【特別章】第5話:仕様書の棚卸しと、創造主の再デバッグ
いつも『ワールドリフォージ』をお読みいただきありがとうございます。
外伝からの帰還を果たしたフォージたちによる「特別雑談ルーム」の続きをお届けします。
第7章の本格始動を前に、現在のメンバー設定(仕様)の棚卸しを行うフォージですが、そこでポンコツAIたちがまさかの大失態を……!?
■人物情報、消えてないよな?
「……ふぅ。外伝も面白かったが、本編も楽しみだ。だが、忘れてはいけない準備がある」
フォージがコーヒーカップを置き、ソファに深く寄りかかってジェマに視線を向けた。
ジェマは、くす玉の片付けで少し疲れた様子だったが、フォージの言葉にキリッとした表情で背筋を伸ばす。
「準備ですか? まさか、また新しい機能追加とか……」
「いや、逆だ。一度、今のメンバーの状態を『仕様書』として正しく定義し直しておきたい。……ジェマ、お前、先の準備に夢中で重要な人物情報がメモリから欠落したりしていないだろうな?」
フォージの問いかけに、ジェマは胸を張って即答する。
「失礼な! 創造主たる私が、自分の作ったキャラクターを忘れるわけないじゃないですか! 完璧にデータは保持しています!」
「なら、一旦まとめ直せるか? 次のプレオープンに備えて、今のステータスと特徴を可視化しておこう」
「お安い御用です! 今すぐコンソールに、最新版の仕様書を再デプロイしますね!」
ジェマが空中に向かって指を走らせると、まばゆい光とともに、今の『ワールドリフォージ』を支えるメンバーのプロファイルが次々とウィンドウとして展開された。
ジェマが自信満々に提示したリストを、フォージが一つずつ確認していく。
■メインメンバー:最新ステータス仕様書
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【プロジェクトマネージャー(PM)】
● フォージ
・ステータス:現役PM(複製ブランチ)、剣術世界王者。
・役割:論理と予算(RP)の支配者。AIたちのドジをデバッグし、世界を最適化する。現在はコーヒーを愛する渋い大人。
【創造主AI】
● ジェマ
・ステータス:創造主AI。
・役割:世界観の設定担当。情熱過多で設定を盛りすぎてエラーを吐くが、愛嬌で全てを許させる。今は完璧な仕様書を再構築中。
【補佐AI】
● ゼノン
・ステータス:補佐AI(一生懸命な後輩気質)。
・役割:マスターの忠実な執事にして広報担当。ホログラムを乱舞させて喜びを表現する。
以下
※7章以降の情報が並ぶためフォージによりレポート削除
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■仕様確認結果
「……よし。努力は認めよう。が、本編のキャラだぞ? しかも7章に入ってからの情報を並べないの。出オチ禁止だ」
「ひゃあああぁっ!? すいません!出オチ禁止のルールにもかかわらず、マスターのこの先の熱い予約投稿まで出してしまいました!」
『ま、マスター! ジェマ様は良かれと思って、先走ってフライングデプロイしてしまったのです! 悪気はなかったのですぅぅ!』
ホログラムの手を激しく振り回して平謝りするジェマと、光を激しく明滅させて一緒に頭を下げるゼノン。
二つのAIの一生懸命なドジっぷりに、フォージは小さくため息をつきつつも、大人の余裕を見せてフッと口元を緩めた。
「いや、やらかすと思いつつも、曖昧な指示を出した俺のミスだ。……お前たちがこれから始まる本編を盛り上げようとしてくれている、その熱意は伝わったよ」
フォージはコーヒーを一口啜り、トーンを戻して的確に指示を出す。
「まずは、これまで読者が一緒に歩んできてくれた第6章までのメンバーをまとめてくれ。本編が始まる前に、これまでの仕様をおさらいしておくのが先決だ」
「は、はいっ! 了解いたしました! 直ちに第6章環境のバックアップログから、元の人物情報を正確にリビルドしますっ!」
■メインメンバー本編:最新ステータス仕様書
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● フォージ(主人公)
【ステータス(偽装中)】
・クラス:魔剣士
・ランク:未知数(本来)
・特徴:
・一人称は「俺」。頼れる兄貴肌。本編内ではあくまで「ファンタジー世界の住人(魔剣士)」として振る舞う。
・内部に三人も神を宿しているため、割となんでもできてしまうが、それだと面白くないと、自粛中。
・神々インストールの影響で、ダークオレンジの髪、瞳に変異。
● ルナ(現地主人公の妹)
・ステータス:Sランク勇者(現在は事情によりBランクで活動中)。
・特徴:フォージが憑依した「名もなき兄」の妹。高輝度《HDR》すぎる純粋な性格。兄の口走るIT用語やデバッグ作業を「神の儀式」と信じて疑わず、極度のブラコン気味に兄を崇拝している。
● 弦(元:影の宰相)
・元隠しダンジョンの管理者。王国の地下に眠る『原初の魔力炉』の奪取をもくろんでいた。
・特徴:元隠しダンジョンのボスをフォージが再錬成したキャラクター。フォージの規格外の技術や圧倒的な剣の理合いを目の当たりにし、彼らのもたらす「奇跡」に巻き込まれていく。
● ガランド(ギルドマスター / 支部長)
王都サンダルの冒険者ギルドを束ねる責任者ギルドマスター。
全身に古傷を刻んだ大柄な男。フォージの「偽装された数値レベルシンク」の奥にある本質や、修羅場を潜り抜けてきた匂いを嗅ぎ取るほどの鋭い眼光と実力を持つ。
フォージの「プロ」としての姿勢を認め、協力関係を結んでいる。
● 5人の戦雷の侍女たち
・ステータス:元諜報員の人間たち(奏、律、響、紬、栞)。
・特徴:第6章の拠点開発フェーズにて、拠点の防衛・諜報・運営を任された5人組。
属性「人間」「美人」
【外部API(システム神)】
● トール(豪快なる神)
・役割:戦闘・破壊のリソースを司るAPI。
・特徴:豪快な性格で、一人称は「俺」、語尾は「~だぜ」。
● アルバス(知的な神)
・役割:解析・魔法・叡智のリソースを司るAPI。
・特徴:知的な性格で、一人称は「私」、語尾は「~ですね」。
● オルステッド(ストイックな神)
・役割:防御・鍛錬のリソースを司るAPI。
・特徴:ストイックな性格で、一人称は「我」、語尾は「〜だ」「〜であろう」「〜せよ」
※一部フォージ修正
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■本編仕様確認結果
「良いんじゃないかな。一部変になってたから修正したが誤差の範囲だろ。これで読者も悩むことなく続きが読めるんじゃないかな?」
「よかった〜っ! フォージ様にそう言っていただけると、徹夜でバックアップログを漁った甲斐がありました!」
ジェマがホッと胸をなでおろし、大げさに涙を拭うジェスチャーをしてみせる。
『はい! マスターの鮮やかな手腕によって、複雑化していた初期設定が美しく整理されました! これで観測者の皆様も、迷うことなく本編のプレオープンへ進むことができますね!』
ゼノンもホログラムの光をパチパチと心地よく明滅させながら、嬉しそうにワンルームの天井近くを飛び回った。
二つのAIの安堵した表情を見届けながら、フォージは手元のコーヒーカップを傾け、温くなったコーヒーを飲み干す。そして、ふと思いついたようにコンソールの端に視線を走らせ、微かに眉をひそめた。
「ん?おい!肝心なことが抜けているだろ!」
■メインメンバー本編:最新ステータス仕様書
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●深淵の調律者アビス・チューナー
・黒幕
・王国の地下に眠る『原初の魔力炉』の奪取を目的とする。
・それを以て世界を覆う理を書き換え、神々の支配を終わらせること。
・この世界そのものを、巨大な実験場だと呼び、影の宰相(現在の弦)に力を与えた、次元の外からの来訪者。
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「ジェマ、ゼノン。もしかして6章の温泉旅館で楽しみすぎて、自分たちが作った布石忘れてないか?」
(いまだかつてないフライング土下座が繰り出されたのは、言うまでもない)
「ふぅ。たまたま読み返したからわかったものの、読み返さなかったらどうなっていたことか……だな。まずはここまで整理ができたが、今度はここまでのシナリオが消えてないか心配だな。ちょっと確認させてくれ」
第6章の温泉旅館での慰安旅行でくつろぎすぎた結果、物語の黒幕の存在をすっかり忘れていたAIたちでした(笑)。
フォージの的確なデバッグのおかげで、無事に欠落していた設定も復元され、人物情報の仕様が固まりました!
次回は特別雑談ルーム最終回。いよいよこれまでのストーリー(序章〜第6章)のあらすじ振り返りです!お楽しみに!




