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56話 アルムントの6階層

書籍化&コミカライズ決定しました

1巻が11月2日に発売します

書籍限定の書き下ろし短編があるので、気になる方は是非チェックしてみてください

 道中の敵を全て倒しながら6階層に到着した。

【獲得経験値2倍】の効果が凄まじく、めちゃくちゃレベルが上がった。

 現在の俺のステータスはこんな感じになっている。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 ロア・フォイル 19歳 男 

 称号:[キャプテン]

 レベル:610

 HP:3520/3520 MP:4730/4730

 攻撃力:1380

 防御力:920

 ユニークスキル:【アイテム作成】【魔法創造】

 魔法:《生活魔法》《火槍》《アイテムボックス(極小)》《豪火球》《投雷》《稲妻雷轟》《紫電一閃》《身体強化》《水刃放射》《泡沫水鞠》《水雲村雨》


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 まさか1日で610レベルになるとは……。

 この調子ならダンジョンボスも余裕で倒してしまいそうだ。


「6階層からモンスターの強さが一気に上がると聞いてますが、どうなんでしょうね」


 前を歩くソニアの表情は少し不安そうだ。


「ゆっくり進んでいこう。《水雲村雨》があるから一撃で倒せるさ」

「まずはいつでも5階層に逃げられる様にこの階段周辺で戦おう。相手は900レベルぐらいある訳なんだし、一気にレベルも上がるだろう」

「了解です」

「ソニアがモンスターを引き連れて……いや、やめておこう。初めて《稲妻雷轟》を使ったときのことを思い出した」


 あのときは3~4体モンスターを引き連れてきてくるように言ったのだが、ソニアはその倍の8体を引き連れてきてしまったのだ。


「あれは仕方ないですよー……。だって3~4体集めて動いてると目立って他にモンスター寄ってきちゃったんですから……」

「まあ難しそうだよな」

「すっご~く難しいですからね!」

「分かった分かった──ん」


 俺は先の岩陰にモンスターの存在を察知した。


「本当に分かってるんですか?」

「ソニア、モンスターが近い」

「あ、はい」


 ソニアは身体の向きを俺の視線の先に変えた。

 そして現れたのはレッドオークだった。

 両手槍を構えていた。



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


『レッドオーク』

 討伐推奨レベル:930

 ランク:C


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 レッドオークは俺達の存在に気付いていたようだ。

 そして対峙すると、両手槍の先にふぅーっと炎の息を吐いた。

 両手槍の先に炎が灯った。


 なかなか器用なことをしてくるな……。

 さすがは討伐推奨レベル930だな。

 こっちも全力でいかせてもらうぜ。


「《水雲村雨みずくもむらさめ》」


 手にモクモクと雲が発生した。

 急速に雲が剣に形作られていく。

 そして雲の剣に渦巻状に水流が纏わりついている。

 水雲の剣が出来るまでの間、約2秒。

 なるほど、これが詠唱時間ってわけだ。


「じゃあこいつを振るえばいいわけだ」

「フゴオオオオオオオオォォォッ!」


 レッドオークが両手槍を構えて突進してきた。


「ぐっ! ロアさんの邪魔はさせません!」


 その突進をソニアが受け止める。

 ソニアのレベルは640でもちろんレッドオークの討伐推奨レベルに達していない。

 だが、それでもソニアは平然とレッドオークの攻撃を受け止めている。

 さすがだな。


「ありがとな、ソニア──よいしょっと!」


 ソニアの横を通過し、レッドオークに《水雲村雨みずくもむらさめ》」を放つ。

 レッドオークは反応し、両手槍で受け止めようとした。

 だが《水雲村雨みずくもむらさめ》」はレッドオークの防御など簡単に貫通してみせた。


「ゴガアアアアアアアアアアアアアアアァァァァッ!?」


 レッドオークの断末魔が響いた。



『自身よりも強い敵を倒したため、経験値が加算されました』


『レベルが120上がりました』



 想定通りレッドオークを一撃で仕留めることが出来た。

 やはり《水雲村雨》の威力はかなりのものだな。

 まあクールタイムが長いけど。


「……わわわ、レベルが一気に90も上がりました」


 急激なレベルアップにソニアは驚いている様子だった。


「そんなに上がるのはウィリアム・キッド戦以来か?」

「そうですね。いやー、ビックリです」

「ははは、分かるわ。その気持ち……って笑ってる場合じゃないな。クールタイムの間は戦えないし、さっさと魔石を取って退こう。レッドオークの断末魔で魔物が寄って来るかもしれない」

「……ロ、ロアさん……アレ見てください……」


 ソニアは震える人差し指を前に向けていた。

 俺もソニアと同じ方向を見ると、絶句した。

 なんとそこには大量のモンスターがいるのだった。


「「「「グルアアアアアアアアアアァ!」」」」


 モンスター達の雄叫びが響き渡った。

 これが6階層の問題になっているんだな!

 って、そんなことを思ってる場合じゃない!


「に、逃げるぞ! ソニア!」

「は、はいっ!」


 俺とソニアは駆け出し、一目散に階段に逃げてきた。

 これで安全……かと思ったら、


「なんでこいつらは階層を超えて追いかけてきてんだよ!」

「ひいいいいっ!」


 大急ぎで俺とソニアは階段を駆け上がる。

 まずいことになったぞ……。

 このまま5階層にまで追いかけてきたらもう逃げ場がない。

 逃げると5階層のモンスターとも遭遇して、完璧に詰む。

 階段を駆け上がっていると、こちら側に降りてきている人影を発見した。


「6階層のモンスターが追ってきている! 引き返せ!」


 俺は走りながらその人物に忠告をする。

 だが、忠告を聞かずにそいつは歩みを止めない。

 近付くと、顔がはっきりと見えて、俺は引き返さなかった理由が分かった。


「──あれ、君達何やってるの?」


 何故ならその人物は昨日出会ったAランク冒険者のスレイだったからだ。



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