キハイ王国のギルド長について。
二日以上の休みには連休宿題、平日には多量の予習、夏休みには意味のわからない量の宿題に圧迫されている作者でございます。
そのせいで、なかなか執筆に時間をとることができなく、遅れることもありますが、暖かく見守ってください!
俺達はギルドの扉を開き中へ入った。
すぐに目に飛び込んでくるのは大量の冒険者達の姿。
カラマ王国のギルドよりも人数がだいぶ多い気がするのは何故だろうか?
そんな疑問を抱きながらも、俺達はとりあえず受付へと向かう。
幸いにも、俺達に絡んでくる冒険者はいなかったので、スムーズに辿り着くことが出来た。
そこで、俺は受付嬢へと尋ねる。
「なあ、ギルド長はいるか?」
「え?
………えっと、ギルド長に御用でしょうか?」
「ああ、Sランクのヨエナが来たといえばわかるはずだ」
「Sっ!?
……いえ、失礼しました。わかりました、少しお待ちください」
そう言ってぺこりと頭を下げてから姿を消す受付嬢。
Sランクと叫びそうになって咄嗟に口を塞ぐところや、冷静に対応するところからみて、相当優秀な人物のようだ。
「ねえ、優斗君。
ここのギルド長に何か用があるの?」
「ああ、いくつか聞きたいことがあってな。
……それと、ギルドの中とかでは極力ヨエナの方で呼んでくれ。
俺もミウって呼ぶから」
「あっ!
ごめんね、忘れてた」
素で俺の名前を言ってしまったことが恥ずかしかったのか、少し顔を赤らめてえへへ、と笑う舞。
……うん、今日も素晴らしく可愛いな。
逆に可愛い以外の言葉が出てこなくて自分のボキャブラリーを疑うレベル。
あ、ちなみに、ギルド長に聞きたいことというのは、この町に住んでいるはずのタウリのことについてだ。
ハルノの父のジェストが冒険者なのだから、その友人なら冒険者なのではないか、という安易な考えなのだが、考えられる可能性は全て考慮した方がいいだろう。
そうこう考える内に、受付嬢が、一人のおっさんと一緒に歩いてきているのが目に入った。
なんだか、とてつもなく筋肉がムキムキな人だ。
転移する前に道で見たら、軽く四度見くらいはするだろうと思えるほどの圧倒的存在感を放っている。
そのおっさんが俺の目の前で止まると、一言口を開いた。
「君が、Sランクのヨエナか」
「ああ」
「本当に、Sランクなのだな?」
「?
ああ」
「本当に、本当に本当に本当に本当にSランクなのだな?」
「だから、さっきからそうだって言ってるだろ?」
何度も同じことを聞いてくるおっさんに、俺が若干苛立ちながらもそう返すと、男はその瞬間、上を見上げたと思うと。
「ウルドのやろおぉおぉおぉ!
ちゃんと報告しやがれってんだぁあぁあぁ!」
そう雄叫びを上げた。
雄叫びというか、ただの叫びだが。
舞もティフィアもハルノもキョトンとする中、俺は何故か状況が分かってしまった。
恐らく、考えたくはないが…。
「……なあ、もしかして、俺がSランクになったこと、聞かされてないのか?」
「そうだよちくしょうめえぇ!
俺はヨエナなんて名前聞いたこともねえわ!」
鋭い突っ込みをかまされる。
それと同時に、周囲の冒険者にざわめきが広がった。
どうやら、おっさんの叫び声で注目を集めていたらしく、そこに俺がSランクであるいう情報が聞こえてきたからみたいだ。
こんな所では、ゆっくりと話もできやしない。
おっさんもそう考えたらしく、小さく溜息をつきながら、俺達についてこいとだけ言い、ギルドの奥へと歩いていった。
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「なあ、ウルド……カラマ王国のギルド長は、いつもそんななのか?」
「ああ、そうなんだよ、ったくあいつは。
毎回毎回俺がどれだけ後始末に苦労してると思ってやがるんだ」
「なんか、苦労してるんだな……」
確かに、あの性格はどうにも掴めなさそうで苦労しそうだ。
「はぁ。
それで、お前は本当にSランクなんだろうな?」
「ああ、一応、向こうのギルド長にそう任命された」
「ちっ、そうか。
だが、まだ事実がわからない以上、多少のテストはさせてもらう。
恨むのならあいつを恨め」
面倒くさげにそう呟いたおっさんの言葉に、俺は疑問を覚える。
「テスト?
向こうではそんなもの、必要ないって言われたんだが」
「はあぁあぁ!?」
いきなり叫び出すおっさんの声に驚いて、女性陣が肩をぴくってさせている。
このすぐに大きな声を出すくせ、やめて欲しいんだがな。
「じゃあ、なんだ!?
お前はテストもさせられずにSランクの認証を受けたということか!?」
「ああ、まあ、そういうことになるが」
「ふざけんなっ、あいつめ!
また俺に押し付けやがったなぁ!」
そしてブツブツと罵詈雑言を吐いた後に
「お前には、後でテストをしてもらう!
俺の名はギルド長のタウリ!
厳しくいくから覚悟しろよ!」
そう叫んで俺に指を指した。
そして俺達は。
「「「「えぇえぇえぇえぇえぇ!」」」」
テストを受けなければいけないことと、ギルド長の名前。
二つの意味で、驚きの声を上げたのだった。




