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楽園から続く道  作者: 詠み人知らず


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45/49

勝者

輝幸と綾子は、暫定王者席から、その他の決勝出場者が待つ、控室へと移動してきた。

輝幸に気づくと、レイがやってきて声を掛けた。

「お前らが獲ると思たんやけどな。」

輝幸が苦笑いをしてそれに応える。

「あいつら、凄すぎましたね。」

「あいつらがヤバかったのは確かやな。」

レイも苦笑いしたあと、真剣な表情になる。

「でもな、お前らのネタもヤバかったのは、事実やで。」

「‥‥」

輝幸は、レイが気を使っているのかと思った。

「お前らのネタを見た時、俺たちが用意していたネタでは、どうあがいても勝てないと思った。だから、俺たちは、リスキーだが、ハマれば爆発力のあるネタに土壇場で変えたんや。」

輝幸は驚く。確かに、レイほどのベテランが、あのネタの危うさに気づいていないわけはない。

「そこまで、俺らを追い込んだのは、お前らや。もっと胸張れや。」

「ありがとうございます。」

「あと、二組あるが、結果を見るまでもなく、あいつらやろ。」

「そうですね。」

「お前らも、これから、あんなやつらが同期にいたら、大変やな。」

そういってレイは豪快に笑った。

輝幸は、またもや苦笑いを浮かべる。

「だがな、俺たちもまだ一年キングオブマンザイに出場できる。来年は、易々とは勝たせへんからな。」

そういうと、レイは背中を向けて、南高のもとに帰っていった。

隣で見ていた綾子が、

「気に入られてるね。」

といって笑った。

「そうなのかな?」

と輝幸も笑った。


そうこうしているうちに、二組の漫才と採点が終わり、常田が高らかに宣言する。

「今年のキングオブマンザイ王者は、”ハルシネーション”です。」

エンドロールが鳴り響く。

紙吹雪やリボンが舞い散る中、優勝トロフィーを掲げる圭介と遊星。


輝幸はそれを見て心が熱くなるのを感じた。

「そうか、俺、あいつらをライバルだと、負けたくないと思っているんだな。」

逃げ続けてきた輝幸が、誰かに対し、劣等感ではなく、真っ向から闘争心を感じるのは、人生で初めてのことだった。

一章も終了に近づいています。

最後まで応援よろしくお願いします

コメント、★お待ちしています。

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