58-4話 101% 〜 減点方式のほうがラクなのはわかるけど人づきあいでは加点方式であたりたいよね? 〜
『中原式収納術』
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今ここにオレがこなかった!? バカー! もー、そいつがはーくんだよ?
Ararasuji
・構造情報は楽譜。
・末節はノイズ。
・枝葉は一時データ。
枝葉の操作をつかいこなせれば簡単な修理とかできて便利だよ?
……まあ操作といっても、基本は削除だけしかできないけど、『魔氷』の内容は減点方式ではなくて加点方式なんだよ。耐久値が減るのじゃなくてダメージ値がたまる方式。だからダメージ値そのものを取り除けば当然ダメージがなくなる。ま、枝葉はたとえ全消ししてもリスクはすくないから安心して実験できるのがいいよね。
一度『貯蔵過縮術』して実体化して今度は『貯蔵圧縮術』するとわかりやすいよ? 実体化してなにもしなければ枝葉は生えてないんだけど、たとえは実体化してキズをつけて『貯蔵圧縮術』するといくつかの枝葉が生えてるんだ、その内の一つがダメージ値。
枝葉についての補足、枝葉は猫のしっぽ だけど、必ずしもやくたたずというわけではない。
枝葉はさっきの状態値の他に、付加価値がある。これはどういうのかというと、根幹にある基本性能の他のそのモノの特色などのことだ。
たとえばナイフなら『鋭い』『キラキラした』『先が丸められた』『脆い』『初期不良の』『文字が掘られた』『金属に混ざり物が多い』『金メッキ』『壊れた』『サビやすい』『贋作の』……など、良いものも悪いものもある。
ちなみに同じ内容でも、樹木に『サビやすい』とか液体に『脆い』などの的はずれな内容なら枝葉から末節にまわされる。
根幹、これは物体の本質、分類、基本性能などはココ。基本的にこれと心核があればよい。
重要なモノだからか、心核ほどではないけど枝葉末節よりは格段に保護と暗号化が強い。
ここを下手にいじるとすぐに取り返しがつかないことになる。
心核、とても強い保護と暗号化と不可視化がほどこされてるから詳しいところはわからないけど、心核の存在が物体を物体たらしめていることだけは確信してる。
心核の内容が視えないことは残念だけど、オレの目利きの練度がたりないからしかたない……いつの日か必ずしも復讐──もとい再挑戦してやる! 練度をあげて目利きでなぐってやる!
さて心核の不可視のはなしはおいといて……見様見真似な耳コピーで模倣の模写で心核の劣化複製をつくることができる。
そして、その場合は(自分でつくっているのだから)当然手順化できる。だから劣化複製をつくるついでに、構造情報もつくっている……とくになんらかの狙いがあったわけではないけど、なにかの訓練にでもなるだろうとあまりふかくは考えていなかった。
『中原式目録術』の『復元』の方は『魔氷』の軽量縮小化という目的を鑑みれば完成の成功で最終形態な完全体。つまり大大大成功だ。
だけど、『複製』の方が芳しくなくてイマイチ消化不良で不完全燃焼で欲求不満だ。こういうのはなんていうのかな? 蛇足? 100%で完結と思っていたのに気づけば101%になっていた感覚? こう……勢いよくゴールしたけど行き過ぎて別のスタートラインに立ってしまったような……。こう、なんか完全に止め時を逸してしまった。
『中原式収納術』から『貯蔵術』『貯蔵濃縮術』『貯蔵圧縮術』『貯蔵過縮術』『目録術』『複製』×10『復元』までを1セットとし、何度も何度も手を替え品を替え繰り返し続けた。
しかし、それでも惰性にせず投げ遣りにならず、常に意欲を持って取り組んでいると、次第に見えてくるものもある。
各工程それぞれの所要時間が徐々に短縮してきた。物質化をしなくても『魔氷』のままで物体の状態がなんとなくわかるようなってきた。末節を複合化せずに解析して、なおかつソレを分解さず残したままで構造情報化できるようになった。それどころか『魔氷』に手を加えない段階で末節の構造情報をつくれるようになった。心核の劣化複製の精度が上がってきた。そしてたまに『複製』『復元』の差がない、完コピできるようになった。
ことここに至れば、心核の(無劣化)複製から構造情報をつくり、根幹以外に枝葉末節も構造情報すれば、モノの完全複製にも手が届いた! やったね!すごいねっ!!
しかし、完全な複製は劣化複製(無劣化心核複製によるモノも含む)の何倍何十倍もの魔力を必要とし、コスパが悪すぎてハッキリいってわりに合わなかった。
それにそもそも完全複製に至るまで続けたのは、偏に納得がしたかったからであり、ここまでの結果を得た以上、納得どころか満足してしまい、それが実用性に足りぬモノもであってもわりとどうでもよくなっていた。
そして、落ち着きを取り戻したことで『中原式収納術』が気がつけば『超級』に達していた。調べると収納した物体の完全劣化防止および時間停止、ついでに時間加速と収納空間の拡大拡張ができるとわかり精神に大打撃を受けてしまう。
そのうえ追い討ちのように、血を容器に入れて封印すればいいと今更すぎる指摘を受けて、しばらく(月単位)不貞寝した。
こうして思い返したことで閃いた! これをうまいとこ応用すればもしかすると、ねんがんの ぶんしんが できるかも……? あはっ! たのしくなってきた!
死神「……────ッ!? ハルがなんかロクでもない事を思いついた気がする!?」




