30話 異世界の誘い手 〜 命名者:『GIFT』さんマジGIFT(独) 〜
短かったので、おまけ付きです。
ねぇおじちゃん、今日もお休みなの?(ご挨拶) はーくんだよ?
前回のあらすじ
・あれから数年……。
・シーぽん様がみてる。
・やばい、異世界への誘い手だ!
まったく車に轢かれただけで死にかけるとは……あの頃のみじゅくには目をおおいたくなるね!
まあ今なら、たとえ異世界への誘い手が合掌でも5連打でも無傷で切り抜けられるんだけどね! ホントだよ? ホントにホントにホントにホントなはーくんでした!
「正しく油断だった」
「『幼児』への危害など人によるものだけだと、なぜ思ってしまったのだろう」
「鉄塊を、多大なる質量を止める事など『死』には不可能だった」
「鉄塊は『幼児』を跳ね飛ばし、轢き、踏み躙り、その事に躊躇する事なく暴走り去っていった」
「ワタシは久々に『死』に身を委ねることとなった、抗いはしない、ワタシも同じ思いだから」
「『死』がワタシを動かして、遠くに暴走る鉄塊《 を追いかける、一歩踏み出し、鉄塊の正面に躍り出た」
「あり得ない、そうこれはイカサマだ。何をしたのかと言えば、ワタシの行く手を阻む邪魔な障害を殺した、たったこれだけ、簡単だ」
「さて、追い越したはいいがどうしたものだろう、鉄塊は自動車だ、だから運転席へと近づき、そこから運転手を眠らせる……もしくは呪いをかけるか、できることはそれくらいか、だがそれだけで、ことは済むだろう」
「しかし、そのワタシの考えとは違い、その場から一歩も動かずに両手を掲げ、大鎌を創り掴み、振り下ろした……すると、」
「正面の鉄塊が、速度が、運転手が、地面が、時間が、凍りついていた」
「そのまま、運転席に近づく」
「凍りついてはいるが運転手はまだ生きているようだ」
「大鎌を振り下ろした」
「運転手は眠りについた」
「大鎌を振り下ろした」
「運転手の眠りは深くなった」
「大鎌を振り下ろした」
「運転手は深い眠りについている」
「大鎌を振り下ろした」
「運転手は……」
「大鎌を振り下ろした」
「運転手……」
「大鎌を振り下ろした」
「運……」
「大鎌を振り下ろした」
「大鎌を振り下ろした」
「大鎌を振り下ろした」
「大鎌を振り下ろした」
「大鎌を振り下ろした」
「……」
「大鎌を振り下ろした」
「運転手は永い眠りについた」
「そして、ワタシの身体の自由が戻った」
「なんとなく、自分の両掌を開け、見つめた」
「ああ、そういえば……」
「初めて『生』以外のものを手にかけた」
「だが、その事にワタシは……」
「特になんの感慨も抱かなかった」
「ああ、いや一つだけある」
「『なんだ、こんなものか』と」
「それからすぐ『幼児』の元へと跳躍び戻った」
「1〜2分程度の時間で済ませたとはいえ、『幼児』を放置してでも優先するようなことではなかった」
「そして、戻った時に見たものは、酷いものだった」
「『幼児』はズタボロになっていた、あちこちがひしゃげ、ところどころ飛び出している……だが、生きている」
「その事に安堵し……そして、後悔した」
「なぜ、すぐに駆けつけなかったのか、何故こうなる前に止められなかったのか……」
「先の事で拡張た『凍り』の力があれば……いや、悔やむのは後に」
「今は、出来る事をしよう」
「『幼児』に歩み寄る」
「大鎌を振り下ろし──傷を殺した」
「大鎌を薙ぎ払い──病魔を払った」
「大鎌を袈裟斬り──死を遠ざけた」
「これで出来る事はした」
「しかし、これでは傷が治っても欠損が残るだろう……そう思うと悔やんでも悔やみきれない」
「なんとなしに、周りを見渡す」
「すると、こちらを遠巻きにしている人間達が、気味が悪そうな視線をよこしている……ゴミどもが、さしずめここは掃き溜めか」
「だとすれば、掃除でもしようか……ワタシは八つ当たり気味な行動に出ようとしていた」
「『アンタ達寄ってたかって、何してんだ!』」
「その声が聞こえなければ、の話だが」
閑話 『GIFT』の副産物
「そういえば、ハル」
「なに?」
「日本の、人達の、髪の色、眼の色、これ、どう思う?」
髪の色に眼の色?
「なにか変なことあったかな?」
「いいから」
今日のシーぽんはなんかみょんな事を言うなぁ。
※ 妙な 或いは ひょんな の意。
「赤、青、黄色、桃色……あと緑、とかかな? まあカラフルだよね」
昔は緑の髪を見たことがなかったから、ネーちゃんの髪を見て興奮したのを覚えている……それがのちの惨劇となるとは……。
「うん、だよね……」
「それがどうかしたの?」
「うん、実は、ワタシが、出現まれた、時には、そんなの、なかった」
「え?」
「染めたり、したら、別だけど、大体、地毛は、黒髪、そして、黒眼」
「マジで!」
ええ、みんな黒なら、区別するのが面倒だよ……あ、だから髪を染めてる人がいたのか。
「昔の、ドラマ、映画、見てみれば、いいよ」
「おー」
そう言えば、むかしの作品で日本人の特徴で黒髪黒眼、ってやけに強調されてることがあったような?
いや、現在でもたしかに黒の比率は多いような気も?
「実はこれ、『GIFT』が、出始めて、から、増えた」
「『GIFT』持ちはカラフルさんなのか……あれ? 非能力者の人でもカラフルさん結構いるよ?」
「うん、たぶん、それ、芽が、出なかった、人達」
「ん〜、人口の10分の1くらいが能力者だけど、力のカケラ持ちはそれ以上にいる、ということなのかな」
「そうだと、思う」
「もしかした、無能力──いや非能力者が追い詰められて覚醒する、みたいなロマンな展開が世の中にはあるのか」
「もしくは、ある日、とつぜん、凶暴化する、人達」
「アレそういうことだったの!?」
※『GIFT』持ちの黒髪もいるので、黒髪=非能力者にはならないので、カラフルさんかどうかはあまりあてになりません。
あ、28話のあとがき
ドイツ語:毒
↓
独語:毒
の方がわかりやすかったかも。




