芽生える思い
皆さんこんにちは!熱いですね〜熱中症と水難事故には御気をつけを!お盆が近づくと黄泉の門が開き始めて、水のある場所とかは繋がりやすくなっているらしいですよ?
# 91 もうこの人だけ居れば良くね?って思う時ありますよね?
前回に続き。変態(女神)から任務というか、この国の存亡をかけた伝書鳩作戦を遂行する為に、リクとシュリは戦場でポイント集めで遊んでいる馬鹿2人に今置かれている状況を報告するという重大な物だ。
メルティア達の行方を追うのは簡単である…… それは何故か? 通った後はまるで自然災害が起きた様な跡や、クレーターが周囲に出来ていたり、魔法を使った後に感じる魔力の痕跡みたいな塵じょうの物が漂っているらしい……私には分からんが。
「シュリさん!こっちの方ですね。
メルティアちゃんの凶暴性が滲み出たクレーターがあります!隣にあるのは女王様のでしょうか?なんだか凄く楽しい!って感情が溢れ出てる形をしてます」
リクよ…… 私にはどれも似たような感じにしか見えないのだが……? 彼女にはクレーター判断師なるスキルをいつの間にか習得したのだろうか? しかし気になる点はそこでは無く、木々はなぎ倒され、とても人間が通った後には見えないし、こんなにも散乱しているのにも関わらず魔物の死骸や血痕の後さえ見当たらないという事についてだ、何らかの魔法の類なのか、装備品の恩恵なのかも不明だ、女王陛下は千武の魔姫悪たる所以、 様々な武器をコレクションなされているし、その様なエピック級の物は当然、伝説級や神話級レベルの物を所持していてもおかしくはないか…… 。
私はリクを頼りに真新しい魔法の使用した後に発生する痕跡をたどっていったら。
『ふははははははっ!貴様はいつぞやの勇者の連れの人間ではないか! しかし、せっかく会いに来てやったというのに、あの美人が居ないようだが? そこの小娘から同じ魔力の波動を感じるが、貴様があの女……リクティアと名乗っていた者か? それとも娘か?』
いきなり登場して、好き放題喋ってきたのはヴァルガス·プロメテオ·メイルシュトロームという魔族である。
炎獄魔漢という2つ名を持っており、レヴィジェンヌやメルティアに名乗りをしようとしたが、瞬殺されて出来なかった魔王軍の幹部クラスであろう十二神将の中の1人だ。
何故かリクの大人バージョンにご執心のようで、会いに来たのだろう。
リクはチャクラムに手をかけ、リクティア(大人バージョン)に変身し、彼に一言。
「コレで分かりましたか? 彼女と私は同一人物です」
『ほう!やはりその姿は美しいものだ…… 体内を渦巻く魔力も惚れ惚れするほどに綺麗ではないか。勇者が居ないが、約束通りに…… 戦おうか!! 』
そう言うと、身体から赤と黒の禍々しい魔力を放出した。
どうやら開戦の合図だ…… リクとアイコンタクトで「やろう!」と合図をした。
すると彼は巨大な火球を両手に形成し。
『最初から全力で行かせてもらうぞ! 刮目せよ!我が究極にして、磨き上げた漢の真髄を!剛真炎羅漢んんんんんッ!』
そう唱えると、ゴツゴツした鎧が弾け飛び、轟々(ごうごう)と燃え盛る炎が身体全身を覆い始め、頭には鉢巻に上半身は裸になり、下半身は何と褌の姿になった。
明らかというか、見るからに防御力が下がっている様に見えるが、先程よりも確実に肌でも感じるくらいにビリビリと伝わる程、強くなっている事が分かった。
しかし彼女達の反応というと?
「あのオジサン変態だ…… ですわね」
「破廉恥極まりない格好だ……正直、気持ち悪い」
そう…… 2人には戦闘力が向上したのは分かったが、男性に疎いというか交際人数が0なので、頭以外を鎧に包まれた男が急にほぼ全裸のムキムキオッサンにいきなり変身もとい露出狂の様な変態行為に及んだ為、素直な気持ちが出てしまった。
それを聞いた彼は?
『変……態だと?! 破廉恥で気持ち悪い……俺様が鍛え抜いた筋肉を…… グハッ』
そう…… 彼もまた男を磨く為!真の漢となる為に、 高い地位を貰うにつれて寄ってくる魔族の女にも現を抜かす事もなく、目もくれずに今まで生きてきたのである。
そんな人というか、ヴァルガス氏の人生というか魔生を「変態」「破廉恥」「気持ち悪い」と、全否定する様な発言である。
彼女達も全く悪気は無く、初さ故の言葉であり、だからこそ精神的ダメージがカンスト所かオーバーキルで、しかもリクティアという惚れた異性に言われたのだから、さらに想像絶するものだろう。
「ん~ ? 動かなくなりましたね? どうしたんでしょ?」
「リク、何か魔法でも唱えたのか? 」
「え? 詠唱のえの字もしてないです。
人を全身真っ白にする魔法なんてあるんですか? リクは知りません」
「そうだな……さっきまで暑苦しいくらい燃えてたのに、今は灰みたいに真っ白だ」
この様に何故、彼が某ボクシング漫画の主人公みたくなっているか理解出来ない様子だ。
切り替えの早い彼女達は討伐ではないが無力化に成功? 完全に敵意を失わせる事が出来た為、特に気にもとめずにメルティア達を再び追うことにしたのだった。
_______メルティア視点______
メルティア達はというと?
「コチラで3520っ!! 敵の反応は…… あちらですわね」
2人とも4桁までポイントを奪取し、五分五分のゲームを繰り広げている感じだ。
目の前で指揮官を次々と斬り捨てるものだから、私達の気配を察するというか物音に反応してか『やべぇー奴等が来たぞぉー!』と、逃げ出してしまう始末だ。
1人は良き練習相手と息子の嫁にする為…… 片方、いや私は是が非でもそれを阻止したい一心で逃げ惑う魔物さん達に。
「ごめんなさい…… あなた達を殺らなければ、私の人生が! 自由が奪われるんです」
と、謝罪しながら進んで行く…… そして私は誓うのだ、こんな無駄な血で血を洗うような争いや、逃走する者に慈悲も与えずに私利私欲の為に遊ぶ行為は決してしてはいけないと! ましてや人の弱味に漬け込んで、こんな事させるのはいくら偉い立場だからといって、許されないはずだ。この戦いが終われば言わなければならない!「ならば拳で語りましょう」と言われるかもしれないが、その時は覚悟を決めて分からさねば……
「人間がこんなんだから…… 争いが無くならない」
私はそうボヤいて、新たな決意をするのであった。
ありがとうございました!メルティアちゃんの新たなる決意!乞うご期待




