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好きな近所のお姉さんが風邪を引いたので、女子高生がお見舞いにいったら、いつのまにか乳首当てゲームに発展してしまう  作者: FK


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2/2

翌週のお返し


 翌週の火曜日、今度は私が倒れた。


 朝、目が覚めた瞬間から頭が重く、体がだるい。そういえば、前の晩から、喉に違和感があったようにも思う。

 熱を測ると三十八度五分。喉は完全に腫れ、関節がきしむように痛い。

 学校を休むと母親に伝え、布団に潜り込んだ。両親は近所で料理店を営んでいて、朝から店に出てしまう。家には私一人になる。


 午前中は、ほとんど眠っていた。

 時折、熱でうなされながら、先週の真冬さんの感触を思い出してしまって、余計に体が熱くなった。

 いや、本当は、土曜の夜から、何度も思い出していた。

 真冬さんの、汗の匂いを。熱を持った肌の柔らかさを。背後から抱き寄せたときの、広い背中の感触を。

 あんなこと……してしまった。

 全部が、鮮明に蘇る。

 目を閉じると、真冬さんの白い肌が浮かぶ。

 小さく尖った先端。

 あの硬さ。

 あの甘い声。

 ぼんやりした頭の中で、感触が何度も再生される。まるで、今でも指先がそこに触れているみたいに。

 触っていた。あんなに敏感な場所を。


 午後近くになって、インターホンが鳴った。

 最初は配達か何かだと思って無視しようとしたけれど、何度も執拗に鳴るので、仕方なくふらふらと起き上がった。

 ドアを開けると、真冬さんが立っていた。少し疲れたような顔で、でも手にはスーパーの袋をしっかり持っている。ペットボトルやら何やらが透けて見える。

「真冬さん、どうして、……」

「透湖さんが風邪をひくとしたら、そろそろかと思いまして。お母さんのほうに聞いたら、やっぱり今朝から具合が悪いと。それで、お見舞いに来たんです」

「……すみません。お休みの日に」

「わたしがうつしたんですから、責任は取ります。上がらせてください」

 真冬さんは上がり込むと、すぐに私の部屋に入ってきた。袋からスポーツドリンクと栄養ゼリー、レトルトのおかゆ、それと熱冷ましシートまで取り出す。

 私が持っていったものと同じような内容だ。それを見て、なんだか、急に泣きそうになった。

「先週のお返しです。透湖さんがしてくれたこと、ちゃんと覚えてますから」

 私はベッドの上で小さくなった。

 先週の自分がしたことを、またしても鮮明に思い出してしまう。……全部が、熱の中で混ざり合ったようになる。意識が少し遠い。真冬さんの姿が、部屋の中で少し揺れて見える。

「今日は、私がやります」

「えっ」

「汗、かいてますよね。透湖さん。熱があるのに、パジャマのままじゃいけません。着替えましょう」

 それを聞いて、とたんに跳ね起きた。

「や、やめてください! 自分でやりますから!」

「嘘です。熱のある人が、自分でちゃんと拭けるわけないでしょう」

 真冬さんはわざとらしく微笑むと、席を立った。

 洗面所のほうから、水音が聞こえてきた。それから、ぬるま湯の入った容器を持ってくると、持参してきたらしい真新しいタオルを出し、淡々と用意する。

 声は穏やかで、優しい。けれど、その手付きは確実で、容赦がない。

 抵抗しようとしたけれど、体が言うことを聞かない。

 結局、後ろを向いたまま、パジャマの上着を脱がされてしまった。

 普段は下着で抑えられているものが、空気の中にむき出しになる。脂肪の塊が重力に従って揺れ、恥ずかしい。

「背中から拭きます」

 瞬間、真冬さんの手が優しく、でも確かに、私の肌に触れた。

 大きな手だった。

 いつもお店にいる時は休むことなく動き、時には力仕事もする手。

 それが、汗で湿った私の背中を、丁寧に拭いていく。

 その感触が気持ちよくて、思わず体が弛緩する。

 ぬるま湯の温度と、真冬さんの体温が、混ざり合って私の背中から伝わる。真冬さんの匂いが、後ろから漂ってくる。先週とは違う、いつもの真冬さんの匂い。でも、ふだんより密着しているから、それが濃い気がする。


(あ……これ……)


 匂いに記憶を刺激されて、切ない気持ちでいっぱいになる。

 しかも、この前とは立場が逆だ。

 熱とどきどきで、意識がふわふわする。

 真冬さんの手が、背中をゆっくりと撫でるように動き続けている。汗を吸い取ったタオルの水分が蒸発するたび、肌がひんやりとして、気持ちいい。

 指の腹が、肩甲骨のくぼみを丁寧に辿る。その感触が生々しい。

「透湖さんは……私と違って、わかりやすいですよね」

「……何がですか」

 答える代わりに、真冬さんの指が、私の脇の下から胸の横へ滑った。

 重みのある膨らみが、揺れる。

「ちょっ……!」

 抗議をする間もなく、背後から抱きすくめるようにして、彼女は私の体を固定した。

 両腕で私を抱きかかえる形になり、胸が背中に軽く当たる。

 吐息が耳にかかり、くすぐったくてつい、ぞくぞくと鳥肌が立つ。

「透湖さん、先週ずいぶん、迷っていましたよね。どうしてですか?」

「それは……」

「ふふ。わかってますよ。それにしても、私と違って、透湖さんはどこに気をつけて拭けばいいか、本当にわかりやすいですね」

 そういうと――

 タオル越しではなく、人差し指の先が直接、私の左右の突起の周りに正確に円を描いた。

 触れないように、でも、意識させるように。

「…………っ!」

 私は、思わず出そうになる声を殺した。

 真冬さんの指は、先週私が彼女にした動きを、完璧に、しかももっと上手に真似ている。当てないようにしながら、当てる場所を把握している。

 真冬さんの手が、私の胸を包むように動く。膨らみが、大きな手のひらに収まる感触。

 硬く尖っていくのが、自分でもわかる。

 真冬さんの指が、そこを意識させる。

 熱のせいだ。

 そう、自分に言い聞かせる。

 でも、体の奥が、熱とは違う疼きでどんどん切なくなる。

「……あの、真冬さん、もしかして怒ってます?」

 ふと気になって、訊いてみた。

 先日の私は、調子に乗りすぎていたのかもしれない。

 看病の名目で、興味本位なことをして。

 だったら、謝って、許してもらわないと……でないと、もっと大変なことになるかもしれない。

 やや沈黙があった後、

「……いえ、怒ってはいません」と真冬さんはいった。「これは、ただの看病ですから」


 抵抗を諦め、身をゆだねていると――ふと、以前ネットか何かで読んだ、文章のことを思い出した。

 性的な接触では、敏感な箇所にいきなり触るより、その周辺から念入りに触れていったほうが、かえって興奮が高まるらしい、という話だった。

 ……と、いうことは。

 恐ろしい可能性に思い当たる。

 先週、看病のつもりで試行錯誤していた自分の行動は、かえって真冬さんを煽る結果になっていたのではないか?

 私が丁寧に輪郭をなぞればなぞるほど、真冬さんの体は敏感に反応し、甘い声を漏らしていた。

 避けていたつもりが、一番効果的な刺激を与えてしまっていたのかもしれない。

 その事実に、ゆっくりと思い当たる。

 自分が無意識に、真冬さんの身体を、そんなふうに弄んでしまっていたなんて。


 真冬さんは、指をさらに執拗に動かす。

 左右の先端を交互に意識させ、時折、胸全体を優しく揉むようにタオルを滑らせる。ふだん重いだけの脂肪が、手の中で変形する。

 私は声を殺そうとして、かえって甘い息を漏らしてしまう。体が熱い。

 熱のせいか、興奮のせいか、もうわからない。下半身まで熱くなっていくのがわかって、恥ずかしい。

 股の間が、じんわりと熱を帯びてくる。

「……あのっ、さっきから、なんで、ずっと、同じとこばっかりっ」

 切れ切れに言葉をぶつけると、

「うーんと」空とぼけた声が返ってくる。「拭いても拭いても、汗が出てくるからです。どうしてでしょうね」

 ぜんぶ、病気のせいだ。

 熱が、私の中の抑えていたものを、表面に押し出してくる。

 真冬さんの小さな胸を、先週触ったときの感触が、頭の中で蘇る。

 あの熱さ。あの甘さ。

 今度は、自分が同じように責められている。こんなふうに触られている。体の奥が疼く。丁寧に撫で回されるたびに、先端が内側から膨らんでいくのがわかる。避けられているのに、避けられているからこそ、疼きが深くなる。ネットで読んだ通りだった。周辺を念入りに触られるほうが、よっぽど酷い。

 もう、いっそ、直接触ってほしい。

 こんなの、頭おかしくなる。


「あのっ、真冬さんっ」

「どうしました?」

「もう、触ってくださっ」

「触ってますよ?」

「そうじゃなくてっ! あのっ、そこっ……」

「どこです? いわれないとわかりませんが」

「……いわせたいんですねっ」

「わたしは別に、困らないので」

「それは……ち……」

「もっとはっきりと」

「……私の、乳首ですっ」

 

 とうとう、いってしまった。

 恥ずかしさで死にたい。

 

「透湖さん。……それはできません」

 予想外に、真冬さんの言葉は冷たかった。

「えっ……」

 急に、絶望的な気分に襲われる

「だって、そういうことはふつう、恋人とするものですよね」

「……じゃあっ、今のこれはっ、なんなんですかっ」

「これは単に、お仕置きです」真冬さんの言葉に、嘲りが混じる。「……先週、他人の身体を勝手に弄んだ人へのね」


 ……うすうす、気づいていた。

 でもやっぱり、本当だった。

 いつも優しくて、格好よくて、楽しくて。

 そんな真冬さんが、こんなに意地悪だったなんて。


「真冬さんっ、私もうっ、本当につらくてっ」

 先端の周辺を、執拗に絞られ続けて、思うように話せない。

 涙の粒が頬を伝う。

「だから?」

「あのっ、謝りますっ、ごめんなさっ」

「……はあ」

 太い溜息が、耳にかかる。

「恋人でもない人にそんなことを頼むなんて……」

 まるで、息を直接、

「透湖さん、案外……」

 脳の中に流し込まれているみたいに。


「えっちなんですね」

 

「~~~~っ!」

 限界だったので、真冬さんの両手を鷲掴みにして、自分の胸に押しつけた。

 タオルの粗い繊維が、敏感な先端に無造作に触れる。


 瞬間、――

 行き場なく募った切なさが、激しく膨れ上がって、一気に爆発した。

 甘い雷撃がどっと下半身まで貫き、太腿が内側にぎゅーっと締まる。

 腰ががくがくする。

 お尻が勝手に跳ねるのを、真冬さんは力強く受け止め続けた。

 なすすべなく、身体が勝手に痙攣する。

 みっともないのに、痙攣に身を任せるしかない。

 しばらくすると――

 切なさが、全身から抜けていった。

 くたーっと緊張がほどける。

 ……と思うと、真冬さんは無情にも、手の動きを再開し始める。


「あのっ、真冬っ、さんっ」

「はい」

「あのっ、わたしっ、今っ、……んあっ、全身がっ、敏感になってるみたいでっ。もうっ、んっ、拭いてもらわなくてっ、大丈夫っ、ですっ」

「……そうですか」

 とつぜん身体を解放されて、ぐたっと前のめりに倒れた。

 得体の知れない甘い爆発の余韻で、意識が急速に遠のいていく。

 何が起きたのか、……生まれて初めての体験で、よくわからない。

 ただ、すごく切なくて。すごく熱くて。

 腰の奥が、まだひくひくしている。

「……すみません。やりすぎました」

 真冬さんが、申し訳なさそうにいった。


 それから、腕を上げさせられ、新しい生地が肌に滑り込んだ。

「ほら、透湖さん、万歳して。……はい、新しいパジャマ、着れましたよ」

 意識が遠のく中、最後に聞こえたのは、いつも通りの優しい声だった。


   *


 目を覚ました時、部屋は夕方のオレンジ色に染まっていた。

 真冬さんの姿はない。

 頭の重さはかなり引き、体中の熱もすっかり下がったようだ。

 ベッドから起き上がろうとして……私は、自分の身体に強烈な違和感を覚えた。

 いつのまにか、寝る前とは別のパジャマに着替えていた。

 上半身も、下半身も。下着まで。

 寝ているあいだに、新しくかいたのだろう汗を吸っていた。

 けれど、真冬さんが部屋にいた時のものとは違うし、自分で換えた記憶はない。

 枕元を見ると、スポーツドリンクと、真冬さんが置いていったであろうメモが残っていた。


〈今日は失礼しました。ちゃんと休んでください〉


 丁寧な文字だった。

 つまり――

 真冬さんは、私の全身を見たということだ。

 触れたということだ。

 下半身まで。

 一番、恥ずかしいところまで。

 全部。


 枕に顔を突っ伏して、思いっきり呻いた。

「……最ッ悪……」

 さっき以上の恥辱で、この世から消えてしまいたくなる。

 頰が熱かった。

 風邪のせいだけではない。

 真冬さんの指の感触が、まだ肌に残っている。

 先端を正確に捉えた、あの意地悪な動きが。

 耳元で囁かれた、穏やかな低い声が。

 真冬さんの匂いもまだ、布団に残っている。

 思い出すと……またじんじんしてくる。


(……次は、絶対に負けない)


 身体の奥が、もう、次を期待し始めていた。

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