地上1
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「空気が……」
「なんか…違う……」
空に浮かぶ鳥かごから、地上にある物資を回収する大型輸送機に乗って、地上に送り込まれた生徒達の最初の感想は、空気に違和感を感じる事であった。
密閉された鳥かごの中、外から空気を循環させているが、清潔を保つ為に加熱や冷却、薬品やフィルターを通して空気を送り込まれている。
イメージとしては無菌の代わりに、何の栄養素も入っていない濾過された水。
濾過された空気にならされた者にとって、地上の空気は味があり、重みがある。
降りた全員で、目を丸くしながら息を吸っていると、
「やっと帰れる……」
「足裏がいてぇ……」
先に地上に降りて訓練に赴いていた者達が、しくしくと泣きながら、こっちへと歩いて来る。
地上で何があったのかと聞こうとするのだが、
「全員行進!!基地へと向かうぞ!!」
「「「は…はい!!」」」
話を聞かせまいと教官が、進行の指示を出す。
進行の指示を出されては、その指示に従わない訳にはいかず、整列して歩を進めるのだが、
「ベッドの上で寝たい……」
「地上はもういいよ……」
今回の地上での訓練が余程堪えたのか、老人のように前かがみになりながら、自分達の横をヨタヨタと歩き、入れ替わりで大型輸送機への方へと帰って行く姿を横目で見てしまう。
何があったのか聞く事も出来ずに、空港に併設された基地へと連れ込まれて、そこで教官とユナの二人と向き合い、
「全員気を付け!!」
『ザッ!!』
号令を掛けられると踵を付けて、直立の状態になる。
「これより、今回の任務を伝える」
「に…任務」
「訓練なんじゃ……」
「無駄話をするな!!」
「申し訳ありません!!」
訓練と聞かされてたのに任務という言葉が出て来て、生徒達は不安のあまりに話をしてしまい、注意をされてしまうが、その気持ちも教官も理解しているのか、それ以上の事を言わない。
「急遽であるが、中央基地において連絡が取れなくなった。お前達にはパワードスーツを着用し、それぞれの地点からバラけて向かい、中央基地の安否を確認して貰う」
「「「……………」」」
突然の任務、こんな理不尽な事があるのかと……自分達がなぜ、このような任務を受けなければならないのかと、顔を歪めて不満と不安を露にしてしまったが、
「だが、安心して貰いたい。ここは我々人類が完全に制圧した地であり、万が一、RLが来たとしても外周で軍が迎撃をする。それに、お前達には中央基地に行って貰うが、それもシミュレーションで特別行軍という形で何度も行かせた道だ」
「「「……………」」」
教官の話を聞いて、不満と不安を露にしていた表情が朗らかになるが、それもそのはず、任務というのは茶番だというのを教えてくれているのだから。




