【第6章】第13話:多種族の配属と、白亜の息吹
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最強のインフラの上に、外郭となる「白亜の城」を建築したフォージ。
あれから数日が経過し、いよいよ拠点となる城に、弦が選抜した優秀なスタッフたちが集結します。
荒れ狂っていた岩山が『神の湯』湧く極上のリゾートへと変貌し、その中央に白亜の城郭が出現してから、いくつか夜を越えた。
「お兄様、ただいま戻りました! 本日の探索ノルマ、無事に達成ですわ!」
夕刻。城の広大なエントランスホールに、ホクホク顔のルナが帰還してきた。
いくら彼女が強かろうと、大事な妹に何日もダンジョンで野営などさせるはずがない。「探索は日帰りのみ、残業は一切禁止」。それが俺の定めた絶対のコンプライアンスだ。
「おかえり、ルナ。今日も怪我はないな」
「はいっ! 今日もたっぷりDPを稼いできましたわ!」
ルナの頭を撫でて労っていると、脳内通信で弦の平坦な声が響いた。
『マスター、そしてサブマスター。ご指示いただいていた、旅館業務に適性のある人員の選抜が完了いたしました』
「ご苦労、弦。さっそく面会しよう」
俺とルナの前に、弦の配下であるダンジョン・ユニットの中から厳選された、多種族のスペシャリストたちが整列した。
「マスター。彼らが、当拠点の初期スタッフとなります」
弦が片手を上げると、三つのグループの代表者がそれぞれ一歩前に出た。
「ワシらはエルダー・ドワーフの技術班じゃ。この城の配管、石垣の補修、そして湯の温度管理……設備の保守運用は、すべてワシらに任せてもらうぞい」
「頼もしいな。この巨大なインフラを維持するには、お前たちのような熟練の技術者が不可欠だ」
筋骨隆々としたドワーフの棟梁と固い握手を交わす。彼らがいれば、バックエンドの物理的障害は完全に防げる。
「私たちはミスト・エルフ。森の霧と魔力を操る一族です。神の湯から立ち昇る湯けむりの濃度や、館内に満ちる魔力密度の調整を担当いたします」
「素晴らしい。客の体調に合わせた環境変数の最適化を頼む」
透き通るような肌を持つエルフの美女たちが優雅にお辞儀をし、それを見ていたルナが目を輝かせた。
「わぁ……エルフの方々! とっても綺麗ですわ!」
「そして俺たちは銀狼族! 鼻と足には絶対の自信があります! お客さんの案内や、食事の配膳はお任せください!」
「ああ。接客というフロントエンドの要だ。元気よく頼むぞ」
ピンと立った耳と、ふさふさの尻尾を揺らす銀狼族の若者たち。
彼らの機動力は、広大な城郭内で客を迷わせないための完璧な誘導を実現する。そして何より、ルナがそのモフモフの尻尾に釘付けになっていた。
「サブマスターのルナ様ですね! 俺たち、一生懸命働きます!」
「はいっ! これから一緒に、このお城を最高の場所にしていきましょうね!」
ルナが満面の笑みで銀狼族の若者たちに語りかけると、彼らも嬉しそうに尻尾を振った。
ファンタジー世界ならではの強力な種族たちが、ただの「戦闘ユニット」としてではなく、「サービス業のプロフェッショナル」として再定義され、ここに集結したのだ。
『ガッハッハッハ! 異種族の戦士どもが、一丸となって館を守る! 良い陣容だぜ、フォージ!』
『ええ。各々の特性が、見事に役割に最適化されていますね』
脳内でトールとアルバスが感嘆の声を上げる。
「マスター、いかがでしょうか。彼らがいれば、ルナ様が持ち帰られたリソースで内装を整え次第、いつでも業務を開始できます」
弦の問いかけに対し、俺は満足げに頷いた。
「完璧な選抜だ、弦。……みんな、聞いてくれ。俺たちの目的は、この地に『誰もが通い続けたくなる至高の休息所』を創り上げることだ。君たちの技術と誇りを、どうか俺に貸してほしい」
俺の言葉に、多種族のスタッフたちが一斉に深く頭を下げた。
ただの空っぽだった白亜の城郭に、確かな血が通い、力強い息吹が宿り始めた瞬間だった。
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【システム稼働状況:AR-09拠点開発フェーズ】
・拠点名称:未設定(仮称:白亜の城郭)
・インフラ:『神の湯』正常稼働中。
・外郭構造:ビルド完了。
・内部区画:ルナの取得DPにより構築準備完了。
【ユニット稼働ログ】
・ルナ(サブマスター):日帰り探索完了。大量のDPをデプロイ。現在、銀狼族の尻尾をモフモフ中。
・奏ら五侍女:クサーツヴェップ・アリーマ市街にて市場調査を継続中。
・多種族スタッフ(ドワーフ、エルフ、銀狼):各セクションへ初期配置完了。
・弦(地下):『原初の魔力炉』へのレジストリ・シャフト、深度800まで掘削完了。
>> 次期タスク:内装の構築、およびプレオープン(ベータテスト)への移行。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました!
大事な妹に残業はさせない! 定時退社で帰還したルナを交え、弦の選抜した多種族スタッフたちとの面会が行われました。
裏方のドワーフ、環境調整のエルフ、接客の銀狼族。サブマスターであるルナも加わり、拠点が一気に賑やかな「家族」の場所になってきました。
スタッフも揃い、内装を整えればいよいよプレオープン(ベータテスト)!?
かとおもいきや?
引き続きお楽しみください!




