32話 先生 〜 命名者:どうやらオレは、ナニカサレタヨウダ……。 〜
怪奇消えるババア:
子供が悪い事をした事をした時に使われる架空の存在。
悪い事をしたら、謎のババアにどこかへ連れ去られるという……。
おはざっしゅ!はーくんだよ? 雑種が!
この『おはざっしゅ』をオレがつかい、相手は『雑種が!』と返すのが一連の流れだったりする、逆もあり。
昔、最初に『雑種が!』って言われた時、THE・SUGARだと思ったんだよね。
それで、糖分不足なのかな? って思ったんだけど、その時は口にいれたアメくらいしかなかったから、しかたなくそれをあげたんだ──口うつしで!
そしたら、その子は顔を赤くして走り去っていったんだよね!
顔を赤くしてた理由は怒ってたのか、熱中症だったのかはよくわからなかっけど、次にあった時に聞いてもおしえてくれなかったんまよね! ケチ!
ちなみにその時に食べていたアメはもちろんヴェルタース! だから、きっとその子も『とくべつなそんざい』だったに違いないよ!
じすらあ
・やせいの ばーちゃん が あらわれた !
・かいき きえる ばーちゃん !
・おめでとう ばーちゃん は ねーちゃん に しんか した !
かーちゃ──先生って、外出時に変装してるみたいだったけど、ばーちゃんになってるんだね。
「女はワタシに向けた視線を切り、持っていた濡れた手ぬぐい絞って『幼児』の額に置くと、『幼児』の頭を一度撫でてから立ち上がりワタシに再び向き直る、よく見ると『幼児』を庇うように立っている」
「一連の行動を見ていて、抜けた私の毒気はどうしてくれる」
「『おおかたこの子供をさらいに来たんだろうけど、そんなことはこのあたしがさせないよ』」
「誤解だ、とワタシは黙って(元々しゃべれない)両手を挙げ首を振り、敵意がない事を示す」
「それを見て女は怪訝な表情をするが知ったことではない」
「そして、『なんなんだアンタ』と、こちらを問うが、ジェスチャーでしゃべれない事を伝えた」
「ど、どうしたのハル? え? おはレミ◯? 誰? え、誰なの?」
「……ワタシの様子を見た女は、なにやら奥歯に物が挟まった様な表情をする」
「『そういやこの子の傷の治りが妙にはやかったけど、アンタがなんかしたのか……?』」
「こちらを問うているのか、それとも自問自答してだったのか、ワタシから微妙に視線を外して呟いている」
「どうにしろ、ワタシには応える術はないが」
「それ以降もなんどか言葉を掛けられるが、こちらはやはり応えるられない」
「……ハル、対人経験皆無なワタシにボディランゲージで対話するなんて離れ業は無理だから」
「ワタシの対応に毒気を抜かれたのか、微妙な表情をして、再び『幼児』の枕元に座る」
「ワタシは『幼児』の寝顔を眺めて至福の時を満喫していた」
「……ちょ、顔! 顔を近づけないでハル!? やめて! ふえぇ……起きてる時は無理だよぉ……」
「一旦満足する、その顔を眺めて、棚上げしていた疑問を考える」
「おかしい、綺麗すぎる」
「自動車事故にあった『幼児』だったが、当然というか布団から見える顔にも酷い傷が残っていた」
「だがそれがないのは……やはり女がなにか、治療したのだろう……この短時間で治せるものかはワタシの知識不足でわからなかった」
「疑問はわからないという答えで解決した、憂いがなくなったワタシは至福の時間に戻った」
「ちなみに女は看病してるのかと思えば、とても優しい顔をして『幼児』の頭を撫でくりまわしていた……同士か」
「そんな事をしていると時が過ぎるのが早いらしい」
「『幼児』が身じろぎをして、呻いた後、瞼を開けた」
「何度か瞬きをし、視線を右往左往する」
「天井、女、ワタシなどを色々な見渡していた」
「一方、『幼児』が目覚めた事に気付いている女は、『幼児』の様子を見て声をかける」
「『おはよう、カラダは大丈夫かい?』」
「猫なで声とはいかないが、優しい声で『幼児』に問いかける」
「『幼児』はパチクリと瞬きし、視線を女の顔……いや、その少し上の頭のあたりを見ていた」
「とても、不思議そうな表情をしていた」
「『バニーさん?』」
「ピキリ、と時が凍る音を幻聴した」
「空気が凍りついていたが『幼児』は気づかない様で、もぞもぞと布団から左手を出して、女の頭……おそらくあるというモノに手を伸ばす」
「その様子に気付いた女は、『幼児』を睨みつけた」
「睨まれた『幼児』は手を伸ばすのをやめ、不思議そうな表情をしてから、ニコリと笑顔を浮かべた」
「あぁ^~」
「と、笑顔を見ていたワタシはうっかり天に召されそうになった」
「女もしばらく睨みつけていたが、ガクリと肩を落とした」
「『なにこの子、幻術が効かない……』」
「その様子を見た『幼児』は先ほどとは少し種類の違う笑みを浮かべて首を傾げた」
「ワタシ知ってる、アレはよくわかってない時に浮かべる笑みだ」
「今のワタシならそう判断しただろうが、当時のワタシはそれを見てまた天に召されそうになった」
「そして、女は観念したのか幻術が解いたらしく、頭の上の歪みがなくなりウサ耳が生えてきた」
「ウサ耳にツリ目気味の美人顔、首から下に見える服の上からでもわかる突き出した膨らみ、腰のくびれ、安産型」
「なるほど、これはバニーだ」
ヘブン状態:
本来は男が汗を拭かれた時などに達する状態を指す。
転じて至福の表情を浮かべたときに使われる様になった。




