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アカデミー最強のモブヒーラー ~死にゲー世界のモブに転生した俺は、外れジョブ【ヒーラー】と原作知識で無双する~  作者: 八又ナガト
第三章

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100/100

100 武者震い

記念すべき第100話達成。

引き続きどうぞよろしくお願いいたします!

 ユイナと【星屑の螺旋鉱】を攻略し、リリアナたちと鍛錬を行った翌日。

 俺たちEクラスの面々は、闘技場に集められていた。


 その中心で、担任のリオンが口を開く。


「さて。本日は元々のカリキュラムから予定を変更し、クラス内模擬戦を執り行う。先日の中間試験で成長を実感した者もいれば、自らの課題に気付いた者もいるだろう。そこで今回の模擬戦――自身と近い実力の者との戦いを通して、皆にはその理解をより深めてもらう」


 一呼吸置き、リオンは続けた。


「次に条件だ。武器は以前と同様に木製の物を使用してもらうが、魔法は中級までを可とする。以上、何か質問はあるか?」


 すると、周囲が僅かにざわめく。

 以前のAクラスとの交流戦では、魔法は初級までという制限があった。それを思えば当然の反応だろう。


 とはいえ、疑問が生じるほどではなかったらしい。

 誰も手を挙げないのを確認したリオンは、こくりと頷いた。


「では、クラス内模擬戦を開始する。第一試合――リリアナ・フォン・アイスフェルト対アレン・クロード!」


「「………………」」


 さっそく名前を呼ばれる。

 しかも相手はつい昨日、立ち合いの意志を主張してきたリリアナだった。

 なんともタイムリーな展開だが……これまでの経験があるせいか、不思議とそこまでの驚きはなかった。


 当人である俺が落ち着いている一方、クラスメイトたちがざわつき始める。



「いきなりリリアナさんの番だ」


「相手はアレンか……交流戦じゃ活躍してたけど、さすがに今日は厳しいだろうな」


「実力的には、グレイやルクシアの方が近いんじゃ……」



 聞こえてくるのは、基本的にリリアナ優勢を予想する声。

 まあ、これまでのことを考えれば自然な光景だろう。


 とはいえ、それ以外の反応を見せる者もいて――


「いきなり大一番! これは見逃せないねっ!」


 珍しく寝坊せず、朝から登校していたルクシアが無邪気に囃し立てる。


「アレンくんもリリアナさんも頑張ってね。怪我にだけは気を付けて」


「アレンさん、頑張ってください!」


 他にもユイナやミリャからの声援を受けつつ、俺とリリアナはそれぞれ武器を手に取り、闘技場の中央へ移動した。

 その場で向かい合う俺たち。

 クラス中の注目を浴びる中、不意にリリアナが切り出した。


「まさかこんなにも早く、機会が訪れるとは思っていませんでしたね」


「本当にな……一応聞くけど、裏で何か仕組んだりしてないよな?」


「はい、今回は」


 ()()()……?


 何やら気になるワードが聞こえた気もするが、ひとまず置いておくとしよう。


 それより今は、改めてルールの整理だ。

 武器は木製のみ使用可ということで、俺たちもそれに倣って訓練用の木剣を構えていた。


 リリアナは、長剣を一振りのみ。

 対する俺は長剣を手に持ち、さらに一本の短剣を腰へ収めておく。

 基本的には長剣を使うつもりだが、剣技においてリリアナは俺より格上。状況に応じたパターンを幾つか想定しておくべきだと考えてのことだ。

 マジックアイテムは使用不可なので、戦闘中に異空庫の指輪から武器を取り出したりもできないからな。


 魔法は制限が緩和され、中級まで可能となった。

 俺はまだジョブスキル、汎用スキル含めて上級以上の魔法を覚えていないため、全ての魔法が使用可能。

 すなわち、ファイアボールとウォーターアローを組み合わせた【蒸爆エクスプロード】なども許されているというわけだが――今回、使うつもりはなかった。


 模擬戦で放つには火力が高すぎるというのもあるが、それ以上にアレは発動までの隙が大きすぎるのだ。

 一対一でリリアナ相手に時間を稼ぐのは不可能。せいぜい、ヒールを使った聖錬せいれん辺りが関の山だろう。

 しかしそれは、リリアナも同じ。

 互いに、溜めの少ない剣技と魔法を中心とした戦いになるはずだ。


(条件は対等――と言いたいところだが、そう簡単な話でもないか)


 昨日も話した通り、俺がリリアナに勝てるとは思っていない。

 現在の俺のレベルは45。対するリリアナは、ジュリアン戦を経て恐らく50前後に到達しているはず。

 レベル差、ジョブの性能、本人の資質――どの観点から見ても、彼女の方が圧倒的格上なのは間違いなかった。


 しかも今回は、俺が格上と渡り合うための最大の武器たち――エクリプスやナイトブリンガーを使用できない。

 初めから、勝ち目などあるはずがなく――


「――――」


 ……そう分かっているはずなのに、不思議と武者震いする自分がいた。


 昨日、リリアナから立ち合いたいと言われた時。遠慮する反面、確かに湧き上がる感情があった。

 リリアナは強い。けれど――いや、だからこそ、そんな彼女を相手に今の自分が持つ力の全てをぶつけてみたい。

 この数か月で、自分がどれだけの強さを得て、その差を縮めることができたのか。それを試したいと思ってしまったのだ。


「……ふぅ」


 瞬刃しゅんじん、ファイアボール、ウォーターアロー、ヒール、プロテクト、そして――

 自身の持つ全ての能力スキルを脳内に並べ、勝ち筋を探していく。

 まともにやり合って、俺がリリアナに勝てる可能性はごく僅か。

 それでも――磨き上げてきた力と前世の知識、その全てを組み合わせれば、確率は大きく上げられるはずだ。


 ゆえに。


「やるからには、本気でいかせてもらうぞ」


「――ええ、望むところです」


 俺の宣言を受けたリリアナが、静かに、それでいて闘争心を滲ませるような笑みを浮かべる。

 そして、各々が武器を構え――


「――――始め!」


 リオンの宣言と同時、俺たちは地を蹴った。

次回、アレンとリリアナの戦い。

最後まで一気に書き切ろうと思っております。


9月19日(土)12時頃、更新予定!

ぜひお楽しみに!



それから、皆様に1つ大切なご報告がございます!


先日の7月6日(月)、コミカライズ版の第1巻が発売となりました!!

表紙はかっこいいアレン!

阿倍野ちゃこ先生と天王寺きつね先生のおかげで最高のクオリティに仕上がっているので、絶対に満足していただけると思います!!


ですのでもしよろしければ、各書店や電子書籍サイトにてコミックス第1巻をご購入いただけるととても嬉しいです!

その上でもし、各書店様にて☆5レビューやコメント付きレビューなども頂けましたら泣いて喜びます!

皆様の応援次第で本作の今後が変わってきますので、どうぞよろしくお願いいたします!!!

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ニコニコ静画にてコミカライズ連載中!

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― 新着の感想 ―
100話おめでとうございます!! リリアナと熱い戦いになりそうで楽しみだ 今回は裏で手を回したとかじゃなくて偶然なのねw 戦いの後にどんな関係の進展があるのかも楽しみだな
感想一覧
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