55話 泥棒猫 〜 命名者:ウサにおうてはウサをキ(ス)り、キツネにおうてはキツネをキ(ス)る……喧嘩両成敗! ──あっ、キツネじゃなくてタヌキだった! 〜
たたたたた※たたたたたねたたたたたこたたたたたじたたたたたゃたたたたたなたたたたたくたたたたたてたたたたたうたたたたたさたたたたたぎたたたたたでたたたたたすたたたたた。
やほー、はーくんだよ。
あらすじ
・はーくん、おもちかえり未遂。
・妙なる? 妙なる?
はーくんをおもちかえりとかメチャゆるせるよなぁ? もうゆるせるぞオイ! ……あ、まって? おもちかえるがダメなら、おめしあがりになるの? はーくんはおめしあがり専用? オレ食べられちゃうんだよ!? ごいっしょにポテトとドリンクはいかがですか? フライドポテトは新大陸だとフレンチフライなんだよ? フライドポテトだとポテトチップスとかハッシュドポテトとかも含んじゃうんだって! そんなフレンチなおフランスではポテトことおジャガさんはフランス語でポム・ド・テールっていうんだよ? ポムはポテトの変化系なの? と思ったらリンゴなんだよ! 畑のリンゴ!
リンゴ要素どこよー? と思うはーくんでした!
「睨みつける狐耳としらばっくれる兎耳、無表情だが然もありなんという気配を発する人耳」
「カグヤに抱かれたまま抵抗しない『青』、その理由はおそらく、柔らかあったかいとか考えているのだろう」
「少し真面目に状況を説明すると、幻術を使うカグヤが抱いている『青』を隠蔽し、元の位置に『青』がいるように偽装している」
「一方タマモは「タヌキ」だから幻覚を見破りカグヤに噛み付いているのだろう」
「ちなみに『青』は幻覚やまやかしの類に異様に強いので全く認識していない」
「……え? 最近は訓練はしたから頑張って視ようとすればかろうじて認識できるようになった? ……うわぁ、なんて無駄な努力をしてるんだよ」
「……うん? 逆に霊とかそういう見えちゃいけないものがくっきり見える上普通に触れるから、それらの見分け方と一緒に練習した? そういえば昔からワタシを観たり触れたりできてたけど、『生』とか『死』とか関係なく素であれだったんだ……」
「……ああ、そういう呪いがあったんじゃないか? なるほど、『依代』『霊媒』『触媒』とかの呪いか──え? 名前は適当だけど? ──いや、わかりやすさ優先で呼んでるだけだよ」
「はーくんはうちの子やー! この泥棒猫!」
「青はアタシが引き取ると決まってるんのよ! こっちのが先約なのよ!」
「タマモとカグヤの口論は平行線のままで、埒が明かないと思い至ったタマモは実力行使に出た──すなわち『青』をカグヤから奪い取ろうとした」
「はーくんを離せや! 嫌がっとるやろ!」
「アンタこそ離しなさいよ! 痛がってるでしょ!」
「……」
「タマモは『青』の背中に両手を差し入れて自分の手元は寄せようとし、そうはさせじとカグヤは『青』のお腹に回した両腕に力を入れる」
「その様子は綱引きか大岡裁きか? ──いやサンドイッチだ。タマモとカグヤはお互いに口付けしそうなほど顔を近づけて睨み合う」
「一応補足しておくと、タマモとカグヤは友人同士であり、同じ人外として困った時は互いに助け合い支え合う関係だ」
「おそらくワタシによって結界が破られたことを察知し、友の危機と押っ取り刀で駆けつけたのだろう……それがこの様だが」
「念の為、おさらいしておくとカグヤとは、一年と少し前に トラックに轢かれた『青』を入院(?)させて、しこたま看病し、その退院(?)に『いつでも来ていいから、いや絶対に来い、来なかったらこちらから出向く』と涙を浮かべて執拗にうわざり念を押していた老婆に化けていた兎耳の美女、それがカグヤだ」
「それにも関わらず、結果的に一年以上すっぽかされたカグヤはどうしていたのか……ワタシは興味がなかったし、そんな暇もなかったので様子を見ていなかった」
「まあ、おそらく『青』を探し、見つからない事に焦燥し、絶望し、諦観して、そこから立ち直ってる最中にここに来たのだろう」
「変わり果てた姿の『青』だったが、見紛うことなく認識して、即座に連れ帰ろうとした」
「暗く淀んだ目をしたカグヤに連れ去られたら、監禁拘束されて死ぬほど看病されることだろう」
「そんなカグヤの様子を知ってか知らずかタマモそれを阻止した、出来たばかりの義息をむざむざ攫わせたりするわけがなかった」
「さて、そうやって奪い合われる『青』とは、果たしておとなしく景品をする様な子だったのだろうか?」
「無論な事、そんなはずがなかった」
「タマモとカグヤは睨み合い、お互いの顔しか見ていなかったから、不幸にも『青』が青白く光り出している事に気付かなかった」
「その日、何度も見たその光」
「ならば、その後の事はあえて語るまでもないだろう」
「「んん────────ッ!!!」」
ヒント:たぬき。




