空の上で
『まいりましたね。私としたことがマスターとはぐれてしまいました』
マモンはフライング・ダッチマン号の上より東京を見回す。
『穴に落とされた時、何かに干渉されてマスターと離れてしまった、魔力の供給は感じるので死んではいないのは確かですが・・・まさかよりによって貴方と二人きりとは』
「それは一体全体どういう意味だ」
『柊司。私は貴方が死のうがどうでもいい。貴方の様な弱い人間がなぜそこまでの地位にあるのか不思議でしょうがない』
「言ってろ。それより、まずは誰かしらと合流しないとな」
『誰か・・・というよりマスター一択ですね。マスターからの魔力供給が徐々に弱くなっている。戦闘に陥っている可能性があります』
「方角は?」
『それがわかったらとっくにそちらに向かっています。マスターが戦闘しているということは無理に今私が魔獣を顕現したら魔力供給のバランスが崩れかねない。今は・・・っと柊司、何か飛んできます』
「え?何かって。こんな高度を飛んでくる人間が早々いてたまるかっての。フライで高度を上げれば上げるほど魔力の消費は激しい」
マモンが指さした方向を睨むと確かに何かが接近している。
「敵か味方か」
『さぁ。ぶっちゃけ情報の少ない中で味方の可能性は限りなく低いでしょうね』
「だろうな」
接近してくるそれは次第にその大きさがあらわになる。
「でかくないか。てかあれは人じゃねえぞ」
『そうですね。明らかにドラゴン』
「確か京都での履歴に蘆屋恭介が黒い龍を使ったとあるな」
『ではソレとして対処します』
「初戦がそんなバケモンとは運がないが・・・蘆屋恭介と接触できる可能性があるなら運があるということか」
二人が構えているとそれは確かに龍であるが、どこかメカメカしく感じる見た目にその色は赤い色をしている。
翼からジェット機の炎に似たものを噴射しながら迫りくるそれは海賊船の船底をかすめて通り過ぎていく。
「通り過ぎた?」
『まっすぐ何かに向かっていくようにも感じられますね』
「方角的に・・・八王子か?」
『こんなところでいつまでも飛んでても埒があきません。いっそのこと追いかけましょう。面舵一杯。あの竜をおいなさい』
マモンが海賊船内の骸骨たちに指令を下すとグワンと船が一気に旋回して展開された帆が見えない風を受けて急加速する。
To be continued.




