちわー」

「防具をー」

「作ってたもれー」


カウンターに座っていたのは眠そうなウサギ獣人のおねぇさん。

美人でスタイルもいい。

なぜか露出もすごい…


「…チビは帰れ」


「ひどー」

「無慈悲ー」

「情け容赦ないー」


ウサギのおねぇさんはぶっきらぼうだったが、カウンターに乗り上げたシロクマちゃんをナデナデした。

獣人にもモフらーっているんだ…



「はぁ…防具が欲しいのか?」


「うん。新米冒険者なんだけど、周りがみんなオシャレでどうしたらいいかわかんないの」


「全身揃えるつもりか?」


「トータルコーディネートした方がいいよね?」


「…で?いくら使う気だ?」


「えっと、大方の金額を聞いて貯めようかと」


「そうじゃない。すぐにサイズが変わるだろう、チビなんだから」


「あ…」


大人歴が長いもんだから、背が伸びて服のサイズが変わることはまったく頭になかったわ。


「ったく、大人になるまでにいくらドブに捨てるつもりだ?白金貨じゃすまないぞ」


「ごもっとも」


「それに武器すら持ってないヤツにうちの防具は…」


ウサギのおねぇさんがしゃべっている途中でシロクマちゃん達がアイテムボックスから武器を取り出した。

武器なら持ってますが、なにか?という表情だ。


「な……っ!?それ、迷宮遺物か!?」


驚きでメッキが剥がれたおねぇさんは取り繕うことなくシロクマちゃん達の武器を凝視する。


「あい」


ドヤ顔のシロクマちゃん達に合わせて私もステッキを見せつけた。

ついでにスイッチオンしてピロリロリーンと鳴らした。


「ふっ…いいだろう。それらを使いこなせるほどの腕ならば我が工房の…」


「たわけが!またお前は客を値踏みしおって!」


スパーンとスリッパでおねぇさんの頭をはたいたのはドワーフだった。

そう、背は低く体格はがっちりしていて長すぎるヒゲをたたえたおじさん。

期待を裏切らない姿だ。

スリッパをベルトの隙間に挟むドワーフ。

それ、ツッコミ用だったんだ…


「だって、デザインはあたしがすんのよーっ。気分が乗らなきゃいい物が作れないじゃない!」


「プロならどんな条件でも最高の物を作りやがれ」


「作るわよ!このコ達、あたし好みだもの!」


客をほっぽって口論しだす2人。


「いや、すぐに買うとは言ってない」


でも、作るとしたらココがいいわ。

飾ってある防具は正直好み。

ドワーフって時点でポイント高い。

けど、何よりサイズが変わることを一番に教えてくれたって事はあくどい儲け主義ではないハズ。


水を差すと、ドワーフは改めてこちらを見た。


「ふむ、成長の所為ですぐに買い替える羽目になるのは嫌だが、防御力は欲しい、と…」


ドワーフは私だけではなくシロクマちゃん達にも視線を送った。


「毛玉共は革の頭装備、武器ホルダーだな。後は多少のアクセサリーで補え。嬢ちゃんは魔法使いならローブ、アクセサリーだ」


「わかってるじゃないの、オヤジ」


「変身ベルトはー?」

「おヘソんとこでー」

「ピカピカーってー」


ドワーフとウサギのおねぇさんはキョトンとした。

そりゃわかんないよねぇ、この世界に戦隊ヒーローはいないんだから。


あ、はい。もうわかるわ。


「ガーネット レッドー」

「ラピスラズリ ブルー」

「こはく イエロー」

「アメジスト パープルー」

「「「「シロクマ戦隊モフるんジャー!」」」」


「きゃーっ!素晴らしいわ!きゅぴーんってきたわ!インスピレーションが湧いたわ!」


ウサギのおねぇさんがぎゃりぎゃりとペンを描き殴る。

いや、だからまだ買うとは言ってない…


「できたわ!」


自信満々らしいデザイン画を覗き込む。


シロクマちゃん用の頭防具は飛行帽に似てて、ゴーグル付き。

お耳が潰れないようにトンガリが付いてて、まるで猫。

ちゃんとパーソナルカラーの赤・青・黄色。

それからピコハンを背中に背負えるように斜め掛けのベルト。

日本刀を差せるように左側にソードベルト。

光線銃用に右側にガンホルダー。

そしてお揃いの変身ベルト。

中心には魔石をはめて好きなエンチャントを付けてくれるって。


私のはローブというかちょっと長めのケープ。

これなら少しくらい身長が伸びても着られるわ。

ドレープたっぷりでゴージャスだし。

色も白をベースに銀の縁取り、ポイントは淡い紫でフードにはやっぱりお耳が付いているのね。

シロクマちゃん達と同じデザインでちょっと猫っぽい。

こういうのって、いわゆる皇子系っていうのかしら?

中はショートパンツでなくても、スチームパンクロリータのスカートを合わせてもいいかも。

お揃いのゴーグルは首に下げて、変身ベルトの代わりにブローチなのね。

好き。


シロクマちゃんも瞳がキラキラしてる。


「まだ1件目だけど、ここで決める?」


「「「うん!」」」


即決だね。

そんなに気に入ったのなら、いいかな?


「全部でおいくらですか?」


「そうねぇ、素材によってピンキリよ。最低でも金貨4枚かしら」


高いけど、払える…


「金貨6枚までなら…いける…」


「あら、意外と持ってるのね?」


「下水道の掃除頑張った」


「…………アレをやったの?」


「4日かかって全部やった」


「は?全部?」


「うん。司祭様がルートを決めてくれてこの城塞都市全域をやってやったわ。主にシロクマちゃん達が」


ドヤる3匹。


すると、ドワーフとウサギのおねぇさんは顔を見合わせた。

ぽかんとして、苦笑して、ニッと笑って頷いた。


「わかったわ。最高の素材で作ってあげる。お題は金貨4枚でいいわ」


「?最高の素材なのに、最低金額の金貨4枚なの?」


「誰もがやりたがらない依頼を完遂してくれたお礼よ」


「えっと…それはあなた達がしなくても?」


「感謝の気持ちよ。素直に受け取りな」


「わかったー」

「がってんー」

「しょうちー」


「ありがとう」


しっかり採寸して、どんな素材にするかなど細かい部分を打ち合わせで詰めていった。

見本を直接触ったりしてしっかり決めていったので時間がかかったけど、すべて終えた時にはやり切った達成感に清々しい笑みを浮かべあった。

出来上がりは1週間後。

幼女+3匹は浮かれた足取りで店を後にした。

で、迷子になった。

だって、帰り道は風景変わるんだもん!





「ご報告があります」


執務室に現れた『影』にアデルは耳を塞いだ。


「もーヤダ!チビ共のとんでも話はもう聞きたくない!」


耳を手の平で押さえて「あーあーきこえなーい」をやるアデル。

姿が見えないので『影』は思いっきり呆れた表情をした。

すっと移動し、アデルの手首を掴んだ。


「耳元で囁かれたいですか?」


「止めい!」


「では報告いたします」


「オレ、クラマスなのに…」


「例の4人が伝説の工房『世界樹の雫』に気に入られました」


「ムシか……って、『世界樹の雫』だと!?羨ましい!もうヤダ!寝る!」


「仕事してください」


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