13話 セタたん 〜 死神:はなしを、きいて。 〜
こいつまたモノローグしてるな。
おはざっしゅ(2回目)はーくんだよ!
不正な異世界転移だったため白い部屋から進めなくなったと言っても、まちがっていない状況なんだよ?
白い部屋に来て神様にあったあとは、テンプレだとチートスキルもらって異世界にハローワールドするんだけどなぁ。
事故死して、転生詫びチートルートに舵きりするウルトラCだよ? すごいや女神さま。
まあ直感的にオレのカラダがいい加減限界を超えた限界に達しそうだったので、どこかでなにかしらのテコ入れが必要だったと感じる。
あるいはカラダに意識がある状態で、死因である創世神拳奥義過剰回復拳を受けていたらオレの精神がいい感じにフワッと受け止めてめでたく身魂ともに健康体になって、呪いがとけて、身長が伸びて、学力も上がり、モテモテにぬって、宝くじが当たり、いまではわたしがおじいさん、って感じになっていた──オレの直感がつげている。
ちなみに身長が伸びて以降はウソだよ。
水清ければ魚棲まず、なんていうし、当たりすぎる勘なんて気味悪がられるからウソをまぜてるんだ。
うまいことやりくりした、やすくていい商品があったとする。
でも安すぎると、お客これは訳ありに違いないとゲスの勘ぐりをして勘違いし売れなくなるので、多少ボッタほうがいいんだ。
逆に強気な値段設定にしたら、コレハヨイと売れ筋商品になることもある。
世の中がウソを求めているので仕方がないのである。悪貨が良貨を駆逐してもWINWINなんだ。
実際は客は高値で買って、売り手は方針変更させられて、LOSELOSEかもしれないけど気にしちゃダメだよ?
あれ、なんのこと考えてたんだろ?
そうだ、今じゃないIFを考えていたんだ。
もしあの時、おなかが空いてなったらオレはなんの問題もなく女神さまに治療されていた……うん、死んだオレって、いつでもハラペコだったね、ハラペコの度合いに強弱があるだけで。
まあ、多少ムリがあるけどいいや……そのたえがたいハラペコをガマンして治療を受けた。
身魂ともに健康になって呪いもとけたよ! じゃあチートスキルだ──あれ? なんで女神さまがチートスキルをくれるんだろ?
現状で詫びチートをもらうのならわからなくもないけど、ただ迷い込んだだけでチートスキルもらえるのかな──くれそうだよね。
なんかはりきってスキルをくれようとしていきおいあまって全力全壊な女神さまに、なぜベストをつくしたのか? って展開が目に見えるね、意識だけ残して消えちゃいそう。
種族確定! 『不明 特異精神種(超越種) 』ってなる感じかな? まったく治療の甲斐がないね!
運命……オリジナルが死ぬのも運命なのだよ。
オリジナルが己の生き死にを自由にしようなんておこがましいとは思わんかね……。
死亡確認!
やめろォ!(建前) やめろォ!(本音)
「ハル、ハル?」
はっ!
「だい、じょうぶ?」
「だいじょーぶ……オレはしょうきにもどった!」
「なに? 一時的、正気?」
……? 一時的狂気のまちがいかな?
「もしかしてふだんはおかしい人と思われてるのかな」
「……」
オレの質問に沈黙でこたえるシーぽんさん。
無言でオレにもたれかかってきて体重をかけるシーぽんちゃん。オレの両肩の上からシーぽんの両手がだらりと垂れてくる、首の横からシーぽんの頭が!
というかシーぽん正直にいってかるいよ。もっと太るべきだ。
「もっと太ったほうがいいよ」
「ハル!」
おこられた、なんで?
ちなみにやせてる人が太るのもダイエット、無論健康的にね。
「もう! もう!」
誤解は解いたけど、まだちょっとプリプリしてるシーぽんさんでした。
「だいじょーぶ? お腹なでる?」
「しない」
「そっかー」
「なんか、ワタシが、本題、はなすの、妨害、してない?」
「ソンナコトナイヨー」
うん、そんな事実は存在しないんだ……きっとすべてはかなしいすれ違いなんだよ?
「うん、もう、様子見。しないで、はなす」
「わかった、外に出るときにキグルミをきる理由だね?」
「ちがう」
ちがったらしい、キグルミは色々便利なのになぁ。
変身の適性が皆無なオレは外骨格での強化に着目したんだ──えらばれたのはキグルミでした。
普通の外骨格は動かされてる感じがしてイマイチだった──色々と試したけどしっくりこないのでボツかなー、とふざけて用意したキグルミを着ておや? と思い、試しに龍気を流し込んで強化してみたら──ムダにしたオレの時間は帰ってこない、最初からこうしておくんだったね?
ただ、強化すると、なざかまっくろいイヌみたいなキグルミに変貌する。
初期のポリゴンゲームみたいなカクカクした感じのデフォルメがなされたイヌをベースに、がんばってウサギのように伸ばした三角のイヌミミと、努力してキツネのように大きくしたイヌシッポと、とってつけたようなシカのようなツノとコウモリのようなハネ。目は白一色の丸であらわされ、口は四角くなっている。
オレの意思に従って口と手指は開閉するのでモノを食べたり、なにかをつかむという事もできる。
ただしゃべれないので、クビからプレートを下げて、手にはプラカードも持っている、使わないときには背中にさせるようになっている。
そのなゆるキャラめいたイヌの名前はセタたん。
これはオレの名前の青の字をバラすとできる、生と丹という字を、生丹と読み、デフォルメされた姿なのでセタと略して、たんをつけて愛称めいた響きにした。
話を聞かせてもらった! ハル→青→生丹→セイタン→サタン、つまりはーくんはサタン! 魔王だったんだ!
な、なんだってー!
結果的にセイタンとセタたんで一文字しかちがわない結果になった事を深くおわびします。
さて、そんなセタたんだけど、最近は練度があがり、なんとキグルミを犠牲にしなくても無から装着できるようになったんだ! どこでもセタたんになれるよ、やったね!
ちなみにオレがつけているエプロンにはライトブルーの生地にカトキ立ちするセタたんがえがかれているんだよ!」
「ながい!」
途中から声に出てたみたいだ、てへぺろ。
「あ、直感さんから、少々不安だが、まあ今なら聞いてもだいじょうぶ? 的なサムシングを受けとったから、多分はなしてもだいじょーぶだよ」
「え」
オレはここでスキルとして直感を得る前からも、そういった直感がはたらくときがあった、よくわからないけど聞くべきでない知るべきでない内容だわものすごい警鐘をならすんだよね。己のことを知ろうとするとたいてい、今は知るべきでない、と直感さんが警笛を吹いてくるので己よ出自をイマイチ知らない。ヴィオラあたりが気を利かせて調べてそうだから、そのうち聞いてみよう。
シーぽんの言う本題はたぶんオレのことなんだろうねー?
ちなみにセタたんのキグルミは上げ底で頭も大きいので、全長180センチ。これには身長139センチのおチビもニッコリ。




