31話 老婆 〜 命名者:メタ発言をするのなら『閑話2 過去語り1』を参照? 〜
手にした新しいおもちゃで遊ばずにはいられない書き手のクズ。
謹啓
厳しい寒さが続きますが、お風邪など召していらっしゃいませんか? はーくんです!
・シーぽん、超新星・ムカおこエンドオブエンシェントジェノサイドブレイバァァァ!!!
・シーぽん、死の力で医療行為。
・謎の人物登場。
そう言えば、この頃のはーくんは名無しだったんだよね。
届け出も出されてなかったようだし、戸籍は浮いてた。
でも、名乗る必要が出て来たから、双子の妹と名前から逆算して青 と名乗るようになったんだ。
まあ、それからずっと青 で、いつの間にか(仮名)が取れてたんだよねぇ……。
そんな、 はーくんなのでした……。
敬具
「『こんな傷だらけの子供を見てなんとも思わないのか!』」
「若い女の声としわがれた老婆の声が二重に聞こえる」
「その声の方に目を向けると、人だかりが割れ、その中を肩を怒らせた、その長い白髪を揺らしながら、老婆が進んでくる。……不思議な事に時々老婆の姿がぶれて見える」
「端的に言って怪しい……だが、不思議と悪意は感じないので様子見する」
「老婆は倒れた『幼児』に歩み寄り、『こりゃ酷いね……』と言って、まだ傷が治ってない『幼児』を手際よく治療をした」
「時々ちらりと警戒の視線をワタシに向けられる、見えているのか」
「応急処置が済むと、老婆は『幼児』を布で包み、抱えながら立ち上がり、姿を消した」
「何が起こったのか、瞬間移動か……いや、よく音を聞くとこの場から立ち去る足音がかすかに聞こえる」
「そちらの方を睨むと、なにやら空間の揺らぎが見て取れる」
「幻術か?」
「ちなみに昔は知らなかったが、光学迷彩という幻術の様だ」
「などと考察するのをほどほどにして、その揺らぎを追いかける」
「老婆の見た目とは裏腹な健脚を見さ、それになかなか追いつく事が出来ない……いや、いざとなれば距離を殺せばいいのだから、それほど焦ってはいないが」
「しばらく追いかけて行くと、どんどん景色が寂れて行く」
「そして、揺らぎが止まる」
「正面は行き止まり、ただ壁があるだけだ」
「少しすると、壁が波打ち波紋を広げた」
「ついで揺らぎが生じ、その波紋を通り過ぎた」
「そして、しばらくすると波紋は消え、ただの壁に戻る」
「ワタシは壁に近づいて、それに手を触れる」
「壁だ」
「そのまま、その壁を調べた」
「その結果、この壁は結界だというのがわかった」
「そんな事は触れずとも容易に想像がつく」
「問題は物質どころか霊体も遮断するという事」
「このままでは追いつけない、どうするか」
「結界を壊すか? いや、そんな必要はない」
「結界の端と端の距離を殺せば、通り抜けられる」
「問題なく中へ進入した」
「結界を抜けると竹藪だった」
「周りを見渡しても、竹、竹、竹」
「どう進めばいいかわからない、が」
「進み方はわからないが問題ない」
「ワタシの目的は『幼児』、ただそれだけ」
「ゆえに『幼児』の気配を追いかければいいのだ」
「伊達にこの数年『幼児』を見守り続けたわけではない、今のワタシならどれだけ離れたとして『幼児』を見つけ出せるという自負がある」
「そんな自負とともに、『幼児』の気配を追いかけて、暫く行けば、そこには……」
「みょうな建物があった」
「なんというか、言葉にするのなら、大きな和風建築の古びた新築の家屋といった感じだ」
「なんとも言えぬ違和感を覚えるが、そんなものはどうだっていい、大切なのは『幼児』だけだから」
「ワタシは挨拶もなく、無断で家屋に立ち入る……いや、そもそも当時のワタシには聞く口は持っていなかったか」
「広い家だが、やはり迷う事なく『幼児』の気配を追う」
「そして、着いた先は、布団に入っている『幼児』とそれの看病をする長い白髪をした若い女が居た」
「あの老婆はいない……いや、姿は違えど気配は同じ……」
「詰まる所、あの老婆の正体がこの若い女、という事なのか」
「今ひとつ。確信できない」
「それは女の頭の上の空間だ、なにやら時折揺らいでいるのだ」
「だが、そこから下は一切揺らいでいない」
「だからイマイチ確信できない……おそらく今の若い女の姿が正体で間違いはないとは思う、その上で何かを隠しているのだ」
「と、ワタシが首を傾げていると、女の視線がこちらを向く」
「『バケモノが……こんなところまで追いかけてきたか』」
「バケモノと呼ばれても全くの異論はなく、ぐうの音も出ないが……(おそらく)自分の住処をこんなところというのはどうなのだろうか」
「そして、口をきかないワタシはどうすればいいのか」
「それは誰にもわからなかった」
怪奇『消える老婆』とあの辺りではたぶん 伝説になってる。




