【第4章】第13話:魂のクラウド格納と、共有アップデート
いつもお読みいただき、ありがとうございます!第4章・第13話です。
ルナの命懸けの時間稼ぎにより、無骨な鉄剣を「雷を纏う高周波ブレード」へと再錬したフォージ。
反撃の時です! そして彼は、宣言通り「敵を倒して素材をドロップさせる」という世界のルールをハッキングします……!
「シィッ……!」
俺の掛け声と共にルナが離脱し、空いた射線へ俺が一気に踏み込む。
「オオォォォッ!!」
紫電一閃。
先ほどは無惨に弾かれた鋼鉄の外殻が、まるで熱したナイフでバターを切るように両断された。装甲甲虫が轟音と共に崩れ落ち、その肉体が光の粒子となって消滅しようとする。
(……ここだ!)
肉体が崩壊し、メモリが解放される。それが消去される前に、残存データである『魂』だけをキャッチする。
「その魂、俺の配下として再起動しろ! 【戦雷の神理抽出】!!」
激しい雷鳴と共に、拡散しようとしていた光の粒子がマグマ色の雷に絡め取られる。
閃光が収まると、そこには絶対の忠誠を示すように俺の前に低く伏せる『雷の甲虫』の姿があった。
ベースとなった昆虫の骨格はそのままに、外殻が紫電を帯びたスマートな流線型へと最適化されている。
俺は剣を構えたまま、念のため『解析』を走らせて出力結果を確認した。
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【名称:戦雷の甲虫】
【ランク:B】(※ベース個体Cより1ランク上昇)
【状態:テイム中(マスター:フォージ)】
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(よし。トールの神威を混ぜたことで、ベースよりもスペックが一段階(ランクBに)底上げされているな。所有権の書き換えも完璧だ)
「お兄様!? あの恐ろしい甲虫さんが、とても大人しく……それに雷を纏っていますわ!」
「ああ。外装は残しつつ、俺の魔力で属性と中身を書き換えた。こいつは俺がハッキングして組み上げた、案内役だ」
俺は雷の甲虫の硬い頭部を撫でてから、空間の歪み――俺の魔力で構築された『クラウド(亜空間領域)』へと格納した。
ゼノンが脳内で『魂の強制抽出!? なんてメチャクチャなハッキングですか!』と絶叫しているが、これで仲間の獲得と実戦のタスクは同時クリアだ。
俺は剣を納め、少し息を弾ませているルナへと向き直った。
「よくやってくれたな、ルナ。お前の完璧な足止めのおかげだ」
「えへへっ。お兄様のお役に立てて嬉しいですわ!」
「ああ。……ルナ、少しそのレイピアを貸してくれ」
俺はルナから鉄のレイピアを受け取ると、そこに『解析』と【再錬】のコードを同時に流し込んだ。
バチィッ! と一瞬だけ紫電が走り、黒ずんでいた刀身が澄んだ銀色へと変貌する。
「……えっ?」
「ただの鉄剣じゃ、これから先の敵はしんどいからな。俺の魔力で、刃の耐久力と切れ味を恒久的にアップデートしておいた。お前の魔力伝導率も上がっているはずだ」
俺が微笑みながらレイピアを返すと、ルナは信じられないものを見るように目を見開き――やがて、その瞳にポロポロと大粒の涙を浮かべた。
「お兄様が……私のためだけに、剣を鍛え直してくださった……っ」
「おいおい、泣くことはないだろう。パーティの戦力補強の一環だ」
「だ、大事にします! 寝る時も一緒にお布団に入れますわぁぁ!」
ルナがレイピアを抱きしめて号泣し始めた。……どうやら、俺の想像以上に喜んでくれたらしい。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
再錬された剣で見事に装甲甲虫を一刀両断!
そして消えゆく魂をハッキングして、雷の属性を付与した「戦雷の甲虫(ランクB)」として再起動させました。
『解析』によるステータス画面で、しっかりと自分がマスター(テイム中)になっていることを確認し、クラウドに格納するフォージ。抜け目がありません。
さらに、頑張ったルナへのご褒美として、彼女のレイピアも【再錬】で恒久的にアップデート!
兄からの初めてのプレゼントに大号泣するルナ、相変わらず愛情の重さが規格外です(笑)。
次回はついに、クラウドに格納した甲虫のナビゲートで一気に最深部へ。中ボス戦が近づいてきます!
「ステータス確認の演出が良い!」「ルナちゃん良かったね!」と思っていただけましたら、ぜひ下の【☆】から評価をお願いいたします!




