29話 土曜32時枠 〜 命名者:変身ヒーローモノだったけど、主人公のデザインが明らかに悪役だったし、変身シーンもグロかったよ! 〜
急に(過去話の)時間が飛びます。
お早う御座います、今日は今晩は、はーくんだよ!
あはっ、こうしてみるとこのあいさつの有用性がわかりやすいね!
ん? 今日晩はの方がいいかな? う〜ん……まぁ、適宜つかいわけてくれ給へ。
あすらじ
・謎の概念からの能力、その名『GIFT』
・なかったことになって人々の記憶には残っていないが、その心には残っている!
そういえば、家族化の儀式として接吻相撲で前後不覚にしつつ、活性龍血(龍気を溶かしこみ魔力と気力を反応させて活性化させたオレの血液)を飲ませてるわけだけど、なんか変な効果とかあったりして……まあ栄養豊富ってだけで、それ以外はきっと気のせいかな? オレ、昔はともかく今は『概念』の到達位階は持ってないからなんでもないはず。
すこしだけ気になるはーくんでした!
「ま、そんな感じの世界情勢となっている」
「ワタシが出現まれた周回とは大分趣が違っているように思える」
「え、どんな感じだったのか?」
「うん、なんて言うか、平和で普通の……あれ? あんまり印象に残ってないな」
「むむ、えーとあれだ、ハルが生まれる前に出てた映画とかドラマなんかを見れば、どんなだったかがわかるんじゃないかな」
「知っているワタシはともかく、知らない人々にとってはあり日を境に世界が変わったようなもので、でもその事を既に受け入れている状態になったんだ」
「色々とその事を考察した議論が飛び交って、それをモチーフにしたフィクションが多く出された」
「宇宙人に支配された地球とか、異世界と融合した世界とかそんな作品がゴロゴロ出てたよ」
「ハルが子供……もっと小さかった頃にもまだ流行りは廃れてなかったと思うけど……」
「え、土曜32時枠の特撮に夢中だった?」
「ええ……1日って24時間だよね?」
「明らかに朝に放映する内容じゃなかった? だから1季節で打ち切りになった……って、本当に好きだったの?」
「たった1季節で半吸血鬼のロリっ子属性持ちを大量生産した伝説の作品? 噂では深夜帯で1季節の予定だったから、時間以外は予定通りだったらしい? なにそれ……」
「なんかそう言われると気になるな……」
「こほん、その話はまあ後にして」
「ワタシは『幼児』の経緯を知り、そして『生』であった事を知った」
「『死』の対ではなかったとわかったが、対の『生』が押し付けられた事が気になる」
「いつか『死』は『幼児』を手にかけてしまう……そんな恐れが頭から離れない」
「だから、ワタシは『幼児』と一緒にいるべきでない」
「そうわかってはいるが離れがたい、この温もりを忘れたくはない」
「そんな思いを振り切り、決断する」
「もう『幼児』とは顔を合わせない!」
「そして、万が一『幼児』がワタシを探してしまわないよう、ワタシの事を忘れさせるべきである……」
「そんな事ができるのか? 忘れる、それは記憶を深く沈み込ませる事、眠らせる事」
「故に出来る。『死』とは『眠り』、ワタシとの記憶を眠らせる」
「眠っている『幼児』の頭に手を触れて、『眠り』の力を使う」
「手応えはあった……あとは『幼児』を家の近くに置いておけばいいか……」
「この時のワタシはこう思っていた」
「ハッキリ言ってこの時のワタシは常識というものがなかった」
「そして、今にして思う、そのままさらっておけばよかった、と」
「数年が経った」
「それからワタシと『幼児』は一度も顔を合わせる事はなく」
「『幼児』が外出する時は距離を置いて見守り、ゴミがあったらそれとなく排除した」
「『幼児』は二足歩行の獣に進化し、言葉を発するようになっていた」
「『幼児』はどういうわけか、夜が明けると。毎日のように1人で外出し、日が暮れるまで時間を潰し、家に帰った」
「ワタシはそれを見守り、帰宅したのを見計らって、移動する」
「幼児と決別してから、ワタシは『怨敵』を捜していた」
「ずっと、捜していたのだが手掛かりすらない」
「今は『怨敵』が『幼児』の妹だとわかっているけど、当時のワタシは知るようもなかった」
「見つからないのも当然だ、『幼児』の家にいる」
「だがワタシは一度だって、そこへ足を踏み入れる事はなかった」
「『幼児』が家族と睦まじく過ごしていると考えていた、それを見たらワタシは嫉妬せずにはいられないだろう、そして嫉妬はやがて憎悪となり『幼児』の家族に手にかけてしまうかも知れない…….だから、『幼児』の家族はずっと見たいようにしていた」
「もっと早く勇気を出せばよかったのだ、そうすらば……いや、過ぎたことか」
「ある日、いつものように『幼児』は外出した」
「この時のワタシは油断していた、同じような日々が続いていたから」
「だが、それに気づいていたとしても、ワタシに防ぐ事ができたのか……」
「その日、『幼児』が車に轢かれた」
決別!(離れるとは言ってない!)




