投稿2週年記念SS集-6.アキ、研究発表会に参加する その3
※2026/4/13追記
以下のまえがきは2026/1/6投稿時のものです。
本日は投稿開始2周年記念日です!
2年前の今日、アキくんの物語は始まりました。そして2年間毎日投稿することができました。
これも読者の皆さまの応援のおかげです。本当にありがとうございます!
このあとの活動報告で詳細は書きますが、先日に自費で制作した本を恩師に献本したところ、昨日届いたお礼の手紙に『魂を詰めすぎないで』と書かれておりました。
どうやら知らない間にエーレタニアの世界に自らの魂を込めまくっていたようです。それで疲弊してしまって執筆できないと見抜かれてしまいましたよ!
そんな状況なので今年はちょっと毎日投稿が厳しい状況ですが、皆さまにいろんなお話(私の魂)を届けれるよう頑張ってまいります!
昨日の発表会終了直後に、ボクは印刷所に来ていた。ほかの研究者から『ここの印刷所は出版社も兼ねてるから印刷速度が非常に速い!』って教えてくれたので、ボクは資料を大量に印刷するために来たのだ。
出版社の名前は『ドゥー・スケスケ出版社』。···なんで頭にフランス語がついてんのさ?
誰だよ···?こんな名前つけたのは?思いっきりボクの元の世界の住人だろ?エレさんが昔に呼んだのか?
ただ、この出版社は王族も出資しているらしいんだよね。だから名前の割には歴史が非常に長いらしい。
って事は、レオナード王国のご先祖様にボクと同じ世界から来た人がいるのか?知らないけどさ。
そして原稿を渡したら10分で2000部も刷っちゃったよ···。製本しないとはいえ、めっちゃ速いじゃんか!?
「うちは昔からきれいで速くがモットーなんでね〜!王族御用達だから、最先端の魔道具入れてんですよ。(えっちな)絵だったらちょっと時間かかるけど、文字や図程度なら速いよ〜!」
王族御用達って事は、まさか紙幣まで刷ってるんじゃないだろうな?ほとんど出回ってないけどさ。
まぁ、そんなことはどうでもいいよね!一般開放日に間に合ったので良かったよ〜。
そして研究発表会、一般公開日の朝···。
準備を整えて会場へ向かうと···?長蛇の入場待機列ができていた!
「···え?この発表会、こんなに人気あるの?」
「そんな話聞いてないわよね〜。どうなってるのかしら?」
「でもナナー?来てるってことは、なにかお目当てがあるんじゃないかー?」
「···うちじゃないよね?」
「ハルの予想って結構当たるんだよなぁ〜。もしかしてそうだったりしたら···」
「ちょっとアキ!?こんな人数さばけないわよ!?どうするのよ!?」
「どうするってナナ、どうもできないけどさ···」
とりあえず戦々恐々としながらボクらは会場入りした。
そして昨日大量に印刷した資料を折りたたみの長机に置いて準備を終えると、開場となった!
『ゆっくりと4列でお進みくださ〜い!』
『ちょっと!?走ると危ないですよーー!!』
そんな大声が入口から聞こえてきた!そして会場に入ると一番最初にダッシュで来たのは···、ボクのブースだった!
「ちょっと!?お肌にいい方法があるですって!?教えて!!」
「ちょ!?え!?あ、あの!温泉に入るといいんですよ。お肌の性質に合うかどうかは個人差が···」
「そんな話はいいの!どこに入れば10代の若い肌になれるのよ!?」
「10代!?さ、さすがにそれは···。長期的に入浴しても···。とりあえずこちらの資料をご覧になって···」
「ちょうだい!近所にも配るからもっとたくさん!」
「い、いや!ほかの方に配れなくなりますから!ごめんなさい!」
最初の来訪者は『招かれざる客』でした···。目が血走ったおばさんなんですよ···。そりゃ気持ちはわかるけどさ···。10代はムリだよ。面と向かって言えないけどさ···。
どうしたもんかなぁ〜?と思ってたら、おばさんの背後にハルが回り込んで、
「···ん。···終わり。···次の人」
「ちょっと!?何すんのよ!?あ、あら···?体が···?」
ハルさん···。暗殺技でちょっとおばさんを操っちゃいましたね?まぁ、いいけどね。危害加えてないからいいでしょ?
でも、ハルはいきなり不機嫌になってたなぁ〜。顔にはまったく出さないけど、ボクにはよくわかるよ。目が0.1mm細くなってたからね。···え?微妙すぎるって?どこ見てんのさ?
その後も次々と襲いかかってくる、主に中年以降のおばさん集団が押し寄せてきた!
「ちょっと!?押さないで!順番にお願いしますって!」
「こらー!アキが困ってるだろー!?ちゃんと並べー!」
「ちょっと!?いつまで相談してんのよ!?早くあたしに順番回せーー!!美肌になるのよーーー!!」
···開始20分で状況はカオスを通り越して地獄になって来ました···。仕方ないので、1分間の時間制で相談を受けることにしました···。
時間が来たらハルとナナが物理的に次の人へ回していきました。まるで某アイドルの握手会のような人さばきを始めちゃう事態になりましたよ。ちなみにリオとレオは後方で列整理です···。
ボク、登壇して発表する時間なんですけど、結局は発表できませんでした···。列から離れようとすると『(お肌にいい情報を聞くまで)逃さん···!お前だけは···!』って殺気のこもった視線をぶつけてくるんですもん···。
しびれを切らして呼びに来た人も、その殺気に当てられて『アキさん···。登壇したらさらに混乱が広がりそうですから、中止にしときましょう』って言って去っていきました···。
結局は昼食もトイレも行くことができずに3日目が終了しました···。相談した人数は350人···。用意した資料はすべてお持ち帰りされちゃったので、今日もこのあと印刷所に行かなきゃなりませ〜ん!
「···アキ、お疲れ様。···すごい執念だったね。···私もちょっと怖かった」
「いや〜、あたしもアキのおかげで肌は若々しく保ってるけど、あそこまで必死になられるとねぇ~。さすがのあたしもドン引きだわ···」
毎日温泉に入って30代後半に入ったのにも関わらず美肌を保ち続けるハルと、長寿のドラゴン族で70代(人族換算30代)でも美肌のナナからそういう感想をいただきました。改めて女性の美容について深く深く知る機会になりましたよ···。
そして疲れ切った体にムチ撃って···、ボクはドMじゃないぞ!でも、ハルがやりたいって言ったら···。いや、そうじゃなくって!印刷所にやって来ました。
「へぇ~!研究発表会で2000部一気になくなっただって?だったらもう製本しちゃって販売すればいいんじゃない?」
「それも考えたほうがいいかもしれませんね···。まさかここまで熱狂的になるって思わなかったですもの···」
「ははは!男女ともにエロ、そして女性はさらに美容に対してはすさまじい欲がありますからね~。うちではそういうのも出版社として扱ってますからね。差し支えなければ出版営業にも話を通しますけど?」
「ははは···。それは今はご遠慮しておきますよ。機会があれば···」
「今がその機会よ!!本出しましょう!!」
出版社のある2階から大声が聞こえてきた!そして慌てて降りてきたのは···!?今朝開場して1番最初に突撃してきたおばさんだった!!
「えっ!?あ、あなたは!?今日の!?」
「ウワサは聞いてたけど、温泉ってこんなに素晴らしいのね!?気に入ったわ!もう今すぐに契約しましょ!さあこっちへいらっしゃい!!」
「いや!ちょっと待って!!相談してからでないと···」
「そんな悠長な時間はないわ!あの資料は広く頒布されちゃったんですもの!!競争他社から先に出版されたらまずいわ!この資料そのままで製本するわ!徹夜で製本して5000部は準備できるから!ブースで売ったらいいわよ!!」
「研究発表会は同人誌即売会じゃねえよ!?あんた強引過ぎぃーーー!!」
どうもこのおばさん、この出版社の社長さんだったそうだ。ビジネスデーでほかの研究者からボクのウワサを聞いて、徹夜で並んで1番目で待っててうちのブースに来たんだってさ···。だから目が血走ってたのか···。寝てないだろうから、もうハイになっちゃってるんだろうなぁ~。
そして最終日も用意した資料もあっという間になくなってしまい、この日も前日のウワサを聞きつけたマダムたちが大量に押し寄せる事態となったんだ···。なんと憲兵まで出動して列整理に当たるハメになっちゃって大混乱になっちゃいました···。
完全にほかの研究者さんたちに大迷惑をかけちゃう結果になってしまい、発表会終了後に謝罪しておきました···。発表会自体も終了時間になっても客が残り続けてしまって1時間押しましたよ···。
後日、再編集した資料が本になって、こちらはベストセラーになっちゃったそうです。女王様まで拝謁しちゃったらしいよ?おかげでボクの収入に結構な額の印税が加わりました···。
さらにはアクロの温泉街に女性客が大量に押し寄せる事態になってしまいました···。予約なんてこの世界にはないので、しばらく大混乱になっちゃったんだよなぁ~。まるで元の世界の観光公害になってしまったんだよ···。今は落ち着いたんだけどね。
年末年始すぺしゃる2〜投稿2周年記念SS集 完
今回のお話はかつて参加したコミケを思い出して書きました。夏の炎天下で入場待機列に長時間並んでましたなぁ〜。そして人のあまりの多さに酔ってしまうというのも体験しました。
アキくんのブースはキャパを大幅にオーバーした群衆がやってきてしまったので大混乱に陥りました!壁サークルなんて目じゃない規模になっちゃったんですよね。それだけこのエーレタニアではスキンケアという概念がなくて画期的だったんですよ。
まぁ、作者が今年出店する文学フリマでもこうなったらなぁ〜って願望がちょこっとだけ入ってますけどね(笑)。自費で印刷所に入稿して本を作っちゃって直接取りに行った経験もちょこっと入れて書きました。なんでも経験はしておくものですなぁ~。
そして税務署長コウくんの物語で登場したドゥー・スケスケ出版社が登場しました!健全なものからちょっとアレなものまで印刷してくれる王族御用達の会社になってました。アキくんの本も出版されちゃいましたね。
そしてアクロがオーバーツーリズムに···。現代のように予約を事前に押さえることができないので、宿が取れない!って人は悲惨な状況に···。まぁ、交通機関が発達してるので周辺の町で宿泊した···。ということにしておきましょう。
次はネタバレ集です。それではお楽しみに〜!




