6月30日
会話劇です
「わああぁ……い、忙しい忙しい!! ちょっとカロルス様、なにやってるの! もうお祭りが始まっちゃうよ?!」
「だから何だよ、俺はせっかく手伝ってやろうと出向いたのに、追い返されたところだ」
「まあ、カロルス様っていても戦闘以外に役に立たないし……。そもそも、何の手伝いに?」
「役に立つだろ! 何かには!! 別に……ちょっと、外の屋台を手伝ってやろうかと……」
「……つまみ食いでしかないよね? カロルス様につままれたら、数人分がなくなるから!」
「いっぱいあるんだから、いいじゃねえか」
「よくない!! じゃあもう家で大人しくしてて! オレは忙しいから!!」
「もう食料はあるんだろ? なら何が忙しいっつうんだ」
「オレは色々あるの! 今年は他の地域からも人を呼ばなきゃいけないから……オレがいないと、ちょっとよろしくない系の」
「ユータ様、その方がおそらく来られていますよ。マリーが粗相をする前に、お願いします」
「あっ……ソッチだね! 了解!」
「いらっしゃい! わあ、今日はお忍びって感じ!」
「……目立つと、よくないだろう」
「ふふっ、エルベル様はどっちにしたって目立つけどね。すっごく綺麗だし」
「お前に言われてもな」
「ふふ、お二人とも大変にお美しくて、目の保養です。グンジョーは表に出たがりませんので、今日は私が失礼します」
「そうなの? グンジョーさんも来ればよかっ……あれっ?」
「そうだろう、中途半端だとお前も思うだろう? 馬鹿じゃないか」
「楽しむエルベル様を、どうしても見たかったんでしょうねえ……」
「そうやってナーラさんにくっついてると、保護色になってバレなさそうだね」
「不気味だろう、コウモリをくっつけている人物など」
「そんなことないよ、可愛いもの。あれ、照れたのかな」
「はっ、あの鉄面皮が照れるなど……」
「かわいいと言われることなど皆無でしょうからねえ」
「ふふっ、そういうのも、かわいいって言うんだよ! エルベル様だってそうだもんね!」
「なっ……!? どこがだ!」
「(そういうところだよね)」
「(そういうところですよね)」
「こそこそするんじゃない! おい、いつまでここで待たせる気だ!」
「はぁい。じゃあ、こっち来て! 来賓室があるから!」
「ユータ様、不届き者の気配がします」
「えーっと、このお祭りにそんな人いるかな? すぐに始末されそうな……」
「いいえ、一筋縄ではいきません。私以外の全力をもってして排除すべきです」
「マリーさん以外? あーっと……それって、紫の瞳をもったイケメン?」
「イケメンなどと、いいものではありません」
「うん、わかった。そっちに行ってくるね! オレが呼んだんだから、排除しちゃダメだよ? 知ってるでしょう? 役に立ってくれてるんだから」
「……仕方ありません」
「――わあ、ミラゼア様にリンゼ! みんな久しぶり! えっと、あとは……うわっ! もう、アッゼさん目の前に出てこないでよ!」
「お前ねえ、アッゼさんは便利な魔道具でも何でもないわけ。なんでこの俺がさんざ往復して、子どもの運搬とかしなきゃいけないんだよ」
「でも、アッゼさんがOKって言ってくれたから」
「そんなもん、マリーさんに一言言われりゃやるっきゃないだろうが! つうわけで、俺はさっそくマリーちゃんを誘ってくるわ! ちょうどよく祭りなんだろ?」
「うん、まあがんばって……ついさっき排除されそうだったけど……」
「ユータ、アッゼ様の言うことは本当だぞ、あの方をこき使うなどと……」
「久しぶりね! 本当便利よねえ、転移って! 私も次の執事は少しでも転移ができる人がいいわ!」
「いっぱいいなかったっけ……執事群」
「たくさんいても無駄ではないもの」
「ミラゼア様、限度というものも……執事は、執事なので調理や掃除担当するのはまた別の職かと」
「うっ……いいじゃない、執事の方が素敵なんだもの。みんな、交代制執事も喜んでるわよ」
「お給料が上がりますからね。大した仕事もないわけですし、それはそうでしょうけども」
「えっと……相変わらずだね。今日はいっぱい美味しいものがあるから、ぜひ楽しんでいってね!」
「それはもちろん」
「望むところよ!」
「ふふっ、来賓室で待っていてね。オレ、まだやることあるから」
「そろそろ、呼んでもいいかな? えっと……こうして……」
「待ちくたびれたゾ!」
「うわっ?! ちょ、濡れる濡れる! ビックリするよ?!」
「何を言う。我は、今か今かとずっと待っておったのだゾ」
「すみません……ナギ様は、それはそれは楽しみにされていまして。なんせ、地上のお祭りなど参加することはないですし」
「他人事のように言いおって。ウナも1週間は前からそわそわしておったワ」
「そ、そそそんなことっ! 私は、ナギ様の身辺を心配したからこそ!」
「楽しみにしてくれて嬉しいよ! 二人は、シロ車(豪華)を用意したからね! ちょっとだけ運転は荒いかもしれないけど、好きな所に連れて行ってくれるよ!」
「オウ、それは助かるナ」
「ほ、本当にいいんですか? 海人が地上のお祭りなんて……」
「魔族とかヴァンパイアとかいるけど、大丈夫なら。海人は珍しいから、裾の長い服で隠す方がいいかも」
「そうですね! その方が気兼ねなく楽しめます!!」
「楽しむ気満々ではないカ。視察がどうのという建前はドウしたのダ」
「それはっ! ナギ様、そういうのはあまり公言してはっ!」
「視察していってよ! 海人も、こんなお祭りしてくれたら嬉しいな! その時はオレも呼んでね!」
「ユータちゃん、そろそろだけど来賓の皆さまはどうかしら?」
「うん、みんな揃ったと思うよ!」
「じゃあ、僕と一緒に会場に行こうか」
「うわ、セデス兄さんすっごい貴族っぽい」
「ぽいってどういうこと?!」
「ユータちゃん、私は? 私は?!」
「エリーシャ様は、すっごく素敵だよ! 高貴で上品で、きらっきら!」
「うふふふふ。ありがとう」
「母上が上品ってのが、僕はちょっと納得できないよ……」
「セデス兄さんだって、そうじゃない」
「いやいや、僕は空き家を素手で壊して場所を広げたりしないから」
「エリーシャ様、そんなことしてたの……?」
「だ、だって急ぎだったんですもの」
「そう言えば、さっき二人が来てたから、みんなで一緒に行こうか。母上と父上は後からね」
「私も一緒に行きたいのだけど……」
「あ! やっと来た! じゃあオレ呼んでくる!」
「二人とも、遅いよ!」
「遅くねえわ! さんざんこき使われてたからな!」
「僕、魔力切れを起こしそうだよ~」
「うん、それはまあ、ごめん。便利だったから……」
「お前さ、人使い荒いよな」
「僕、あんまり使われることないんだけどね~?」
「お前も人使い荒いけどな?!」
「そんなことないよ~。タクトにだけだよ。特別、だね?」
「やめろ、その女子向けの顔! よく言えるよな、そういうこと!!」
「言うのなんて、簡単じゃない~」
「簡単じゃねえわ!」
「全然簡単じゃないよ!!」
「え~? ユータは言ってるよね~?」
「あ、確かに。ユータは言ってるな」
「え? え? いつ?」
「俺らには、結構言ってんじゃねえ?」
「ああ……だってそれは難しくないもの。普通に口から出ちゃうよ」
「ほらね~。こういうのが、天然ものだよ~」
「俺はどっちも無理!!」
「天然もの……?」
「おーい、そろそろ行くよ? ユータは光の花を担当してるんだから、遅れちゃダメだよ」
「うん! じゃあ、行こっか!」
「段々賑やかになってくな。あーもう、腹減って死にそう!」
「もう、こっそりは無理なんじゃない~?」
「そうかもね。でも、みんなが楽しく参加してくれるなら、秘密じゃなくてもいいかな! 今年も、盛り上がりそうだね、ロクサレンの日!」
ロクサレンの日! 駆け込み!! 今年も、皆様ありがとうございました!!
わざと誰の台詞か書かなかったですが、全員すぐに分かりました?




