後編-14.美術館に入ってみるぜ!
市場でフーの買い物を終えた後、おれたちは再び町に出た。こうやって買い物とかするのも久しぶりだぜ!
とは言っても目的なんてねえんだけどな。とりあえずブラブラ歩いてるんだ。観光とは言っても、特にめぼしい名所なんてないもんな。
そう思って歩いていると、大通りから見える大きな建物が気になった。
「フー?ちょっと行ってみるか?」
「お〜!なんの建物だろうね〜?」
たどり着いてみると、入口がものすごく豪華だった!いったい何だろうな?と思ってると、門の横に立っていた警備員さんに声をかけられたよ。
「ん?キミたち、どうしたんだい?美術館を見に来たんじゃないのか?」
「美術館···?」
「ん?知らないのかい?」
「ああ。おれたちはこの国の人間じゃねえから。旅してんだよ」
「そうなのか?その若さで旅ってすごいな〜!美術館ってのはな?画家が描いた絵や彫刻家が彫った像とかを展示してるんだよ」
「へぇ〜!初めて聞くな〜!」
「フーたちの国にはないね〜」
「そうなのかい?まぁ、帝国はつい最近まで平和だったからね。いろんな人たちがいろんな創作をしてたんだよ。ここ最近はそれどころじゃなくなってるのは残念だけどね。どうする?見ていくかい?」
「おう!」
「面白そ〜!」
へぇ〜!この国ではそんな活動をしてる人たちがいるんだな!平和だとこんな事をやるんだな。じゃあ見てみるか!
おれとフーは入場料を払って美術館の中に入った。
中はとても静かだった。どうやらこういった場所では静かにしておかないといけないようだぜ?
これってじーちゃんも知らない知識だろうなぁ〜!帰ったら自慢しようっと!
壁には大きな絵がたくさんあった。その絵は額縁に入れられて飾られていたんだ。そしてその額縁の下に説明書き?とタイトル?が書いてある看板があったんだ。
『農作業をする妻』
『おいしそうに食べる孫』
『不倫がバレた時の生死を賭けた夫婦げんか』
『こけて路上にバラまいた果実拾い』
『ニゲルカ!?』
『遅刻しそうになってパンをくわえたまま交差点に差し掛かった時』
『万引きして捕まった男が跳び上がりながらの土下座』
『片手で岩を砕く少女』
『雄たけび』
···なんじゃこりゃ?最初の方はまだわかるけど、奥に行くに従って変な絵があったな···。これが芸術···?わけがわからん···。
感想を言いたいところだが、ここでは静かにしてなきゃならんので後にするか。
ちなみにフーは真剣そうな表情で見ていたな。フーには良さが分かるんだろうか?
次の部屋では彫刻家による彫刻や像があった。あったんだけど···、
『考えを放棄した人』
『エロのマッチョ』
『フリーダムな駄女神』
『中年の休日』
『ゲボー!ライオン?』
···さっぱりわからん!芸術っておれが理解できないものなんだということだけは理解できたぞ。
あんまり面白そうには思えん物ばかりだったな。フーは彫刻像もじっくりと見ていた。
もう興味なくなったのでさっさと通り過ぎようと思って次の部屋の入ると···!?
「おおっ!?」
「(ちょっと!?モンドくん!)」
「(あっ!?わりい!)」
ここはちょっと興味出たぜ!ここは武器防具の場所だった!
立派な模様が入った剣や槍があったな!矢も矢羽根がカラフルで派手だったぜ!
鎧もわけわかんねえ紋様が入ったものや、着用したら明らかに動けねえものまであったな。
まったく実用的じゃねえけど、こう人に見せつける武器防具ってのもあるんだなぁ〜。見た目だけはいいが、これ持って戦闘はできんけどな。少なくともおれは使わねえな。
そんな中、とある武器が気になったんだ。
「···すげえ。···美しい」
それは1本の剣だった···。ほかの武器のような派手な装飾はねえ単純な作りではあった。
でも、刀身はきれいに磨かれておれの顔が映っていた。細い刀身で多少反りがあるんだよ。この曲線がすさまじくきれいなんだ。
芸術なんてさっぱりわからんけど、この剣だけは別格だった!武器としての性能はもちろん、形からくる美しさも兼ね備えてるって感じがしたぜ!
美術館の建物を出た。ここからならしゃべっても大丈夫だしな。
「武器って、あんなにかっこいいのがあるとは思わなかったぜ···」
「モンドくん、あの武器をじ〜っと見てたもんね!20分ぐらい動かなかったし」
「···えっ!?おれそんなに長く見てたのか!?」
「うん!あれ見るまでつまんなさそうにしてたからびっくりだよ〜」
「そういうフーは絵とか彫刻像をじっと見てたな」
「そだね〜!フーたちにはスマホの写真ってのがあるけども、人が描いた温かみを感じたんだよ〜。像もいろいろあって、みんないろんな事考えてるんだなぁ〜!って思ったよ!」
「さすがにそこまではわからんかったけどな···。でも、なかなか面白かったんじゃないか?」
「うん!来てよかったね〜!モンドくん!そろそろお昼の時間だよ!」
「おっと!?そうだな!どこかでメシにするぞ!」
「お〜!」
再び大通りに戻ると、道の至る所に屋台が出ていた!どこもちょうど営業開始のようで、うまそうなニオイがしてきてるぜ〜!
そんな中、おいしい肉のニオイがしたので向かった。そこは焼き肉屋さんだった。
「いらっしゃい!何にするんだい?」
「いろいろあるなぁ〜。こういう時は···、一番高いヤツで!3人前くれ!」
「まいど!焼くのにちょっと時間もらうぜ〜!」
「フーはどれにするんだ?」
「ん〜〜、これにしよっか!アホンダラ鳥の丸焼き10人前〜!お持ち帰りでね〜!」
「そんなにか!?焼くのに時間かかるが、いいか?」
「もち!先払い〜!」
「ありがとよ!」
とりあえずおれが注文した焼肉が先に出てきた。それをフーと分けて食べてみると···!?
「「うまーーい!」」
「やっぱ別の大陸だと違う味だな!」
「そだね〜!このタレも絶妙〜!」
3人前頼んだけど、結構な量があっという間におれたちの胃袋に入った。食べ終わると、おっちゃんが話しかけてきた。
「ん?キミたちは別大陸から来たのか?」
「そうだぜ、おっちゃん!ボルタニア大陸からだぜ」
「へぇ〜!そいつはすごいな!こっちはどうよ?」
「どうって言われてもなぁ〜。メシはうまい!」
「ははは!そうかそうか!やっぱりメシがうまくないと誰も住み着かねえからな。食事は生活の基本だ」
「言われてみれば···」
「毎日食べるならおいしい方がいいもんね〜!」
「その通り!料理コンテストなんてものも国主催でやってるんだぞ。それぐらい食事には力入れてんのさ。そう言えば、明後日がその大会だな〜!」
「えっ!?料理コンテスト〜!?」
「おう!嬢ちゃんは料理するのか?」
「もち!家が飲食店!」
「そうか!だったら出てみたらどうだ?確か今日まで受付やってると思うぞ」
「お〜!いい情報いただき!この後行ってみるね〜!」
フーの目が燃えてたな···。やっぱり家が飲食店だから、こういったものに関しては燃えるんだな。
大変申し訳ありませんが、作者は美術に関してはさっぱりわかんないんですよ···。
ですので美術館には行った記憶がないです···。学校の授業でもあんまりいい評価ではなかったですね。絵もわけわからん絵を描いてしまうので、ドヘタクソなんです。だから自費で本を作ってもアキくんとかのイラストなんてものは一切なくて文字だらけ!なんて本になっちゃいました···。表紙は旅先の風景写真でごまかしてしまいましたが(笑)。
今回登場した絵と彫刻は、絵の一部以外はちゃんと元ネタあります。ネタバレ集で紹介いたしますが、元ネタわかるでしょうかね~?
さて次回予告ですが、料理コンテストの話を聞いたフーちゃんはさっそく申し込みに向かいました。そしてその帰り道、モンドくんとフーちゃんの後をつける人たちがいるのに気づきました。今度は人数が多そうですよ?さて、どのように対処するのでしょうか?
それではお楽しみに~!




