59.5-19話 夜霧 〜 命名者:それにしてもこんなおおきいのに気づかないものかな? 霧のせい? あ、答えでた。 〜
本当にアルビノちゃんはどうしましょうね? まるっきり予定になかったわけですが。
いってきまーす! はーくんだよっ!
Ijusara
・また霧がでてきたな……。
・主 人 公 あ ら わ る 。
・あやうく忘れるところだったあらすじ。
せっかく目をさましたアルビノちゃんだったけど、またすぐにねむってしまった。
ま、『活性化龍血』を飲ませたことだしすぐに元気になるよ。
うーん、アルビノちゃんはどうしたものだろうか? セモリナ村に送るべきか? いや、どういうわけか灰をかぶって主人公してたし一人にするわけにもいかないか。
でも、だからといってこのままここに寝かせるというわけにもいかないし、オレも満足に探検しないうちには帰らないし……。
となると、答えは一つしかない。じっちゃんはいつも一人!
アルビノちゃんをおんぶして連れてくしかないね!
え? おんぶしたら手がふさがっちゃう?
あはっ! こんなこともあろうかと! 用意してあったのさ!
てれれれー! お〜ん〜ぶヒモ〜!(かわいく)
あっはっはー! こんなこともあろうかとー! こんなことあろうかとー!
ふぅ……。
このおんぶヒモはヒモとは名ばかりにリュック型のおんぶヒモだよ! おんぶヒモのつらよごしめ!
ま、冗談はさておき。このおんぶヒモはそれなりに研究してつくったから、おんぶする側もされる側もつかれないようにしてあるよ。
そんなわけでアルビノちゃんを背負い、おんぶヒモでしっかりと固定して準備完了!
はーくんいきまーす!
エルフにとって世界樹とはとても大事なモノらしい、だからフラウア村の世界樹もあるはずだよなー、とおもいながら霧がふかくなっているところへと進んでいく。
あまっ! あまったるっ!
霧が深くなるにつれて、霧のあまったるさが増していき辟易してしまう。
そんな胸やけしそうなあまったるさをガマンしてすすんでいくとやがて茶色い壁にぶつかった。あ、ぶつかったは比喩表現だから物理的にぶつかったわけじゃないので、あしからず。
あれ、行き止まり? と大きな壁を調べる。
どうやら木でできた壁らしく、素材の持ち味を活かしたつくりなのか木肌がゴツゴツとしている。
なにやら鼓動のような脈動するような震動をかんじるが巨大な生き物でもいるのだろうか?
右をみても左をみても上をむいても壁、カベ、かべ……。
ん? よく見ると目の前……真ん中がわずかに盛りあがっているようで、中央正面にむかってほんのり丸みがおびたようにつくりの壁のようだ。
どこまでつづいているのかと壁にそって歩いてみたけど一向に端にはつかない。
だいぶ歩いてから、ふと気づいた。
かべがずっとずーっと丸みをおびていたことに、まっすぐすすんでたつもりでもほんの少し横にそれで歩いていたことに。
つまり、これは──円柱状の巨大な壁だったんだ!
あらためてその壁のおおきさを実感して、すこしだけ見上げるようにその壁をながめた。
そしてふとへんな模様あることに気づく、いやよく考えたら壁にそって歩いているときにもたびたび似たような模様があったようにおもう。
なんの模様だろうとよくよく見るとなんとなく、なんとなーく人の顔にみえる。人面瘡?
なんだろうなー、とおもいながら壁を見上げてみた。上の方にもあるのかな?
するとそこには──顔があった。
それは人の顔だった。オレの背丈より高いところにはくっきりとした人の顔があり、人面模様よりもより写実的だった。そう、それはまるで人が埋め込まれているようだった。
その周囲を見渡すと、やはりというか、人面模様同じようにところどころに顔があった。
高さによってあるものが違うのか? ならさらに高いところにはまた違うものがあるのかな?
一歩さがってさらに上を見てみた。
やはりそこには顔があった。今度は立体的になり盛り上がった感じになり、まるで中に入ってる人が少しだけ表面に出てきたかのようだ。
また一歩さがって上を見る。
今度は頭半分ほどせり出しており、この高さからは髪が表され、あごの下には首もあった。
また一歩さがって上を見るが、したと同じような生首でかわりなく、しばらくはずっと同じ生首だった。
ちなみに顔一つ一つはちゃんと違う顔であり芸がこまかいとおもった。
しばらく生首がつづいて、このままずっと生首なのかな? とおもいはじめたとき、ようやく違うものになった。
今度は頭が全部せり出して、下は胸まで、左右は肩くらいになった。つまり胸像だね。
そこから上もずっと胸像だった。
どうもみんな女の人らしく、耳は長くとがった形をしているのでエルフさんだろう。まるで今にも動き出しそうなほどリアルな胸像であり、胸の形も一つ一つ違うものであり、見事なおっぱいだと関心顔になるがどこもおかしくはない。
さらにずーっとずーっと上にいくと胸像もとぎれてポカンと空間があり、そのひらけた空間に一つだけエルフ像があった。
下はへそくらいまで、左右は肘くらいと完全に別格あつかいのエルフさんだった──が! その胸はザンネンなことにザンネンだった! とてもザンネンだった!
そんなエルフ人面瘡、エルフ似顔絵、エルフ仮面、エルフ胸像……と彫られまくったこの壁はいったいなんなのか?
まるで今にも動きだしそうなほど写実的なエルフさんたちは、ほんとうに生きているエルフさんを埋め込んだかのようで……。
ここまでヒントを出されればさすがのはーくんでも気づくよ?
そう、ここが美術家エルフさんたちの練習場であることに!
はーくん、アイデアロール致命的失敗!




