↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
102/292

101 親父との対話

 皇国学習院に合格したオレは、久々に親父の住む領地に帰った。


「カストル様、おめでとうございます!」

「わたし達は信じておりました、しかもトップで合格だそうで……旦那様も大層お喜びでしょう」

「今晩は盛大にパーティーを開かせていただきます」

「そういえばバロさんも執事枠で合格されたのですね」

「それは二重にめでたいですわ」


 オレが皇国学習院にトップで合格できたことを城の従者達はみんな喜んでいた。


「あ。お義母(かあ)様」

「フン……下賤な血が入っているとはいえ、あの人の息子には違いないわね。ヘミニス家の名を汚さないようにせいぜい頑張るのね」


 継母は生まれついての貴族らしい。

 どうやらオレの母親が貴族で無かったことを、オレを叩く材料に使っているようだ。


「お母様! お兄様に失礼ですわ! お兄様はトップで合格しましたのよ。もっと褒めてもいいのではないのですか」

「そんなもの、ヘミニス家の者ならそれくらいの成績で合格して当たり前です!」


 アルヘナがオレを邪険にした母親に抗議していた。


「アルヘナ、オレは気にしてないからよォ」

「フンッ」


 継母はそのまま自分の部屋に戻っていった。


()()()()()様、旦那様がお呼びです」

「親父が? わかった、すぐに行くぜェ」


 オレは親父の部屋に呼び出された。

 まあこの成績なら怒られることはないだろう。



「来たか、カストリア」

「何だよォ。親父ィ」

「はて、私は娘のカストリアを呼んだはずだったが……ここにいるのは誰だ? すまぬ、カストリアを呼んできてくれ」


 親父の態度がワケわからない。

 だがどうやらオレに女の姿で出直せと言っているようだ。


 オレはメイドに用意してもらい、女物の衣服に着替え直して再び親父の所に戻った。


「お父様、失礼致します」

「来たか、カストリア。……美しい、まるで亡きお前の母さん、私の妻の若い頃にそっくりだ」

「それで、なぜこのような姿で出直せとォ?」

「私はお前に人生を押し付けすぎていたのかも知れない。カストリアよ、私の昔の話を聞いてくれるか」


 親父のこんな態度を見るのは初めてだった。


「私は昔、貴族の立場を捨てようとしたことがある……だが私は臆病だった。いざ家を飛び出したものの、何もできなかった。そして私は……誰かのおかげで自分が生きてられると思い知り、そのことを諦めた」

「それは、一体なぜ?」

「私は馬で遠出した時、立ち寄った村で村一番の美しい娘に一目惚れした。そして私は何が何でも彼女を自分のものにしたいと思った。貴族の立場を捨てようと思ったのもその娘と一緒になりたかったからだ」

「それって……まさかァ」

「そう、その女性がお前の母親だ。だが私は結局貴族の立場を捨てる事が出来なかった。それでも私は彼女のことを諦めることが出来なかった。そして私は最低の手段を取った……」


 親父は母さんのことを懐かしみつつ、後悔を懺悔しているような話し方だった。


「愚かにも、私は貴族の立場を利用し……彼女を侍女に呼び寄せたのだ。彼女の村は貧しい村だったが、彼女がいたので村人は明るく過ごせていた。それを私は貴族であるのをいいことに、村の心の支えである彼女を強引に奪い取ったのだ」

「お父様ァ」


 オレは思わず地が出そうな話し方になった。


「彼女のいなくなった後の村は、みるみる活気を失い、どんどん寂れていった。だが、私はそんなことよりも彼女を手に入れたことに有頂天になっていた」

「そうなのですね……」

「だが私は侍女にした彼女にどうしても振り向いてもらいたいと思い、私はいろいろと試した。その思いが通じたのか彼女は私に心を開いてくれるようになった。」

「それで、ア…タシが生まれたと」

「そうだ、だが話はそれだけでは終わらない……」


 親父の懺悔ともいえる話はまだ続いた。                

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします! していただいたら作者のモチベーションも上がりますので、更新が早くなるかもしれません! ぜひよろしくお願いします!

ゆーたん(たけのこ派)

別作品です、こちらもどうぞよろしくお願いします。

魔族の男がポンコツ女達に振り回されるギャグです

魔王軍最強触手幹部 左遷先の不毛の地で困窮する食糧事情を解決、なし崩しに出来たハーレムで本土に逆襲大作戦!!

元ゲームクリエイターが転生して救世主になるファンタジーです

『転生クリエイターのマップチェンジャー』圧倒的な魔力でチート能力を使い一瞬で天変地異を巻き起こす元ゲームクリエイターの転生者はハズレスキルの地面作成(マップチェンジ)を使いこなし救世主となる!

改心したワガママ令嬢が人生をやり直す話です。

ワガママ令嬢は挫けない 〜傾国の悪妃として処刑されましたが、今度こそ誰もに愛されるよう努力します〜

ロボアニメネタ始めました。

子供の頃見ていた合体巨大ロボアニメの超絶不人気外道悪役に転生してしまったエンジニアの俺が生き延びる為に!?

ダンジョン配信でミミックが悪人を退治する話です。

社会のゴミ箱DQNイーター 元ラストダンジョン裏ボスつよつよピザ好きミミックが移動先のダンジョンでよわよわヒーロー仮面配信者と世直し配信!

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。