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アカギ戦記  作者: 饅頭
一章【京都百鬼夜行】
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 「祁答院杏良太とは合流させないよ。さて、京都を覆うとするかな。天乃夜叉あまのやしゃ

 黒泥の中から今度は巨大な黒い翼を生やした細身の男が現れた。

 男の顔はペストマスクに覆われており少し首を傾けている。

 「外界と隔離する結界を張れ」

 蘆屋が命令すると天之夜叉は巨大な翼を広げて大きく空へと舞い上がる。

 そして手を大きくたたくと瞬く間に空が黒く塗りつぶされていく。

 ものの数秒で京都は暗い夜に包まれた。

 「さてと、まずは第一段階である百鬼夜行の決行は成した。それじゃあ第二段階だ。すべての怪異たちよ。京都中の人間を殺せ、100万くらいには死んでもらおうか」

 蘆屋の言葉を合図に黒泥からあふれ出した魑魅魍魎の怪異たちはいっせいに京都中に分散していき目に付いた人間を喰らい、殺し、いたぶり、秒単位で人が死んでいく。

 「祁答院が向かってこないところをみると、存外苦戦してるかな?とりあえずあのヤクモとかいう怪異は是非ほしいな。私の新たな式神にしたい。よし、追い込みをかけるか」

 

 ヤクモは葵を抱えて既に千代原口の交差点まで移動している。

 幾度も突進攻撃を仕掛けてくる竜を軽々とかわして葛城のいる方面へと移動していく。

 「え?急に夜になった!?」

 「恐らく結界かそれに類する何かだ、マスター。っと」

 再度突進してくる竜をまたもや華麗にかわす。

 「しつこい」

 「マスター。少しここにいてくれるか?」

 そういってヤクモは葵を該当の上に立たせると地面に降り立った。

 そして状態を起こしてヤクモめがけて突進してきた竜をぎりぎりでかわして、両腕でその尻尾をがっちりと捕まえる。

 いきなり尻尾を捕まえられて体勢を崩す。その隙をヤクモは見逃さずにひと踏ん張りで竜を京都銀行めがけて投げ飛ばした。

 銀行に体の半分以上をめり込ませて竜がうなり声を上げる。

 「すごい・・・」

 「魔法が使えないだけで、戦えない訳じゃないからな。にしても少し動きにラグがあるな」

 「ラグ?」 

 「恐らくこの夜にしている結界の仕業だろう。1フレーム位遅れる。この程度で収まっているのはこの結界が外へ出さないためのものであって、うちに入るのは可能だからだろう」

 「正解だ。怪異」

 「もうきたの!?」

 黒泥の上を滑るようにして蘆屋が葵たちに追いついてきた。

 「まさか邪竜を投げとばすとは、飽きれた怪力の持ち主だ」

 邪竜は瓦礫の中から起き上がり上体を大きく上げ両翼を広げる。

 その巨大な口が少し開き鋭利な牙がこちらを覗く。

 「え?」

 葵が理解する間もなく邪竜の開かれた口から真赤な火球が吐かれる。


To be continued.

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