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2.側妃1

「なんですか!あの非常識な女は!?」


「まったくです!ブランシュ様は国賓だというのに!!」


「無礼にも程があります!」


 この国に一緒に来てくれたメイドたちが口々に言う。

 国賓の意味を理解していないかのような振る舞いはこの国の品位を下げるものでしかありません。

 そういえば……。


「結局、あの少女は誰だったのかしら?挨拶一つされなかったから名前も分からないわ」


「ブランシュ様、それなんですけど……」

 

「どうかしたの?」


 何か言いづらそうな表情を浮かべるメイドたち。

 一体どうしたのかしら?

 失礼な少女は見た目は豪華な衣装を身に付けていたから、もしかすると本当に側妃の誰かだったのかしら?


「例の無礼千万の女の名前はミレイと申しまして……この度王太子殿下の妃の一人になった方でございます」


「あら?やっぱり王子の妃だったのね」


「はい。それも正規の手段で妃になった訳ではないようです」


 メイドたちから詳しく話を聞けば、暴言をこれでもかと吐き散らした少女の名前はミレイ・マルテス。男爵令嬢でありながら王太子に見初められ側妃となって半年程経つという。しかも王太子は元々の婚約者である公爵令嬢との婚約破棄を宣言した上で彼女を選んだというではありませんか。どこかで聞いた事のある話です。あ!私だ。数年前に起こった私の状況と似通っています。嫌なことを思い出してしまいました。


 この国の公爵令嬢は婚約破棄を宣言されただけで私のように冤罪裁判は起こらなかったようですが。まぁ、私のケースは特殊過ぎますからね。そうそう起こる様なものではないでしょう。…………多分。


「それで、そのミレイ側妃は一体どんな人なの?」


「はい。それが……。あまり良い噂を聞かない方でして。身分が低い事もありまして、当然、正妃には選ばれておりません。しかも王太子殿下の寵愛が凄まじく側妃でありながら正妃同然の振る舞いをなさっているとか。王太子殿下の宮殿を我が物顔で闊歩しているとの噂です」


「それはまた……。でも納得だわ。あんなに傍若無人な態度を取れるのは王太子殿下の寵愛を受けているからなのね」


「はい。側妃を諫める者は王太子殿下に解雇を言い渡されると聞きました」


「そうなのね」


 思った以上に酷い状況のようだわ。側妃になったとはいえ、そんな態度を取っていて良いものなのかしら?王太子は飽く迄も「立太子」しているだけに過ぎません。唯一人の王子と言う訳ではありませんし、自分の行動が王太子の不利益に繋がるとは思わないのかしら?

 王太子殿下の身分だから盤石だと考えているのかもしれませんね。だから身分が低くても寵愛を受ければやりたい放題ということですか。底が浅いというか。あの様子からして物事を深く考えるタイプではないでしょう。


「今、社交界ではミレイ側妃の噂で持ちきりです。この国の国王陛下も王太子殿下の行動には頭を悩ませておられるとか。最悪、廃太子の話もあるのではないか?との噂も出ています」


 時間の問題と言う事かしら?

 下に二人の王子がいるのだから、早く廃嫡した方が国の恥をこれ以上世間に晒さずに済むというもの。

 

「廃嫡になったとしても、それは王太子殿下の自業自得だわ」


 私が思わずそう言えば、「その通りでございます!」と同意してくれたメイドたちの言葉を最後に話は終了となりました。




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