表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
在野の聖女は何処なりや? 我、聖女にならんと欲す  作者: 白麦茶
1章 彼女は決意した

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/39

1話 彼女の夢

皆さまどうか御付き合いください。

切りの良いところまでは1日3回投稿します。

白い小部屋で少女は一人、目を閉じていた。

呼吸に合わせて体内の『回路』へと魔力を流していく。

なるべく速く。多く。漏らさずに。

幼い頃から続けてきた鍛錬だった。


やがて、部屋の扉が小さくノックされる音がした。


「失礼、遅くなってしまったね」

「いいえ、テンドー様。こちらこそお時間を割いていただき感謝します」


入ってきた男の神官服には、金糸がふんだんに使われている。

教会でも上位の幹部にのみ許された装いだ。

呼ばれた男……テンドーは少女の向かいへ腰掛け、手にしていた資料を開いた。


「さて。それじゃあ面談といこうか、アンジェ」


■□■□


「アンジェ・スプラウト、十七歳。魔導神官課程を修了予定。得意とするのは攻撃術式。

地水火風の四属性に適性を持ち、聖別術式にも優れる。身体能力も神官としては高く、前衛として戦えるだけの素質もある」


そこまで読み上げて、テンドーは一度言葉を切った。

アンジェにも、その理由はわかっている。


「ただし――怪我や病を癒す回復術式、並びに他者を補助する支援術式については、適性が皆無」

「…………」

「人望も厚く、成績も優秀だ。研究職にも、神徒隊にも、地方教会にも君を欲しがる者はいるだろう」


資料から目を上げ、テンドーがアンジェを見る。


「だが、各地で人々を癒し支える聖女としては不適格。それが教会の評価だ」

「……はい」

「異論は?」

「ありません」


即答だった。

回復も出来ない。

支援も出来ない。

何度言われたかわからないし、アンジェ自身が一番よく知っている。

テンドーはしばらく黙っていたが、やがて資料を机の上へ置いた。


「ならば改めて聞こう」

「はい」

「君は、何になりたい?」


アンジェは少しだけ目を見開いた。


「……あたしの夢、ですか」

「ああ。研究者にもなれる。教会幹部を目指す道もある。神徒隊でも、地方教会でも、君なら十分やっていけるだろう」


そこでテンドーは、少し困ったように笑った。


「個人的には、我が魔術研究部門に来てもらいたいがね」


アンジェもつられてクスリと笑う。

教会に入って以来テンドーには世話になった。

敬意もある。

だからこそ、曖昧には答えたくない。


「……聖女です」


テンドーの眉が、わずかに動く。


「回復も支援も出来ない。それでもか?」

「それでもです」

「教会が求める聖女像から、君は大きく外れている」

「知ってます」

「推薦を受けるのも容易ではない」

「それも、わかってます」


それでもアンジェは目を逸らさなかった。


「あたしは、世界を巡る聖女になりたいんです」


静かな部屋にその声がはっきりと響いた。


「だから……ハンターギルドへの出向を希望します」

タグにあるTSキャラは多分その内出ます。

『彼女』は恥ずかしがりやなので優しく見守ってください。


ここまでお読みいただきありがとうございます。


続きも気になると思っていただけましたら、評価・ブックマーク・いいねで応援いただけると励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ