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1.新たな舞台

「その人は悪女よ!」


 甲高い声がその場に響き渡りました。


「皆、騙されちゃダメ!!」


 周囲の空気が凍り付きました。

 それも仕方がないでしょう。


「私、知っているのよ!この人は犯罪者なの!!」


 会場の雰囲気は最悪で、一気に気温が下がったように感じました。


 それにしてもおかしい。

 王国崩壊と共に私の冤罪事件の真相も発表されて名誉回復している筈なのですが……。


「この人のせいで一つの国が滅ぼされたのを知ってるんだから!!!」


 ビシッ!と音がしそうな勢いで少女は私を指差します。

 人に指を向けるのは良くないですよ?そう習わなかったのでしょうか。この場に居るという事は貴族階級の少女で間違いないでしょうがマナーがなってませんね。情報も古いですし。最新の情報を得ていないのかしら?……というより、国を滅ぼすって何のことでしょう? 私はただの公爵令嬢です。国を滅ぼした悪女って……傾国の美女と勘違いしてませんか?国外追放になった身で一体何ができるというのでしょうか?彼女の頭の中の私は超人か何かですか?


 

「な、なんと無礼な!」

 

「いくら妃殿下とはいえ、言って良い事と悪い事がございます!」

 

「ブランシュ様に対して失礼ではありませんか!!」


 口々に非難の声が上がり始めます。

 えーっと、これはどういう状況でしょう?

 

「ふんっ!皆が言わないから私が言ってあげたの!感謝して欲しいくらいだわ!」


 ドヤ顔で言い放つ少女に周囲は呆気に取られています。分かりますその気持ち。勘違いが激しいにも程があります。彼女には周り状況が目に入っていないのでしょうか。微妙な空気なのに。そんな周りの反応や空気など気にせず、暴言を吐き続ける少女は駆け付けた護衛騎士に止められ退場していきました。

 連れていかれる間も「なんで邪魔するのよ!?」「私を誰だと思っているの!」「私は間違いを正そうとしただけよ!間違ってる?ふざけないで!私は間違ってない!間違っているのは皆よ!皆、騙されているのよ!」と、叫び続けていました。


 嵐のようでした。

 本当になんだったのか。


 ただ当然というべきか気まずい空気が流れています。


「「「申し訳ございません!!」」」


 私は会場にいる貴族の全員ではないかという数の方々から謝罪されました。


「お見苦しいところをお見せし、申し訳ありません」


「あのような非常識な態度に気分を害された事でしょう」


「ですが、あれはお気になさらないでください。彼女の言う事は全て出鱈目なのは分っております」


 一斉に謝罪の嵐です。


「いえ、気にしてませんわ」


「ありがとうございます」


 まぁ、謝られたところで許すかどうかを判断するのは私ではありませんので困りますが……。個人的には気にしてません。ええ、個人的には。彼らもその事は理解している筈です。それでも謝らないよりはマシでしょう。これでも私は『国賓』ですから。国賓でなくても酷い態度でしたけれど。それにしても、あの少女は結局誰だったのでしょう。 


 皆様、言葉を濁していました。

 『妃殿下』という言葉も気になるところです。

 この国に王子は三人いらっしゃいますが、そのうちの誰かの妃でしょうか? 

 結婚したという報告は受けていませんか、もしかすると側妃の可能性もあります。国によっては側妃を複数持つ所もあるのですから。

 あの方は正妃には見えませんでした。

 もしかしたら側妃の誰かなのかもしれませんね。



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