55話 【獲得経験値2倍】
書籍化&コミカライズ決定しました
1巻が11月2日に発売します
書籍限定の書き下ろし短編があるので、気になる方は是非チェックしてみてください
か、獲得経験値2倍だって!?
単純にレベルが今までの2倍上がりやすくなるってことだよな……?
俺はそんな期待を胸に詳細を見てみる。
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【獲得経験値2倍】
効果:モンスターを倒したときに得られる経験値が2倍になる。この効果はパーティメンバーにも適用される。
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パーティメンバーにも適用される!?
……つまり、俺とソニアでパーティを組んでいる状態でも経験値効率は実質ソロのときと変わらないってわけだ。
「はは……とんでもないボーナスだな」
「ロアさんどうしたんですか?」
様子が一変した俺にソニアは話しかけてきた。
「レベルリセットボーナスを獲得したんだ」
「レベルリセットボーナス……? ロアさんのユニークスキルの能力のことですかね?」
「ああ。消費レベルが3000を突破したことで今後の経験値が全て2倍になった」
「……え、ええええええええええぇぇぇぇっ!?」
「この効果は俺だけじゃない。パーティメンバーにも適用される。つまり、ソニアにも恩恵があるってことだ」
「な、ななんですか! そのとんでもないボーナスは! 聞いたことがないですよ!? 経験値が2倍になるなんて! それに私まで!?」
コクリ、と俺は頷く。
「【魔法創造】は規格外のスキルなのだと俺は再認識したよ。もしかすると魔法を極めるのはそう遠くない未来なのかもしれないな」
「ふふっ、そうかもしれないですね」
……ん?
待てよ。
【獲得経験値2倍】を取得したなら2日でやろうとしていた予定を1日に出来るんじゃないか?
「よし、それを実現するためにも明日にアルムントのダンジョンボスを倒そう」
「急ですね……。でも経験値効率は2倍になりましたし、全然いけるのかもしれないですね……」
「頼りにしてるぜ、ソニア」
「は、はいっ! 頑張ります!」
「ついでに明日は早くから活動しよう。そうすれば明日でボスモンスターを倒せる確率も上がる」
「えっ、早起きをするってことですか!?」
「ああ」
「……あのロアさんが自分から早起きをすると言い出すなんて……よっぽど嬉しかったんですね……」
「よし、分かったならさっさと寝るぞ」
「……もしかして照れてます?」
「少し」
「わぁ……ビックリするぐらい素直ですね」
「まあな」
そんな会話をしつつ、早めに就寝した。
──そして翌朝。
「ロアさん! ちゃんと起きるんじゃなかったんですか!」
「……人間そう簡単に変われないな」
俺は眠そうな声でソニアに抵抗していた。
だが、目覚めなければいけないのもまた事実。
「今日にボスモンスターを倒す予定はどうしたんですかっ!」
「ぐぬぬ……」
俺は重たい目をこじ開けた。
「……ハァ、仕方ない。起きるか」
重たい身体を起こした。
どうしてこんなに身体が重いのだろう。
やる気はあるのに、身体が言うことを聞いてくれない。
「ほんとロアさんは世話が焼けますね……」
なぜか、そんなことをぼやくソニアの顔は少しだけ笑顔を浮かべていた。
◇
早速アルムントのダンジョンに移動し、まずは【獲得経験値2倍】の恩恵を確かめてみる。
1階層にいるヒートボア1体でどれだけレベルが上がるのか。
ヒートボアの討伐推奨レベル330なのでそれが2体分だから大体150レベルぐらい上がれば上出来だな。
「《水刃放射》」
「ピギャッ」
もうヒートボア程度、余裕で倒せてしまうな。
真っ二つになったヒートボアを見て、自分が強くなっていることを実感した。
『自身よりも強い敵を倒したため、経験値が加算されました』
『レベルが250上がりました』
レベルが250上がっただと……!?
「上がりすぎじゃないか!?」
え、なに。
そんなに上がるものなの?
あまりにも予想外だった。
今までの経験を踏まえても流石に上がり過ぎだ。
いや、でもヒートボア2体を倒してもそれだけレベルが上がるとは思えないし……。
「まさか……強敵を倒したときの経験値ボーナスってレベル差があればあるほど増えるものなのか……?」
強敵を倒したときの経験値加算ボーナスを含めた総経験値が2倍されていないと辻褄が合わない。
「おいおい……とんでもないもの手に入れてしまったな……【魔法創造】恐るべし」
「とても驚いてますが、レベルはどれだけ上がったんですか?」
「250だ」
「そんなに!?」
「な? 驚くだろ?」
「ええ。これはビックリしますね……そんな勢いで強くなっていったらロアさんが世界最強になってしまいますよ」
「俺は魔法を極める男だぞ? 世界最強ぐらいなってやるさ」
こんなこと言うとまた「自信家じゃないですか」とか言われるかもな。
俺は言ってから気付いた。
後悔先に立たずとはこのことか。
「……ふふっ、そのお手伝いが出来ること光栄に思いますよ」
しかし、ソニアの返事はどこか俺のことを尊敬しているようなものだった。
まあ、それならそれでいいか。
「いつも助かってるよ。ありがとな」
「……えへへ、はい」
ソニアは嬉しそうに頬を緩ませていた。
……女の子ってよく分からんな。




