後編-22.アクセプタ王国攻城戦! その1
アクセプタ王国の宿場町で1泊した翌日、おれたちは王都ラティスへ向けて進んだ。道中で魔導兵の応援部隊がいたので、もちろん撃破しておいた。当然ドッペルの鏡も破壊済みだ。
そしてその日の夕方、おれたちはラティスに到着した。
「疲れた〜!」
「今日はここで1泊だね〜!」
「そうだな。···って!おれたち指名手配されてんじゃなかったっけ?」
「···あっ!?そう言えば!」
「そんじゃあまともに入れねえじゃねえかよ···」
「じゃあ密入国だね〜」
「してもどこへ行くんだよ?宿には泊まれねえと思うぞ」
「セプトさんのところに行って、そこで泊めてもらおうかな〜?」
「それしかなさそうだな···。んじゃ、壁を越えるか!」
「お〜!」
しかし、防壁には魔導兵と思わしきものが上に均等に配置されていた···。こりゃ忍び込むってのは難しそうな気がするな。壊せばすぐにバレそうだ。
やっぱおれたちが魔導兵を潰しながら王都に向かってるってバレてるな。無視して進んでたら帝国が危ねえから、そうするわけにもいかんしなぁ〜。
「フー?こりゃ、こっそりはムリだぞ?」
「むぅ~。だったらもうここでキャンプしよっか。明日の日の出あたりから強行突破しちゃおう〜!」
「やっぱそうなるよなぁ〜。そんじゃあ見つからない場所で休むとするか!」
「お~!ではでは~!ここをキャンプ地とする~!」
「それってじーちゃんがよく言ってたセリフだな」
「えへへ~。じゃあモンドくん!今日も一緒に寝ようね~!」
「へいへい。しゃーねえなぁ~」
今日は早めに寝ることにした。明日は早朝から強行突破しなきゃならねえからな。しっかり体を休めておかねえと厳しい戦いになるだろうしな。
そして翌日の早朝···。
「···よし!コンディションは問題ねえな!」
「お〜!24時間戦えるよ〜!」
「さすがにそれはムリだろうが!?おれは嫌だぞ!」
「えへへ〜!フーもそんなに長くはしんどいから嫌だね〜!」
「まったく···。そんじゃあカチコミ行くぜーー!!」
「がってんしょうち!」
おれたちは外壁の門にやって来た。まだ日の出前の薄暗い状況だ。門は閉まってるし、門兵も1人しかいなかった。
まぁ、門はおれが斬るけどな!
「···ん?旅人?キミたち!まだ開門時間じゃないから、門は開けられないよ!」
「開ける必要なんかないぜ!なぜなら···!こうするからな!おっちゃん!ちょっと危ねえからどいてろよ!秘技!夢想烈破!!どぉりゃあああーーー!!」
「ちょ!?うわぁああーーー!!」
魔力剣に魔力をありったけ込めて、おれは秘技を門に向けてぶっ放した!!
ズドーーーーン!!
巨大な門が細切れに切り刻まれて崩壊した!すさまじく大きな重低音とともに周囲には土煙が舞い上がる!
その土煙にまぎれておれとフーは王都に入った!
「し、侵入者だーーー!!」
「ゲホッ!ゲホッ!い、いったい何事だ!?」
「うわっ!?門が!?」
「い、急いで城へ報告だ!狼煙をあげろーー!!警報の鐘を鳴らせーー!!」
「侵入者を探し出せーーー!!」
カンカンカン!カンカンカン!
門の方からは大混乱に陥った兵士たちの怒号が聞こえていた!そして警報と思われる鐘が鳴り響き、赤色の煙が立ち上がり始めた。
鐘の音が鳴ると、別の場所でも鐘が鳴り響き始めた。どうやら鐘の音をリレーしてやがるようだ。その鐘の音のせいか、王都の方でも動きがあった!
「なんだよ···?こんな早朝に···」
「えっ?門の方で赤い煙?ま、まさか帝国軍か!?」
「警報の鐘だって!?帝国軍なのか!?」
「王国が優勢じゃなかったの!?」
「逃げないと!!」
王都の中でも鐘が鳴り響き始めた!その音を聞いた市民たちは一様に困惑して外に出て、赤い煙が門から見えたので大混乱になり始めた!
ちなみにおれたちはステルスモードで走っていた。だから市民の皆さんにはおれたちの姿は見えてない。
そして城につながる大通りにたどり着いた頃には大通りは大混乱に陥っていた!
逃げ惑う人たちで人だらけになってたんだ。さすがにここを走って通り抜けることはできないので、家の屋根の上を通り抜けることにした。
「モンドくん!強行突破作戦、大成功だね〜!」
「大混乱になってるな。あとはみんな城から離れてくれればいいんだけど···。ん?みんなどこに向かってるんだ?」
「あれれ〜?みんな向かってる方向って···?」
「城···?ま、まさか!?避難場所は城かよ!?」
「あちゃ〜!確かに城壁もあるもんね〜!」
「こりゃ作戦失敗だな···。出直すか?」
「もうこのまま行っちゃおー!なんとかなるんじゃないかな〜?」
「フーは楽観的だよなぁ〜」
想定外の状況になっちまってるが、まぁダメなら出直すだけだな。正体バレてねえし。おれとフーはとりあえず城へ向かった。
城門の前では大混乱になっていた!
「状況確認中だ!許可が出るまでここを開けるわけにはいかん!」
「なにバカな事を言ってるんだよ!?赤い煙と警報の鐘が鳴り響いたらここに避難って話だっただろうが!?さっさと開けろ!!」
「さっさと家に帰れ!ここは開けん!!」
「ふざけんなぁ!!だったら無理やり入ってやる!!」
お〜、揉めてるなぁ〜。そんな中、フーは混乱をさらに助長する魔法を使った!
「そ〜れ!『○バカ○!』」
「おまっ!?それって!」
フーがどんな扉でも開けてしまう鍵開け魔法を使った!すると···、
ギィーーーー!!
「おっ!?開いてんじゃんか~!逃げ込めーーー!!」
「なぁっ!?な、なぜ解錠されたのだ!?ま、待て!!」
ドドドド!!
城の中に市民がなだれ込んだ!そりゃ避難の情報が入ってるんだからそうするよなぁ〜。
市民が入ってしまったので、兵士たちも大混乱に陥った!押し留めようとするも、いったん開いてしまった扉はフーの魔法のせいで開いたままになってしまってるので、どんどん市民が避難で入ってきていて閉めることができなかったんだ。
というわけで、おれたちも逃げる市民に紛れ込んで堂々と城壁内へ入ったんだ。
一方、城内では···、
「宰相閣下!報告します!」
「何事よ?こんな朝っぱらから···」
「申し訳ありません、閣下···。先ほど門が破壊されたとの情報が入り、王都内に警報が発令されました!」
「門が破壊ですって···?敵は?まさか帝国軍かしら?」
「そ、それが···。情報が錯綜しておりまして、不明との事···」
「いったい何やってるのよ?たるんでるわよ!」
「申し訳ありません!」
「報告いたします!」
「別の報告?今度は何よ···?」
「はっ!王都内に警報が発令されたため、市民が城に逃げ込もうとして···、門を突破されました!」
「何やってるのよ!?勝手に開門したの!?」
「そ、それが···。門が勝手に開いたと···」
「そんな事ありえないでしょ!?バカなこと言ってないで全軍出撃よ!魔導兵も出して構わないわ!不法侵入した市民を捕らえなさい!」
「し、しかし···、警報が出てるので···、この後も市民がやって来ると···。あと、侵入者が不明ですし···」
「いいからさっさと対応しなさい!」
「は!?はっ!!失礼しました!!」
「まったく···」
「ティカ?どうしたのだ?」
「どうしたも何も···、侵入者が門を破壊して王都内に侵入したそうよ。しかもそれで市民がここに避難しに殺到してるそうよ」
「ほう?相手は帝国軍か?」
「不明だそうよ」
「不明···?まぁ、誰でもいいか。どこのどいつか知らぬが、おそらく狙いは我らだろうな」
「でしょうね。となると···、先日来たあの子たちかしら?」
「可能性としてはあるな。だとしたら今度は潜入ではなくて強行突破で来るとは···。もしかすると、何か策があるやもな」
「そうかもね。それじゃあ盛大に出迎えましょうか」
悪神2人にはモンドたちが侵入したと推定して待ち構えたのだった。
強行突破したら市民は逃げるだろう!という考えまでは良かったのですが、逃げ込んだ先が目的地のお城でした···。
とりあえず成り行き任せ!というフーちゃんがさらに混乱に拍車をかけました!某竜退治の3作目で使われることがほとんどないこの魔法ですが、使い方によってはとんでもない効果がありますね···。こんなにも活躍するとは思わなかった作者でございます。
ちなみに作者がフーちゃんに使わせたわけではなくてフーちゃんが勝手に使っちゃいました···。ちょっとお話の展開が変わってしまいましたよ。
さて次回予告ですが、ついに悪神ティオとティカとの対戦ですが!なんとモンドくん一人で相手すると言い出しました!その間にフーちゃんはドッペルの鏡を探し当てますが、ドッペルの鏡が思わぬ行動に出てきました!どうなったのでしょうか?
それではお楽しみに〜!




