後編-10.ドッペルの鏡
「分身!」
「あら、あなたも似たような術を使うのね?」
「全然違うけど?覚悟!」
トランス状態だから、分身に捜索をお願いしつつの戦闘もだいじょぶ!動きを止める!
「暗殺技、影ぬい」
ドッペルの影に影ぬいのナイフを刺した!でも···?
「あら?どこを狙ってるのよ?」
「効果なし。じゃ、次!秘技、疾風迅雷」
一気に間合いを詰めて一閃!けれども剣で受け止められた!
「速いわね!でも、意味ないわよ?」
「···秘技、夢想烈破」
接近した状態から無数の剣戟を入れてやる!
「ぐあっ!?や、やるじゃないの···。でも惜しかったわね?破壊までには至ってないわよ?」
「···いい加減、その煽り文句やめない?フーには通用しないよ」
「あはっ!あはは!かわいくないわね···。なら、こちらからもいかせてもらうわ!」
ドッペルが突っ込んできた。フーは魔力剣を鈍器モードで対応するよ!
「秘技、弦月斬」
斬撃って言うか、鈍器モードだから衝撃波だね!ぱんちを繰り出すつもりだったみたいだけど、繰り出すタイミングで撃ったから、体勢が崩れた!
そこにフーは逆に突っ込んだ!そしてぱんちを繰り出そうとした右腕をつかんで、
「よいしょっとーー!!」
「なあっ!?」
じーじの世界の『じゅーどー』って武術にある『いっぽんぜおい』って投げ技で投げ飛ばしたよ!ドッペルの背中が地面につき、仰向けになった!
ここでフーは追い打ちをかけるのだ!つかんだ右腕はそのままつかんだままだったから、そのまま倒れ込んで右ひじでドッペルのみぞおちを突いた!
「ガハッ!?」
「ドレインクリメイション!」
すぐにその場から離れて強烈な火魔法を放った!
「ギャアアアーーー!!なに!?この炎!?消えない!?」
「フーのこの火魔法はね〜、ちょっと特別なんだ〜。あなたの魔力を吸い取りながら燃えるから···、魔力が多いほど激しく長く燃え続けるの」
「な!?なんですって!?貴様!そんな事したらこいつのオリジナルは!」
「残念でした〜!もう鏡見つけちゃったもんね〜!」
そうフーが言うと、分身が全身映せる姿見の鏡をテントから持ち出したのだ〜!
「そ!?それは!?」
「って事は大当たり〜!」
「···ふふっ!ははは!あははは!!」
「何がおかしいの?これを壊せばあなたもおしまい」
「ええそうね!でもね?それはそう簡単には壊せないわよ!!」
「じゃあやってみるね。秘技、大噴火斬り!」
カンッ!!
「あはは!ムダよムダ!」
「···ん。強度はわかった。次はぶっ壊す!」
「···え?」
分身を戻したフーは真のトランス状態になったよ!これならぶっ壊せる!!
「な!?なに!?変身···、した!?」
「それじゃあフーの全力全壊!リナおねーさん直伝!ドラゴンキャノンーー!!」
ズドーーーーン!!
「ギャアアアーーー!?バカなぁーーーーー!?鏡がぁーーーーー!?」
お〜!?やっぱりこれだったらだいじょぶだったね〜!
鏡を壊したところでドッペルが勢いよく燃えたよ。鏡を壊したおかげだね〜!
そして最初に倒した魔導兵のドッペルも形がどんどん崩れて鎧だけになったよ。これでここはだいじょぶかな〜?
そう思ってたらモンドくんから連絡が来た!
『フー!やったんだな!?』
「もち!フーの全力全壊のドラゴンキャノンでぶっ潰したよ〜!」
『こっちも魔導兵が崩れだした!おれたちの勝利だぜ!』
「大勝利〜!ブイ!」
こうして、アクセプタ王国の最前線での戦いはドナー帝国の完全勝利で終わった。
おれは戦場で傷ついた兵士に回復魔法をかけまくっていった。フーも駆けつけてからは一気にスピードが上がった。
回復魔法はある程度までだ。でないと、魔力が底を尽きてしまう···、ってのは建前だ。
本当は全員全回復までできるんだけどな。それやっちまうと目立つし引き留めがすさまじいだろうからな。まぁ、ここまで魔導兵相手に単騎でやり合ったのは見られちまってるから、とんでもない戦力とは思われるだろうけどな。
さすがに戦死者だけはどうにもならなかった。わかっちゃいるが、これが戦争なんだな···。
おれとフーは作戦本部に戻ってきた。本部の周辺は大騒ぎになってたなぁ〜。いい意味でだぞ。
そしてテントに入ると、笑顔の将軍がいた。
「おお、よくぞ戻ったな。まさか本当に魔導兵を倒し切るとは···」
「おう、疲れたぜ〜!」
「いろいろわかったから、後で教えるね〜!」
「わかった。今、外で炊き出しをやってるでな。食べてこのとなりのテントで休んでおけ」
「「はい!」」
炊き出し会場に来たら、みんな酒を飲んで勝利を喜び合っていた。
「生きて帰れるぞーー!!」
「勝てると思ってなかったからな!!」
そんな中におれたちが入ると···!?
「おお!魔導兵をぶっ潰してくれた英雄だ!」
そんな声がして、おれたちをみんなが見た!
「え!?英雄!?おれがか!?」
「お前だろうが!?強力な兵器でないと倒せない魔導兵を通り過ぎてバッタバッタと倒したんだぞ!!オレらの命を救ってくれた英雄じゃねえかよ!」
「え〜!?で、でも英雄はさすがに···」
「いいからいいから!祝勝会だからたらふく食え!小さな英雄にかんぱ〜〜い!!」
「「「「かんぱ〜〜い!!」」」」
まぁ、みんな決死の覚悟で戦ってたんだ。死ぬかもしれねえって思いながら必死だったからな。助かったって思ったら喜ぶよな!
「英雄!ほら!飲め飲め!!」
「いや!?ちょっと!!酒は勘弁してくれ!」
「フーもちょっとなぁ〜」
「そう言わずに!これから活躍したら飲むことになるぞ!ここで練習しとけって!」
「だからって無理やり飲ませるなよ!?これってじーちゃんが言ってた『あるはら』ってやつだろ!?」
「わけわかんねえ事言ってないで!1杯だけだから!全部飲まなくてもいいって!」
う〜ん···。こりゃ、ちょっとは飲まないと収拾つかないだろうなぁ〜。でも、じーちゃんも『お酒は楽しんで飲むものだ』って言って、いつも楽しくばーちゃんやリオじーちゃん、パパやママと飲んでたからなぁ〜。
···よし!ちょっとだけいただこう!
「わかった。ちょっとだけな」
「よし!それじゃあみんな!もう一度!かんぱーーい!!」
「「「「かんぱーーい!!」」」」
さらにテンション上がってるな···。酔っ払ってるからだろうなぁ〜。それじゃあおれも···。
ゴクゴク···!
···あれ?おいしい。ニオイがちょっとあるけど、意外と飲みやすいな。
「おっと!?初めてなのにいい飲みっぷりだったな!どうだ?初めてのお酒は?」
「···うん。悪くないな。おいしかった」
「そうかそうか!時間が経ったら酔いが回り始めるからな!最初はほどほどにしとけよ〜!」
「ほどほどにって!!思いっきり飲ませようとしたじゃねえかよ!?」
「おっ!?調子出てきたな!それが酔ってきた証拠だな!」
「おれはまだまともだ!フラフラしてねえだろ!?」
「ははは!ささ、嬢ちゃんも1杯だけ!」
「じゃあ、フーもちょっとだけ。いただきま〜す!···お〜!?これおいしいね〜!どういうお酒〜?」
「シードルっていう赤い果実のお酒だ!ここらで作ってんだよ」
「へぇ〜!後でたくさん買わせて〜!フーのお店で使う〜!」
へぇ〜!果物のお酒なんてあるんだな!これはおいしかったぜ!
1つ目のドッペルの鏡の破壊に成功しました!
真のトランス状態の全力で破壊なので、通常の攻撃では壊すことは不可能だったんですね。
だからマスタードッペルは自信満々!壊されるわけないから何度でも蘇るさ!って思ってたら、あっさりとフーちゃんに破壊されちゃったんですね。まぁ、神狼族の存在自体がイレギュラー過ぎるってのもありますけどね。
そしてモンドくんとフーちゃんのお酒デビューは勝利の美酒でした!おいしく、そして楽しく飲めましたね!あと知らないといけないのは限度でしょう。って、作者は限度超えて飲むことありますけどね(笑)。新年会では家帰ってから予兆なく逆流しちゃって大惨事になりましたが···。
さて次回予告ですが、凱旋したモンドくんとフーちゃんはその日の夜、皇帝とトロン皇子と一緒に個人的な会談をすることになりました。そこで意外な事が明らかに!
それではお楽しみに〜!




