メルティアちゃんが居ない
こんばんは!蔵ノ宮です!お正月も終わり、日常生活が辛くなっている頃ですね……私は関係無く働いていたのであんまり変わりません(笑)では、本編へどうぞ!
#49 メルティアちゃんがいない……
どうも、おはようございます!リクです。朝目が覚めると、メルティアちゃんが居ないことに気がつきました。何処に行ったのでしょうか?するとシュリさんが起きた様です。
「んぁ……メルティア?……リク?」
「シュリさん、おはようございます!メルティアちゃんは居ません……」
「おはよう……という事は、また女神様か魔王に連れていかれた可能性があるのか?」
「そうなんです!酷いです!女神さんの世界にリクも行ってみたいのに……」
「気持ちは分かるが、行くのには条件が有るんじゃ無いのか?」
「条件?それはどんな事ですか?」
「残念ながら私も知らないな……何せ、そんな世界が有るなんて事を知ったばかりだ」
すると突然脳内に直接声が聞こえてきた。
『リク?聴こえるか?起きてるか?』
「あっ!ルリちゃん!おはようございます」
『ルリちゃっ……まぁ良いか……おはよう、シュリも起きてるみたいだな?』
シュリは思案顔をしながらブツブツと呟きながら、
魔王さん?いや?違うな……魔王様?部下では無い、魔王と呼び捨てもどうかと思うし……ヴァーゼクリウス殿?うん、しっくりくるな。よし!決まった、みたいな感じで。
「改めて、ヴァーゼクリウス殿おはようございます。メルティアの話でしょうか?」
「おはよう。まぁそういう事だな、しかしシュリは真面目ちゃんだな? 呼び方何て、好きにすればいいだろ? リクの呼び方何て、魔王である私を愛称だ、気にするな」
「それもそうか……あまり硬っ苦しいのは良くないな、であれば……ルリと呼ばせてもらおうか」
「シュリさん!そっちの方が断然いいです!」
『まぁ、ヴァーゼクリウス殿何て呼ばれるよりマシか……話がそれたが、メルティアを天界へ連れてったのは、私だ』
「え!? そうなんですか? てっきり女神さんかと思ってました……それでルリちゃんはどうして、メルティアちゃんを?」
すると魔王さんは、神妙な雰囲気を醸し出しつつこう言った。
『実はな、天界を統べる神が隠居するんだよ、そして次代の超神様候補の中にメルティアが入っている訳だ、その事についての説明をするにあたってだ……天界へ来てもらった、って感じだ』
「え?! メルティアちゃん、神様になっちゃうんですか!?」
『いや?させるつもりは無いが、その事実を知ってもらっておこうと思っただけだよ』
「ルリ、ちょっと質問良いか?」
ニヤッと嗤う様に。
『クックックッ……何だ?』
「知らせるだけなら通信魔法で良くないか? 」
淡々と質問するシュリが面白いのか楽しそうに魔王は。
『ぶっちゃけるとそうなんだが、人様を巻き込んだのに事実だけ知らせて、はい! 終わりってのは人としてどうなんだ?って感じじゃないか? シュリなら分かると思うがね?』
試されているようで、徐々に苛立ちを感じながらシュリは思っている事を吐き出すよに魔王にぶちまける!
「それは分かる……私なら面と向かって謝るさ。だが、ルリは魔王だ!世界を支配しようとする悪だ! その様な者が他者に気遣い、謝罪する等!変ではないか!」
固定概念に囚われた考えのシュリに対して、呆れたように。
『確かに私は魔王だよ。そこら辺の奴らならそうなんだろうな〜』
「まるで自分は他とは違う、みたいな言い方だな?」
シュリを小馬鹿にした様に、そして自信満々に!高らかに名乗りを上げる!
『フッ……違うも何も、そこら辺の殺戮や世界征服だけの有象無象の魔王何かと一緒にされちゃ〜困るな……私は!天界で唯一無二で純血の神魔にして、暗き闇の眼を持ち、誇り高き魔族! 全ての者に敬意を表し、弱気者には手は出さねぇ……それがヴァーゼクリウスだ!』
「ふむ、ルリの言い分は分かった……考えを改めよう、先代の魔王とは違うと言えよう」
「ルリちゃんはやっぱり良い人です」
『分かりゃ〜良い、私は良い奴じゃ無いさ、やりたい様にしてるだけだよ。確かに先代は、魔王らしい奴だった……しかし彼にも思想理念があった、人間には受け入れられなかったから、討伐されたんだがな』
「はい!ルリちゃん質問です!」
『今度はリクか、何だ?』
「どうしてリク達は天界に行けないんですか?」
少し悩む様にして。
『あ〜それはな、行けない事は無いが、身体が無事に済むか分からんからな』
「ん?……身体?」
『人間が天界に行くには、神か天使か、神魔の儀をしなくちゃいけないんだよ』
話を聞いていたシュリが。
「その儀とはどういう物なのだ?」
そしてリクも興奮気味に。
「リクも気になります!」
『ヴァンパイアは知ってるか?』
「本でなら見た事はあります」とリク
「何度か戦った事があるな」とシュリ
『なるほどな、しかしシュリはヴァンパイアと殺り合う何て、なかなかやるな〜そいつ等が眷属を作る習性が有るのは知ってるか?』
「本で読んだ時に書いてありましたね」
『天界に行くには、神の眷属にならなきゃ無理だ』
2人同時に各々の反応を見せる
「え?! 眷属ですか!?」
「という事は、メルティアは女神様の眷属という事か!?」
ニヤぁ〜と嗤う姿が想像出来るかの様に、魔王はあっけらかんとした感じに言う
『クックックッ……儀が終われば人間じゃ無くなるってこった。シュリの指摘した通り、メルティアはあの変態の眷属と言っても過言じゃない。むしろもっと、より強い絆で結ばれてる』
「どういう事だ?」
「リクも気になります!」
『ちゃんとメルティアに内緒に出来るか?』
「はい!」「ああ、無論だ」
『じゃあ言うぞ?』
2人はゴクリと喉を鳴らし、頷いた。
『メルティアはな……転生前に、変態女神と親子関係だったんだぜ?ウケるだろ』
「あー……」「なるほど……」
『え!?いやちょっと待て!想像してた反応と違う!』
「そう言われてもなぁ?」
リクは眉間に皺を寄せて、頭の中で纏めようしながら。
「う〜……そうですね、何となくですが、女神さんの行動はただの変態じゃなくって、メルティアちゃんを実の娘の様に思っての行動というか、身を案じているみたいで……説明しにくいです」
『て事は、2人はメルティアと変態との関係性に、何かを感じ取っていたって事か?』
「端的に言うとそうだな」
「そうですね」
『驚いてくれると思ったんだがな〜……それならしゃあない。リクは神魔……魔の眷属の適正があって、シュリは女神の眷属の適正が有るな』
「リクは魔なんですか!?」
「それはおかしくないか?良くて女神、天使の眷属かと思ってたんだが?」
快活に笑いながら、お前らは何を言っているんだ?と言いたげな感じに。
『ははっ!リクは魔性の女になる可能性を秘めているからな〜男達を無意識に引き寄せ、誑かす、天性の悪女の才能がな!(ニヤッ)』
戸惑いつつも頬を膨らませ、納得いかないと言いたげに。
「ふえぇ〜……そんな事無いもん……」
それを見て、納得した様にシュリが。
「ふむ、なるほど……こういう行動が、男達の心を擽るのか……勉強になるな」
『だろ? 私の城に居るサキュバス達がリクにテクニックを教え込めば、かなり良い仕上がりになる事間違いない!クックックッ……』
「リクは……エッチな勉強なんてしません!!」
『勿体ない……まぁ無理強いは良くないな?』
それから、メルティアちゃんが帰ってくるまでシュリさんと行動していたのですが、リクが男性と話す時は、メモ帳取り出しては、何かを書いては唸って、「コレを私が……いやいや」とか言いながら観察されてます。
「ちょっとアナタ!この小説の作者でしょ!?」
「姫殿下?その様な物言いでは、話が通しにくくなりますよ?後、ちっちゃくて可愛らしいお顔が、少々残念になっておいでです」
『初めましてにございます。姫殿下、御機嫌麗しゅう』
そう挨拶した私に、ぴょんぴょん跳ねたり、地団駄を踏み、怒りが治まるどころか、余計にお怒りのご様子だ。
「その様な畏まった挨拶など不要よ!」
「あらあら、姫殿下……そんなに跳ねても無い胸は揺れませんよ?後、お顔がお猿さんの様に真っ赤です。淑女にはそのお姿は似つかわしくありません」
「フリージアァ!! さっきから貴女は何かしら!この作者よりも1億倍、腹がたちますわ! 私を怒らせたいのかしら!?」
「怒らせるなど、滅相も御座いません。私はただ、素直に思った事を述べただけでして、姫殿下が何故そこまで御怒りになっているのか、皆目見当が付きません」
「フリージア?貴女は本気で言ってますの?! この際言わせて貰いますわ! そういう言動が1番、苛立ちを覚えますのよ!!分かっておいででして?!」
「申し訳ございません。無意識の内に姫殿下を苛立たせていたとは……メイドとして不甲斐ないです。しかしながら国王陛下より直々に、我が娘には遠慮なく、そなたが素直に思った事を言って欲しい、主従関係は大事だが、対等に本音をぶつけて、心を通わせれる関係になって欲しいのじゃ……と」
「父上がその様な事を……って!別に、最も〜みたいな話をして、断じて感動的な話にもなりませんわよ!!」
--国王陛下……必ず私は、姫殿下を……いえ、ルーシア様を必ず素敵な淑女にしてみせます!
あれ?終わった? と、思う蔵ノ宮辰秋だった。




