第51話:おねえちゃんっていったら、だいしゃんじ! の、ひ!
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調印式は、双方のサインが書かれ、無事に和平が締結された。
その翌日。
「ソラちゃん。起きましたか?」
お城の別室で一泊したアリアちゃんが、顔を覗き込んでいた。
「あいぃぃ。ふわぁぁ……」
ベッドの上で上体を起こして、欠伸と共に両手を伸ばす。
そして、バッと、布団の中を確認。
「しぇ~ふ」
おねしょの回数は明らかに減っているね。
――せいちょうちた。
「5歳でおねしょは、少々驚きましたわ」
なんてことを、金髪のツインテール、青色のラフなワンピースを着たアリアちゃんが言ってきた。
ソラちゃんの精神面や、その他の成長の遅さは、わたしとソラちゃんという、2つの意識が同時に存在してしまっているためだと思う。
多重人格っていうのがあるけど、それって、片方の人格が起きてるときは、もう片方は眠っている状態だよね?
でも、わたしとソラちゃんの場合は、同時に起きていて、心の中で会話まで出来てしまうんだよね。
――どちたの?
いや、なんでもないよ。
「ジェノしゃんは?」
「あの方は、わたくし達の朝食を準備していると思います。……そういえば、今後の育成計画を見直すと、張り切ってましたわね」
「うえぇ」
あれだね。ソラちゃんとアリアちゃんの差を見せ付けられたから……。
「着替えて食堂に行きますの?」
「きがえ、ジェノしゃん、いないよ?」
「ああ、それでしたら問題ありませんわ」
アリアちゃんが手をパンと叩くと、それを合図にメイドさんが3人ほど入ってきた。
「お召し物は、そちらのクローゼットの中でしょうか?」
「……ぁい」
小さく頷く。
うん。人見知りが爆発しそうだ。
大人が苦手なのか? て、そりゃそうか。
わたしがソラちゃんの中に転生する前の、森で狼に襲われるまでの、大人たちから追われてた記憶が残ってるんだろうな。
なんて考察している間に、すっぽんぽんにされて、体中を拭かれて、服を着せられ、鏡の前に立たされていた。
――はやいね!
さすが、慣れてるね。3人だったし。
「ソラリス様、髪型をアリア姫様と同じにしてよろしいですか?」
――きかれちゃった! どちよ!
え? わたしに聞かれても。
――やくたたじゅ!
えぇぇぇ!
「しゅきにちて!」
ソラちゃんの不機嫌スイッチはどこにあるんだろう? いまだに謎だ。
で、完成したよ。ツインテール。
左右ともに、水色のリボンで結ばれている。
「「「かわいい!」」」
「えへへ。ありがと」
「アリア様とソラリス様、ご姉妹のようですわ!」
「わたくしがお姉ちゃん……ですわね」
頬を赤らめて、ポーっと見詰めてくる。
「アリアおねえちゃん?」
「あふ!」
ドサっと気を失い倒れちゃったよ。
「ソラ様~! 朝食の用意が――かわいい! がふ!」
ゴン!
部屋に入ってきたジェノさんは、いつもと違う髪形の私たちを見て、仰け反った拍子に壁に頭をぶつけ……。
「「「アリア姫様! ジェノ様!」」」
え? なに、この朝からの大惨事は?
――ねぇ、ぽいんとおおかったら、どうなるの?
ん~? 書いてる人がプレッシャーで、トイレの回数が増えるね。
――ふ~ん。オムツちて、かいたら、いいのにね!
……。