後編-1.ドッペルの正体
乗っ取られてアクセプタ王国の王城に侵入したおれとフーは、この国の王様を地下牢で発見したんだ。
衰弱しきっていたけど、フーが持ってた保存食でなんとか持ち直してくれた王様から、状況の聞き取りができた。
乗っ取った相手の正体は不明。まったく同じ格好をしているぐらいしか情報がなかったんだ···。
そこで、おれとフーはお城の宮殿と離れを調査したら、親玉っぽい連中を見つけたんだ!
そこで話していた『ドッペル』っていう名···。おそらくこれが乗っ取ったマジックってやつだな!
しかし···、わかったからといってどうとなるものでもないよなぁ〜。これからこいつらを捕まえてめでたしめでたし!ってわけじゃねえだろうしなぁ〜。
「(フー?どうするよ?)」
「(もうちょっと情報欲しいなぁ〜)」
「(そんじゃあもうちょっと見とくか)」
そう話していたその時だった!話していた片方が手をおれたちがいる天井裏に向けた!ヤベエ!!
ボンッ!!
「どうしたの!?」
「···天井裏にネズミがいるようでな。出てこい。まだそこにいるのは分かってるぞ」
バレた!?おれもフーもとっさに回避して無事だったが···。音も防音魔法で消してるし、姿もステルス状態だ!見えるわけもねえ!
だいいち、天井裏に潜んでたんだぞ!?姿すら見えてねえのにどうして気づきやがった!?
「フン!ごまかせるとでも思ってるのか?まだいるんだろう?」
···完全に位置を特定されてんな。フーを見たらうなずいたので、おれたちは天井裏から降り立った!
「···ガキだと?貴様ら、ここに何のようだ?まさかオレたちを倒そうってのか?」
「それがお望みならやってやるぜ?」
「ほう?大きく出たな。だが、オレたちに勝てるとでも思ってるのか?」
「ずいぶんな自信だな?まるでもう勝った気でいやがんのかよ?」
「そのとおりだ。貴様らはここから生きては出られん」
「なんだと!?」
「まぁいい。予定通り進んでいたのだ。こういった余興がないと、面白くない」
「···まるで遊んでるかのような物言いするじゃねえかよ?お前ら、何者だ?」
「しつけのなってないガキだな。先に名乗ってから聞くと親に教わらなかったのか?」
「···おれはモンド」
「フーだよ〜」
「我々はこの世界ではない世界からやって来た神だ。ティオとティカという」
「···やっぱそうきたか。ある程度想像してた中で最悪だな」
「ほう?神と名乗ってるのに驚かないとは」
「ああ。知り合いにいるんでな!」
「なら話は早い。我らの遊びの邪魔をするな」
「遊びだと!?人の命をなんだと思ってやがるんだ!?」
「替えの聞くおもちゃだが?」
「なっ!?···やっぱあんた神だな。神らしい傲慢なものの考えをしてやがるぜ」
「褒め言葉と受け取ろう。さて、お話はここまでだ。その短い命を終えるがいい!」
「そうはさせねえぜ!フー!」
「おっけー!」
「「はぁあああーーー!!」」
とりあえず聞き出す情報は手に入った!ここからは戦闘情報を暴いてやる!
まずはトランス状態で戦ってやる!真のトランスを使うかどうかは結果次第だ!
「ほう?この世界には変身する種族がいるのか。興味深い」
「フー!あいつを頼む!」
「承り〜!」
相手は2人。こっちも2人だからタイマン勝負だ!
「行くぜ!槍技、銀杏!」
一気に間合いを詰めて、強烈な突きを放った!しかし、かわされてしまった!?
スピードが相当早いのに、こいつ見切りやがった!
「ほう?ガキのくせに凄まじい速度だな」
「こいつをかわせるなんて、思ってた以上にやっかいだな!それにどうしてだ!?この世界に入るにはファイアーウォールを突破しないといけないはずだ!お前みたいな強者が入れねえようになってるはずだぞ!?」
「ファイアーウォールの存在を知ってるだと?そう言えば先ほど神を知っていると言っていたな?貴様、神にオレたちを討伐するよう派遣されたのか?」
「違うな!おれたちは武者修行でここにたまたま来ただけだ!単なる偶然だぜ!」
「なるほど。この世界の神はまだ我らに気づいていなさそうだな。好都合だ」
「こっちは不都合だ!」
「ははは!さて、おしゃべりもここまでだ」
そうティオが言うと、執務室に全身鎧を来た兵士たちが入ってきた!こいつらも普通の雰囲気じゃねえな···。魔導兵ってやつか?
「ちっ!まさかこいつらが魔導兵ってやつらか!?」
「ほう?そこまで知ってるか。ならばここからはこいつらが相手だ。やれ」
「············」
魔導兵たちが無言でおれたちに襲いかかってきた!狭い部屋だってのに!一気に片付けるぜ!!フーがおれを見た。そんじゃあ新技披露するか!おれは魔力剣を槍から剣に切り替えた。
「「合体秘技!双覇・疾風迅雷!!」」
フーと同時に秘技である疾風迅雷を繰り出した!疾風迅雷は瞬時に相手に接近して一閃を加えて次の相手にも同様に繰り出していく、対集団殲滅用の技だ!
魔導兵たちはオレとフー、それぞれ強烈な一撃をガードする前に切り刻んだ!おれの一撃で鎧を切り裂き、フーの一撃でトドメを刺していく!
しかし、魔導兵たちは倒れることはなかった!フーはなにか気づいたようだった。
「モンドくん!これ生き物じゃない!」
「なんだって!?まさか、さっき言ってたドッペルってやつか!?」
「たぶん!」
「だったら手加減無用だな!秘技!夢想烈破!!」
立ち上がった1体に対して無数の斬撃を浴びせてやり、全身鎧をはいでやった!そして鎧の中身が露となると···!?人の体と顔が出てきた!ただ、傷を負っていても血がでていなかった!
「げっ!?な、なんなんだよ!?これは!?」
「人そっくりの人形···?それにドッペルの名···。そうか!わかったよモンドくん!」
「フー?何がだよ!?」
「ドッペルの正体!コピー人形なんだよ!」
「コピー人形?···そういう事か!」
コピー人形···。おれたちの身近にもいるな。じーちゃんのコピーがな!だからフーはすぐに気づいたんだな!
「···貴様ら、何者だ?ドッペルの正体にきづいただと!?」
「ああ。親戚に似たのがいるんでな。もっとも、こんな粗悪品じゃねえけどな!」
「貴様ぁ!?我らの作品を粗悪品だと!?」
「ああ。こいつはあんたらの指示でしか動かねえ。親戚のは意思を持って動いてるし、こんな人形っぽくなくて人にしか見えねえからな。ってことは、この世界に来る時は力のない人形状態にしてこっちに持ち込んで、こっちで力をつけたってことだな!」
「···ははは!ほぼ正解だ!まさかこの世界に我々のシステムを解き明かせるものがいたとは···。しかも普通のガキじゃない連中に!」
「ティオ!ここでこいつらを抹殺しましょう!こいつらは知り過ぎだわ!」
「大丈夫だ、ティカ。こいつらはこれ以上暴れられんよ。ここまで知られた以上、この情報を出せば手を出せなくなるしな」
「なに?どういうことだよ?」
「さっきのドッペル、壊さなくて良かったな。壊せば···、オリジナルは死ぬのだからな!」
「なぁっ!?」
「えーー!?」
「ドッペルは写し身···。使用すれば、そこからは表裏一体なのだよ···。だから、この国の王のドッペルであるオレを殺せば、地下牢で捕らえているオリジナルの王も死ぬのだよ」
「ぐっ!」
「命がつながってるなんて、信じられないよ!」
「ならばやってみればよかろう。今すぐオレを殺してみろ。そしてその後に地下牢へ行けば結果はすぐにわかる···。フフフ···」
ドッペル···。想像以上にやっかいなものじゃねえかよ!?どうすりゃいいんだよ!?
予想通り異世界の神が犯人でした。
このように、ファイアーウォールを張っていてもルールに従ってれば入れてしまうため、あの手この手で入ってこようとするんですよ。
そしてドッペルの正体が明らかになりました!写した人の命とつながっているために、モンドくんとフーちゃんは力を行使することができません。
モンドくんが知ってるコピー人形はコピーアキくんのことです。まぁ、あちらはほとんど生き物とほぼ同等ですからね。材料も神器を軽く超えてますしね。
さて次回予告ですが、正攻法では倒すことができないため、いったん逃げることにしました。なんとか脱出しますが、その前に本物の王様に状況報告しますよ〜!
それではお楽しみに〜!




